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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
県立長野図書館 (2110021)管理番号
(Control number)
県立長野-21-230
事例作成日
(Creation date)
2021年07月21日登録日時
(Registration date)
2022年02月08日 13時31分更新日時
(Last update)
2022年02月25日 14時30分
質問
(Question)
佐久地方の「石幢(せきどう)」及び碑文に「南無阿弥陀仏」という六字名号(みょうごう)が彫られているものを探している。石造文化財についてまとめられたものはあるか。浄土教普及の流れの参考にしたい。
回答
(Answer)
『佐久石造文化財集成』岡村 知彦編 長野県地名研究所 2011【N714/88】を索引がないため本文を順に確認したが、「石幢」及び碑文に「南無阿弥陀仏」と記載を確認できたのは次の1点のみ。
  p.470佐久市野沢区 跡部
  番:56石像 類別:名号塔 石幢 数:1 年号:延宝 年:8 形式:重制 刻像:六地蔵立像
  丈:200 碑文:南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 栄覚□□ 所在地:上町屋
利用者が石幢を見た西方寺の所在地は、佐久市跡部で小字は上町屋のため、上記は同一の石幢と思われる。
 
 このほか、類別の項目が「名号塔」となっていて碑文の項目に「南無阿弥陀仏」とあるものが散見されたが、量が多くすべてを書きだすことはできない。

 編集者によるあとがきには、
    本書が修正・加筆され、より完成度の高い基礎資料が蓄積されるよう、佐久の郷土史・民間信仰研
   究諸氏のアルバイトに期待します。本抄書を手掛かりにして、悉皆調査報告書謄本『北佐久石造文化
   財集成』(全6巻)及び『南佐久石造文化財集成 佐久市南部』(全5巻)を併せ活用いただければ佐久地
   方の石造文化財の詳細がより鮮明に浮かび上がるものと信じてやみません。
とある。ここに示されてされている『北佐久石造文化財集成』、『南佐久石造文化財集成 佐久市南部』は下記11冊。掲載件数までは照合してはいない。
・『北佐久石造文化財集成 軽井沢町・御代田町』岡村知彦編・刊 1989【N714/48/1】
・『北佐久石造文化財集成 小諸市』岡村知彦編・刊 1989【N714/48/2】
・『北佐久石造文化財集成 北御牧村・浅科村』岡村知彦編・刊 1993【N714/48/3】
・『北佐久石造文化財集成 佐久市北部』岡村知彦編・刊 1991【N714/48/4】
・『北佐久石造文化財集成 立科町編』岡村知彦編・刊 1994【N714/48/5】
・『北佐久石造文化財集成 望月町』岡村知彦編・刊 1993【N714/48/6】
・『南佐久石造文化財集成 佐久市南部』岡村知彦編・刊 1992【N714/49/1】
・『南佐久石造文化財集成 臼田町の石造文化財』岡村知彦編・刊 1996【N714/49/2】
・『南佐久石造文化財集成 佐久町・八千穂村』岡村知彦編・刊 1997【N714/49/3】
・『南佐久石造文化財集成 小海町・北相木村・南相木村』岡村知彦編・刊 1998【N714/49/4】
・『南佐久石造文化財集成 南牧村・川上村』岡村知彦編・刊 2003【N714/49/5】

また、『佐久石造文化財集成』2011の出版後に下記2冊が改訂発行された。
・『北佐久石造文化財集成 佐久市北部』改訂版 岡村知彦編 風間野石仏の会 2014【N714/48/4a】
・『南佐久石造文化財集成 佐久市南部』改訂版 岡村知彦編 風間野石仏の会 2014【N714/49/1a】

 以下、石幢に関する文献ではないが、参考に紹介した。
<長野県における浄土信仰の広がり>
・『長野県史 通史編第3巻』長野県編 長野県史刊行会 1987【N209/11-4/3】
  第6章室町・戦国時代の文化 第1節仏教諸教団の発展 p.541
    戦国時代末から近世初期にかけて信濃の浄土宗布教にもっとも力をつくしたのは岌往[きゅうおう]
   (1502-85)である。伊勢の人で、武田氏の帰依を得て、その領国甲斐・信濃で多くの廃寺を中興
   し、また新しく寺を建てた。
とある。しかし、岌往の布教の順路などについてはわからなかった。

・『佐久市志 歴史編(2)』 佐久市志編纂委員会編 佐久市志刊行会 1993【N223/69/3-2】
 目次を確認したが、「石幢」を含む項目は確認できない。
  p.238「浄土教の普及」では、
    平安時代後期から、信濃でも多くの阿弥陀仏が造られた
とある。また、
    鎌倉時代には、浄土教系の新宗派が三宗始められた。(中略)浄土宗はまず善光寺を中心に広まっ
   た。浄土真宗は覚明(西仏・海野通広、幸長)祖とする海野系寺院が、小県・筑摩・北信濃平野部な
   どに広まった。(中略)落合新善行寺を中心に浄土信仰が広まった。しかし、佐久方面へは一遍の布
   教がもっとも大きな影響を及ぼした。
とある。なお、続く「一遍と佐久」p.239-243では佐久での一遍の活動について触れられている。

<長野県における板碑>
・米山一政著「6.長野県」『板碑の総合研究2』坂詰 秀一編 柏書房 1983【185.5/サヒ/2】p.202-208
  長野県内の板碑の概説。冒頭部分に
    現在、県内での板碑の発見例は、県の東部にあたる南北佐久郡及び小県郡を除くとその数は甚だ
   少ない
とあった。また、最後のまとめの部分で
    県内の板碑が浄土教信仰の影響下に建置されたものであることは明らかである
とある。
・『佐久市志 歴史編(2)』[前掲]
  p.680-686では旧佐久市域で出土した板碑について考察が加えられている。掲載点数は限られるが、
 冒頭で紹介した『佐久石造文化財集成』よりも所在地がより詳細に示されている。
回答プロセス
(Answering process)
1 『日本国語大辞典 第7巻』第2版 小学館【813.1/シヨ/7】でp.1320「石幢」を確認する。
    石造建造物の一つ。六角柱または八角柱の幢身と龕(がん)部・笠・宝珠などから成る。(-中
   略-)日本では石灯籠の火袋(ひぶくろ)のところが仏龕になった形のものが一般的で、さらに簡
   略なものもある。中世の遺物が多い。
 とある。

2 石造文化財の資料について、郷土分類N710(石彫)の書棚を調べていく。『佐久石造文化財集成』がとても大部なものになっているため、各市町村のものも紹介することとする。

3 浄土教の普及について、当該地域である佐久市の『佐久市志 歴史編(2)』を調べる。

<調査済み資料>
・栗岩英治「信濃に於ける井上氏系浄土宗寺院考える」『信濃1次7巻1号』p.26-30
・小穴芳実「中世北信濃における浄土真宗寺院の発展-特に井上氏系寺院の研究-」
      『信濃3次』第25巻6号 p.467-481
・『板碑の総合研究 1』坂詰秀一編 柏書房 1983【185.5/サヒ/1】
    石村喜英「題目、名号、十三仏板碑」p.120-157のp.129-139に碑面に「南無阿弥陀仏」と書か
   れた板碑である名号板碑について言及している部分がある。
・『高遠町誌 人物篇』高遠町誌人物篇編纂委員会編 高遠町誌刊行会 1986【242/79/3】
    p.187「岌往」に「修学ののち、諸国に遊歴して行化怠らず(後略)」とあったが、遊歴の順路ま
   では言及されていない。
・『佐久市志 歴史編(2)』[前掲]
    p.700-701「西念寺」 岌往について「武田信玄の帰依をえて甲斐・信濃に多くの浄土宗の寺を
   建て、また廃寺を復興した」とあるが、活動の順路に関する記述はない。
・『南佐久郡の板碑』市川雄一郎編 市川雄一郎 1931【N223/4】
    主に南佐久郡の板碑についてまとめられている。冒頭に10枚の拓本などの図版があり、目次では
   「図版(現存全部及び参考図)=北佐久全部、小県、川越」となっているが、「南佐久」と書かれてい
   るものもある。
    南佐久郡の現存目録では、板碑33枚について記述があり、発見地、所蔵者、完否[欠けなどの記述
   あり]、全長、幅、厚、廓線、横線、種子、蓮座、圓相、年号其他の項目があった。
    また分布については、p.5-6に南佐久郡、p.6とp.7の間に挟まれているページに北佐久郡、小県郡
   の町村名と数について表にまとめられているが、碑文までは掲載がない。これらがまた、どこから
   伝わったかなどの考察がされている箇所も確認できなかった。
事前調査事項
(Preliminary research)
佐久市跡部の西方寺境内で「南無阿弥陀仏」と六字名号がかかれた石幢を見つけた。
NDC
石彫  (714 10版)
仏像  (718 10版)
各宗  (188 10版)
参考資料
(Reference materials)
岡村知彦 編 , 岡村, 知彦, 1943-. 佐久石造文化財集成. 長野県地名研究所, 2011.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023339618-00  (【N714/88】)
長野県/編集 , 長野県. 長野県史 通史編 第3巻. 長野県史刊行会, 1987.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005947135-00  (【N209/11-4/3】)
佐久市志編纂委員会/編 , 佐久市志編纂委員会. 佐久市志 歴史編(2). 佐久市志刊行会, 1993-07.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I058921037-00  (【N223/69/3-2】)
坂詰 秀一/編 , 坂詰‖秀一. 板碑の総合研究 2. 柏書房, 1983.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005595982-00  (【185.5/サヒ/2】p.202-208)
キーワード
(Keywords)
石幢
六字名号
石像文化財
浄土宗
板碑
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介 事実調査
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000311893解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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