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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
福岡県立図書館 (2110014)管理番号
(Control number)
福参-1177
事例作成日
(Creation date)
20210306登録日時
(Registration date)
2021年11月15日 00時30分更新日時
(Last update)
2022年03月02日 11時22分
質問
(Question)
漢字の「幸」の字について、7画目の横棒が昭和40年代までは6画目の横棒より長かったと思う。
いつごろから7画目の方が短くなったのか、7画目が長いのは間違いなのか知りたい。
回答
(Answer)
〇時期について
正確な年代については分からない。調査した資料のうちそれぞれ古いものは以下のとおり。

・6画目よりも7画目の方が長いもの
◆参考資料14『教科書書体変遷史』 2003年発行 
 p.176 「「小學國語讀本」巻七 昭和11年1月31日 文部省。」
 p.79 「東京書籍 昭和三一年度「新編新しい国語」6Ⅱ 昭和三〇年八月一〇日 巻末 当用漢字(別表)音訓表 漢字一覧(原寸の八四%)」
◆参考資料15『教育漢字字源辞典』 1956年発行 p.18

・6画目よりも7画目の方が短いもの
◆参考資料8『当用漢字ハンド・ブック』 1950年発行  「当用漢字一覧」 p.163
◆参考資料14『教科書体変遷史』 2003年発行
 p.103「東京書籍 昭和三六年度用教科書体 改作漢字旧比較表 三三二文字」
  「教科書体活字改作原本(その一)」の表に
  「幸」の字について7画目が長いもの(旧)、7画目が短いもの(改作)の記載がある。

〇字体・字形の正誤について

文化庁HP>政策について>国語施策・日本語教育>国語施策
◇参考URL2「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」 文化審議会国語分科会 平成28年2月29日( https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/92550601_01.pdf  2021.06.15最終確認))に以下の記述あり。

p.38 「4 手書き(筆写)の楷書では、いろいろな書き方があるもの」の「(1)長短に関する例」に「ここに挙げるような長短の違いは,字体の判別の上で問題にならない。」との記述があり、「ア 複数の横画を有する漢字における、横画の長短に関するもの」に「幸」の例として7画目が6画目より短いものと長いものがあげられている。

p.86-87 「Q34 窓口で問題になることの多い漢字」
回答に「ここに挙げた手書き文字の字形の例は,どれも誤りと言えるものではなく,原則として,いずれも左に示した明朝体と同じものとみなされます。」とあり、「手書き文字の字形の例」として幸の7画目が6画目より短いもの、長いもの、同じものがあげられている。明朝体の例は7画目が短い。「問題になることのある点」として「6画目と7画目の長短に関する点、など」とある。

p.102-103 「Q58 横画の長短 楷書の手本を見ていたら,「天」の下の横画の方が長い字や,「幸」の1番下の横画が一つ上の横画よりも長い字などがありました。そのような書き方をしてもいいのでしょうか。」
 「A いずれの書き方も,手書きの楷書では伝統的に用いられてきた形であり,誤りではありません。戦後から昭和50年代に掛けて用いられた教科書にも,そのような字形が見られます。」
 「手書きの楷書では,横画の長短が違う,次のような書き方をすることがあります。古くは,「天」も「幸」も,下に挙げる例の右側の方で書かれるのが一般的でした。戦後の教科書を複数確認すると,横画の長短に違いがあるものが見られます。「天」や「幸」だけでなく、点画における長短の違いが漢字の判別に関わらない場合には,それを誤りであるとは言えません。」
「幸」 左から6画目が7画目より短いもの、同じもの、長いものの順に書かれている。
回答プロセス
(Answering process)
①辞典類を調べる。
参考資料1-5で「幸」の字をそれぞれ確認。

参考資料1『新・字形と筆順』 2018年発行 p.102
 見出しの「教科書体活字」では7画目の方が短い。
 ※「硬筆・楷書」では7画目の方が短いが、「硬筆・行書」では7画目の方が長い。

・いずれも6画目よりも7画目の方が短い。
参考資料2『新潮日本語漢字辞典』2007年発行 p.720
参考資料3『字統』2004年発行 p.305
参考資料4『字統』1984年発行 p.294
参考資料5『大字典』1979年発行 p.733

 
②当用漢字表・常用漢字表を調べる。
参考資料6-12で「幸」の字をそれぞれ確認。

〇当用漢字表
・いずれも6画目よりも7画目の方が短い。
参考資料6『当用漢字表(人名漢字学習漢字)・改定当用漢字音訓表・現代かなづかい・改定送り仮名の付け方』 1977年発行
   「当用漢字音訓用表(本表コ~コ)」 p.42
参考資料7『当用漢字・送りがな・筆順』 1970年発行 
   「五十音順当用漢字送りがな用例集」 p.64
参考資料8『当用漢字ハンド・ブック』 1950年発行 
   「当用漢字一覧」 p.163

〇常用漢字表
・いずれも6画目よりも7画目の方が短い。
参考資料9『常用漢字最新ハンドブック』2010年改定対応 2011年発行 
「常用漢字一覧」 p.89
明朝体、楷書体、ゴシック体での字形表記あり。いずれも7画目の方が短い。
参考資料10『常用漢字』付教育漢字・人名漢字 1981年発行 
 「本表」 p.56
参考資料11『注解 常用漢字表』新しい国語表記 1981年発行 
 「本表」 p.56

・6画目よりも7画目の方が長い
参考資料12『常用漢字用字用例辞典』 1981年発行 p.130

③教育漢字(学習漢字)を調べる。
参考資料7,10,13-14で「幸」の字をそれぞれ確認。

・いずれも6画目よりも7画目の方が短い。
参考資料10『常用漢字』付教育漢字・人名漢字 1981年発行 
 「教育漢字」 p.186(第三学年)
参考資料11『注解 常用漢字表』新しい国語表記 1981年発行 
 「小学校学習指導要領(昭43)の学年別漢字配当表」 p.432(第四学年)
参考資料13『例解学習漢字辞典』 2010年発行 p.356(学3年)
参考資料14『教科書書体変遷史』 
 「当用漢字字体表 新聞協会「活字字体統一中間報告書」昭和三三年一〇月一一日より。」 p.57
 「教科書体で示された標準字体「学年別漢字配当表」「官報」文部省告示 第一五五号 昭和五二年七月二三日。」p.126
 「東京書籍 昭和三六年度用教科書体 改作漢字旧比較表 三三二文字」p.103
 「教科書体活字改作原本(その一)」の表に
 「幸」の字について7画目が長いもの(旧)、7画目が短いもの(改作)の記載がある。

・いずれも6画目よりも7画目の方が長い。
参考資料7『当用漢字・送りがな・筆順』 1970年発行 
  「教育漢字の学年別配当とその筆順」 p.194(4年)
参考資料11『注解 常用漢字表』新しい国語表記 1981年発行 
  「小学校学習指導要領(昭52)の学年別漢字配当表」 p.434(第三学年)
参考資料14『教科書体変遷史』 
「東京書籍 昭和三一年度「新編新しい国語」6Ⅱ 昭和三〇年八月一〇日 巻末 当用漢字(別表)音訓表 漢字一覧(原寸の八四%)」 p.79 
 「「小學國語讀本」巻七 昭和11年1月31日 文部省。」 p.176
参考資料15『教育漢字字源辞典』 1956年発行 p.18

③インターネットで調べる。
参考URL1,2が見つかる。

文化庁HP( https://www.bunka.go.jp/
ホーム>国語施策・日本語教育>国語施策情報>内閣告示・内閣訓令
◇参考URL1「常用漢字表(平成22年11月30日内閣告示)」
https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/kanji/index.html  2021.06.15最終確認)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
辞典  (813 10版)
参考資料
(Reference materials)
1 新・字形と筆順 宮澤 正明/編 光村図書出版 2018.4 728/4R/128 p.102
2 新潮日本語漢字辞典 新潮社/編 新潮社 2007.9 813/2R/79 p.720
3 字統 白川 静/著 平凡社 2004.12 813/1R/102 p.305
4 字統 白川 静/著 平凡社 1984.8 813/1R/63 p.294
5 大字典 上田 万年/[ほか]編 講談社 1979 813/2R/19B p.733
6 当用漢字表(人名漢字学習漢字)・改定当用漢字音訓表・現代かなづかい・改定送り仮名の付け方 白石大二/編 大蔵省印刷局 1977.12 811/27R/1 p.42
7 当用漢字・送りがな・筆順 文部省.調査局/編 帝国地方行政学会 1970.11 811/27/S16 p.64,p.194
8 当用漢字ハンド・ブック 松坂 忠則/著 共和出版社 1950 813/5/S1 p.163
9 常用漢字最新ハンドブック 前田 富祺/編著 明治書院 2011.1 811/27/10 p.89
10 常用漢字 第一法規編集部/編 第一法規 1981 811/27R/4 p.56,p.186
11 注解 常用漢字表 藤原 宏/著 ぎょうせい 1981.12 811/27R/5 p.56,p.432,p.434
12 常用漢字用字用例辞典 武部 良明/編修 教育出版 1981.7 811/27R/S3 p.130
13 例解学習漢字辞典 藤堂 明保/編 小学館 2010.11 813/レ/ p.356
14 教科書体変遷史 板倉 雅宣/著 朗文堂 2003.3 749/41/9 p.57,p.79,p.103,p.12,p.176
15 教育漢字字源辞典 加藤常賢/著 好学社 1956 813/6R/2 p.18
1 文化庁「常用漢字表(平成22年11月30日内閣告示) https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/kanji/index.html 2021.06.15最終確認
2 文化庁「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」文化審議会国語分科会 平成28年2月29日 https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/92550601_01.pdf 2021.06.15最終確認
キーワード
(Keywords)
常用漢字 教育漢字 字体 字形
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
その他
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000307628解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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