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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
大阪府立中央図書館 (2120005)管理番号
(Control number)
6001035405
事例作成日
(Creation date)
2018/11/02登録日時
(Registration date)
2018年12月23日 00時30分更新日時
(Last update)
2018年12月23日 00時30分
質問
(Question)
18世紀フランスの天文学者ラランド(1732―1807)が、江戸時代の日本の天文学に与えた影響について知りたいので、資料を教えてほしい。
回答
(Answer)
以下の資料があります。
<図書>
・『徳川社会と日本の近代化』(笠谷和比古/編  思文閣出版 2015.3)
p.501-522
和田光俊「蘭書による西洋天文学の受容の始まり-『ラランデ暦書』の入手・翻訳をめぐって」
中国経由ではなく、直接西洋からの知識受容を始めた天文方として高橋至時をあげて、フランス人天文学者ジェローム・ラランド著『ラランデ暦書』の入手から至時以降の研究継続とその後について詳述しています。
当該書の解読と研究の成果として、至時は、半年ほどの短期間で『ラランデ暦書管見』11冊をあらわしたとのことです。「至時はオランダ語をあまり理解することができず、時間的にもかぎられていたため、原書各冊の巻末にある図と表をたよりに、そこから本文を辿って、主だったところを解読し、抜き書きした」とあります。
至時が41歳の若さで病没した後、この研究は天文方で継続され、長男の高橋景保や間重富に受け継がれ、最終的に渋川景佑(天文方・渋川正陽の養嗣子、至時の次男)や足立信頭によって『新巧暦書』にまとめられ、これを基にして天保13(1842)年「天保暦」がつくられることになりました。

・『日本思想大系 65 洋学 下』(岩波書店 1972)
p.167-206 中山茂校注「ラランデ暦書管見(抄)」
p.419-440 広瀬秀雄「洋学としての天文学-その形成と展開」のうち、p.430-434 「五 高橋至時と洋学天文学の形成」に高橋至時と「ラランデ暦書」についての記述があります。p.434-440 「六 洋学天文学の流れ」には、高橋至時没後の天文方から明治新政府の星学局までの歴史が綴られています。
p.473-478 中山茂「高橋至時と「ラランデ暦書管見」」
「ラランデ暦書管見」についての解説があります。

・『近世日本天文学史 上』(渡辺敏夫/著 恒星社厚生閣 1986.6)
以下の章に関連の記述があります。
第10章 ラランデ天文書の入手とラランデ暦書管見
第12章 浅草暦局の活躍と高橋景保
第15章 天保の改暦と渋川景佑

・『帆足万里 新装版(人物叢書)』(帆足図南次/著 吉川弘文館 1990.1)
p.111-113 「四 『窮理通』の諸資料」の引用書目にも『蝋蘭垤天文志』(ラランド)の記載があります。これについては、p.115-116に解説があります。 

<雑誌>
・帆足図南次・井上英明「近世日本の天文学とラランド」『日本歴史』374(日本歴史学会吉川弘文館 1979.7)p.33-46
この論考で帆足図南次は、ラランド天文の影響を受けた人物として「志筑忠雄(1760-1806)」、「高橋至時(1746-804)」とその門流、『窮理通』の著者「帆足万里(1778-1852)」をあげています。

・『天文月報』98(5)(日本天文学会 2005.5)特集:西洋精密科学受容の先人たち(1)
p.291-299 「高橋至時と西洋天文学」
p.310-316 「天文方のラランデ天文書研究」

・『天文月報』98(6)(日本天文学会 2005.6)特集:西洋精密科学受容の先人たち(2)
p.353-365 「幕府天文方成立の歴史的意義」
p.384-390 「羽間文庫の高橋至時関係資料」

<インターネット情報>
・嘉数次人「江戸幕府の天文学 その10」『天文教育』21(6)(天文教育普及研究会 2009.11)
https://tenkyo.net/kaiho/pdf/2009_11/2009-11-02.pdf  (2018.11.2現在)
天文方・高橋景保(かげやす)の業績を中心に紹介しています。

・嘉数次人「江戸幕府の天文学 その11」『天文教育』21(7)(天文教育普及研究会 2009.12)
https://tenkyo.net/kaiho/pdf/2010_03/2010-03-09.pdf  (2018.11.2現在)
高橋景保の次男・渋川景佑の業績を中心に紹介しています。


[事例作成日:2018年11月2日]
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
日本史  (210 8版)
個人伝記  (289 8版)
天文学.宇宙科学  (440 8版)
参考資料
(Reference materials)
徳川社会と日本の近代化 笠谷/和比古‖編 思文閣出版 2015.3 (501-522)
日本思想大系 65 岩波書店 1972 (167-206、430-440、473-478)
近世日本天文学史 上 渡辺/敏夫∥著 恒星社厚生閣 1986.6 (10章:229-263、12章:287-304、15章:351-389)
帆足万里 帆足/図南次∥著 吉川弘文館 1990.1 (111-113、115-116)
日本歴史 日本歴史學会 吉川弘文館  372-375 (374:33-46)
天文月報 日本天文学会 日本天文学会  98(1-12)(2005) 12号:98巻総目次 (98(5):291-299、310-316、98(6):353-365、384-390)
https://tenkyo.net/kaiho/pdf/2009_11/2009-11-02.pdf  (『天文教育』21(6)(天文教育普及研究会 2009.11))
https://tenkyo.net/kaiho/pdf/2010_03/2010-03-09.pdf  (『天文教育』21(7)(天文教育普及研究会 2009.12))
キーワード
(Keywords)
ラランド(ラランド)
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
人物・団体
質問者区分
(Category of questioner)
個人
登録番号
(Registration number)
1000249104解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決

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