レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/6/18
- 登録日時
- 2017/08/03 00:30
- 更新日時
- 2024/03/29 00:32
- 提供館
- 金沢市図書館 (2310230)
- 管理番号
- 玉川-000522
- 質問
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解決
【ヘイケボタルについて】 ヘイケボタルの命名の由来が知りたい。なぜヘイシボタルではないのか。
- 回答
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『ホタル百科』(112507372)p.7によると、江戸時代に出版された図録本に「源氏蛍(げんじぼたる)」「平家蛍(へいけぼたる)」という名は記されていない。小西正泰氏によれば、1856年に出版された『虫譜図説』(飯室楽圃)や1906年に出版された『日本千虫図解第三巻』(松村松年)に源氏蛍の名が記されているとのこと。源氏蛍の名は『源氏物語』に登場する光源氏にちなんで付けられたとする説などが紹介されている。「平家蛍」については、おそらく体の大きい源氏蛍に対して後から付けられたと考えられるとのこと。
『ゲンジボタル』(11096290)p.8-9「種名の由来」に、柳田国男が「蛍が光を放つことに一種の力を感じてゲンジ(験師)という名が付いたのではないか」と主張する説を紹介している。「形が大きいゲンジボタルに対し小形のホタルにヘイケボタルという名がつけれらたのは自然のことと言える」と推察している。
『ヘイケボタル 人里の可憐な昆虫』(111737037)p.22-23「和名について」に、神田左京氏の説として、「ヘイケボタルという名をだれが初めにつかったのかわからないが、ゲンジボタルの名ができてから出てきたものであることだけは確かだと思う。光の強い大きなホタルがゲンジボタルという名で呼ばれるようになって、対立した連想から光の弱い小さなホタルがヘイケボタルという名で呼ばれるようになったのではないか」という説を紹介している。「平家蛍」という名前を特定種の呼び名として取り上げ、「源氏蛍」というホタル名に対比した形で使ったのは渡瀬庄三郎氏(東洋学術雑誌1902、学芸叢談蛍の話1902)が初めてとのこと。
なお、平氏と平家の違いについて、『平安時代史事典 本編 下』(111514480)p.2253に「平氏と平家とは意味を異にしている。平家とは、平朝臣氏のうちの特定の家ないし家系をいう」とあり、最も著名な平家は壇ノ浦の戦いで滅びた平家(六波羅)政権とする。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 自然科学 (4 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000219845