レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年03月22日
- 登録日時
- 2017/04/02 12:27
- 更新日時
- 2024/02/04 12:37
- 管理番号
- 【0】中2016-067
- 質問
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解決
立春に卵が立つという現象について知りたい。
- 回答
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結論としては、卵というものは立春に限らず、立てようと思えば立つものであり、卵が立たなかったのは、皆が立たないと思っていたからである。
- 回答プロセス
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インターネットで調べると中谷宇吉郎の随筆に「立春の卵」というものがある。
『中谷宇吉郎随筆集』 /S914.6ナ/ 樋口敬二/編 岩波書店 1988 (岩波文庫) pp.344-357 【資料1】
これは、1947年(昭和22年)の『世界』4月号に初出のもので、同年2月5日の朝日新聞の記事を取り上げたもの。立春に卵が立つ話は、支那の古書から。結論としては、立春に限らず、卵というものは立つものである。卵の表面の凹凸は、きわめて滑らかな波形をしており、人間の手でも、落ち着いて少し根気よくやれば調整できるはずであり、一旦立った卵は、一度くらい傾くまでは安定であって、それ以上傾くと倒れるはずである。問題は角度にして一度以内というのは恐ろしく小さい角度であって、そういう範囲内で卵を垂直に立てることが非常に困難なのである。このことは、卵は立たないという想定の下ではほとんど不可能であり、事実やってみた人もなかったのであろう。何百年の間、世界中で卵が立たなかったのは、皆が立たないと思っていたからである。
上記の内容で回答済。
【追記】
資料1のpp.344-357「立春の卵」文末に発表日が昭和22年4月1日とある。p.385に初出一覧あり。立春の卵は『世界』(書林新甲鳥刊『立春の卵』)とある。
『中谷宇吉郎 雪を作る話』 /J404/ 中谷宇吉郎/著 平凡社 2016 【資料2】
pp.101-117「立春の卵」(文末に1947年47歳と記載あり。)
新聞記事については、以下のとおり確認できる。
聞蔵-Ⅱ「朝日新聞縮刷版1879-1999」で、見出しとキーワード「立春 卵」で検索。
朝日新聞 1947年2月5日 朝刊 p.2 「立春・不思議や卵が立つ」
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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【資料1】樋口敬二 編 , 中谷, 宇吉郎, 1900-1962 , 樋口, 敬二, 1927-. 中谷宇吉郎随筆集. 岩波書店, 1988. (岩波文庫)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001947930-00 , ISBN 4003112415 -
【資料2】中谷宇吉郎 著 , 中谷, 宇吉郎, 1900-1962. 中谷宇吉郎 : 雪を作る話. 平凡社, 2016. (STANDARD BOOKS)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027074964-00 , ISBN 9784582531541
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【資料1】樋口敬二 編 , 中谷, 宇吉郎, 1900-1962 , 樋口, 敬二, 1927-. 中谷宇吉郎随筆集. 岩波書店, 1988. (岩波文庫)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000214383