レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年3月9日
- 登録日時
- 2017/03/09 15:45
- 更新日時
- 2018/06/09 11:49
- 管理番号
- 120
- 質問
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解決
尼崎出身の城郭画家・荻原一青(おぎはらいっせい)について調べたい。一青の作品は、現在どこにどのように収蔵・保管されているのか。
- 回答
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荻原一青(1908-明治41-.10.4-1975-昭和50-.7.7)は、尼崎の築地出身の城郭画家です。若き日に友禅画家の下絵描きとして修行したのち、故郷尼崎の城の遺構が失われるのを目の当たりにして、ありし日の姿を描くことをこころざし、尼崎城のみならず全国の城郭復元画を描きました。戦災により家族を失い、描きためた作品も戦災とジェーン台風(昭和25年)と二度にわたり消失しますが、くじけず、失業対策事業の肉体労働に従事し家族を養うかたわら夜間に絵筆をとり、復元画に取り組み続けました。ニコヨン画家と呼ばれ、後年は城郭研究家・鳥羽正雄の指導を得て研究と研鑽に努めた結果、各地で城郭画展を開催するなど次第に認められ、生前と没後に画集が刊行されました。
荻原一青の画業については、『図説尼崎の歴史』現代編のコラムが紹介するほか、2冊の画集に作品が掲載されています。また、主要作品が静岡県熱海市内にある観光施設「熱海城」に預けられ展示されているほか、習作的な作品群を遺族が所蔵しています。このほか、島原城などいくつかの施設に作品が分散していますが、その全容はかならずしもあきらかではありません。
これに加えて、荻原一青が原画を描き、堺市中区毛穴(けな)で注染和晒の技術により作られた百名城の手ぬぐいシリーズがあります。原画と手ぬぐいが堺市在住の注染職人宅に保管されていた手ぬぐいと原画・型紙が、尼崎市立地域研究史料館に寄託されています。また、兵庫県立歴史博物館所蔵の鳥羽コレクションに、手ぬぐい約70点が含まれています。
- 回答プロセス
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1 荻原一青の生涯と画業に関する参考文献
◆『図説尼崎の歴史』下巻/Web版図説尼崎の歴史
現代編第二節4コラム「荻原一青-尼崎が生んだ城郭画家-」執筆者:下中俊明
2 荻原一青画集
◆『城郭画集成』(同書出版世話人会,1968)
◆『日本名城画集成』(小学館,1978)
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (281)
- 日本の建築 (521)
- 絵画 (720)
- 参考資料
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尼崎市立地域研究史料館/編集 , 尼崎市立地域研究史料館. 図説尼崎の歴史 : 尼崎市制九〇周年記念 下巻. 尼崎市, 2007.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005908615-00 (当館請求記号 219/A/ア) -
荻原一青 画 , 荻原, 一青, 1908-1975. 城郭画集成. 「城郭画集成」出版世話人会, 1968.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001285052-00 (当館請求記号 721.6/A/オ) -
荻原一青 画 , 荻原, 一青, 1908-1975. 日本名城画集成. 小学館, 1978.(2016年復刻・改訂再刊)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001362031-00 (当館請求記号 721.6/A/オ)
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尼崎市立地域研究史料館/編集 , 尼崎市立地域研究史料館. 図説尼崎の歴史 : 尼崎市制九〇周年記念 下巻. 尼崎市, 2007.
- キーワード
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- 城郭復元画
- 尼崎城
- 荻原一青
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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Web版図説尼崎の歴史 現代編第2節4コラム
http://www.archives.city.amagasaki.hyogo.jp/chronicles/visual/05gendai/gendai2-c3.html
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000211350