レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012/8/26
- 登録日時
- 2016/03/29 00:30
- 更新日時
- 2024/03/29 00:30
- 提供館
- 金沢市図書館 (2310230)
- 管理番号
- 玉川-000090
- 質問
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解決
【織田信長の小説について】 最近、山本兼一氏の『信長死すべし』という小説を読んだが、信長が明智光秀をいじめたという記述は信じ難い。そういうことの書かれていない小説を教えてほしい。
- 回答
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近年の信長に関する小説として、以下の本を紹介した。
・『信長私記』花村萬月/著(講談社、2012年)(113191397)
・安部竜太郎『蒼き信長 上・下』(毎日新聞社、2010年)
小説はフィクションが入るため、より確実な典拠に基づくものとして、以下の本を紹介した。
・『詳細図説信長記』小和田哲男/著(新人物往来社、2010年)(113119607)
・『織田信長という歴史 『信長記』の彼方へ』金子拓/著(勉誠出版、2009年)(113035884)
なお、光秀が信長に謀反を企てた理由としての、いわゆる怨恨説の根拠となる事実(信長が光秀の母を見殺しにした等)は後世の創作として歴史学上は否定されている(『明智光秀』高柳光寿/著(129084360)など)。
ただし、光秀家臣の斉藤利三(春日局の父)の処遇や、光秀が取次をしていた長宗我部氏の征伐等をめぐり、光秀と信長が意見対立していたことは近年の研究で明らかにされている(『検証本能寺の変』谷口克広/著(2007年)(118485192)、『証言本能寺の変』藤田達生/著(2010年)(118526197))。
ルイス・フロイス『日本史』によると、彼の好みに合わぬ要件で、明智が言葉を返すと、信長は立ち上がり、怒りをこめ、一度か二度、明智を足蹴にしたということである」とあり(谷口前掲書p.239)、信長の光秀いじめに関する唯一の同時代史料である。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 文学 (9 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000190064