レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年11月16日
- 登録日時
- 2015/11/20 09:11
- 更新日時
- 2015/11/20 09:13
- 管理番号
- いわき総合-一般244
- 質問
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解決
赤穂浪士の大高源吾が、吉良邸討ち入りの前夜に、両国橋で俳句の師匠である宝井其角とばったり出会い、「年の瀬や水の流れと人の身は」「あした待たるる その宝船」と問答したのは事実か?
- 回答
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忠臣蔵関係の資料をいくつか確認するが、このエピソードは作り話のようである。
『なぞ解き忠臣蔵』P152-155に「江戸で其角に近づいたり、教えを受けた事実はなく、両国橋での話も事実ではない。為永春水の『伊呂波文庫』による虚構あたりが、出どころのようだ」と記述あり。
『忠臣蔵四十七義士全名鑑』の「大高源五忠雄」の項では、P177-178に宝井其角とのエピソードは「後世に作られた話である」と書かれている。
『考証赤穂浪士』の「大高源吾と宝井其角」(P217-221)の項では、「お芝居や俗説でいわれている様に、源五が其角の弟子であったという確証はどこにもないようだ。(中略)子葉(源吾の俳号)としては其角との交わりもある程度はあったかも知れない。」とある。
- 回答プロセス
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1.資料を調査
【資料①】『なぞ解き忠臣蔵』(祖田浩一 東京堂出版 1998)
【資料②】『忠臣蔵四十七義士全名鑑』(中央義士会 小池書院 2007)
【資料③】『考証赤穂浪士』(尾崎秀樹 秋田書店 1974)
回答のとおり、上記資料に大高源吾と宝井其角のエピソードについて記述あり。
【資料④】『歌舞伎事典』(服部幸雄ほか 平凡社 2000)
P366に、大高源吾と宝井其角が登場する歌舞伎「松浦の太鼓」について記述あり。
他に『忠臣蔵101の謎』(SS/210.5/イ・1510192162)、『忠臣蔵のことが面白いほどわかる本』(210.5/ヤ・1113170078)も確認したが、両国橋のエピソードは記述なし。
なお、【資料①】『なぞ解き忠臣蔵』にある為永春水の『伊呂波文庫』は、「国会図書館近代デジタルライブラリー」で公開しており閲覧することができる。
『伊呂波文庫 : 正史実伝』(為永春水 有朋堂 1913)http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1703877 [最終アクセス2015.11.18]
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 歌舞伎 (774 9版)
- 参考資料
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- 【資料①】『なぞ解き忠臣蔵』[SS/210.5/ソ・2310046814]
- 【資料②】『忠臣蔵四十七義士全名鑑』[210.5/チ・1112376528]
- 【資料③】『考証赤穂浪士』[SS/210.5/コ・1110822762]
- 【資料④】『歌舞伎事典』[R/774.0/カ・1111530703]
- キーワード
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- 大高源吾 おおたかげんご
- 宝井其角 たからいきかく
- 忠臣蔵
- 赤穂浪士
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000184230