レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年09月24日
- 登録日時
- 2015/01/22 10:12
- 更新日時
- 2015/03/11 10:32
- 管理番号
- 埼浦-2014-072
- 質問
-
未解決
伍井芳夫(いつい・よしお)大尉(昭和20年4月1日出撃、埼玉県出身)が搭乗した太平洋戦争時の特攻隊の飛行機の機種名、攻撃に向った地域、攻撃した艦船名を知りたい。
- 回答
-
伍井芳夫(いつい・よしお)大尉が搭乗した機種名については、一式戦闘機(「隼」)と九九式地上襲撃機(九九式軍偵察機)の両方について紹介されている資料があるが、特定することはできなかった。攻撃に向かった地域については、複数の資料ですべて一致して「沖縄・慶良間列島南側付近」を示す記述があり回答プロセス以下の資料を紹介した。
ただし、攻撃した艦船については、特定した資料は見当たらなかった。
- 回答プロセス
-
『特攻隊長伍井芳夫 父と母の生きた時代』(臼田智子著 中央公論事業出版 2003)
口絵写真(飛行機のプラモデル) 解説に「父は、これと同じ型の九九襲撃機で知覧を飛び立った。」とあり。
p67-68「四月一日、午前三時に出発。出撃は伍井隊長のほか岡本、金子准尉、大橋、藤野曹長、清水軍曹のベテラン級六人と決定。沖縄・慶良間列島南側付近、夜間飛行のうえに、荒天が予想された。清水機が直前になってエンジン不調。五機が暗夜の知覧飛行場を出撃した。」
「四月三日の朝、母はラジオの戦況ニュースに耳を傾けていた。(中略)「四月一日早朝、手に桜の花を持ち、第二十三振武隊特攻隊長伍井大尉、以下何名と出撃す」と告げていた。そして、沖縄海域において敵艦船に突入したと、ニュースは繰り返された。」との記載あり。
※ただし、遺族の元に生き残った部下から寄せられた手紙によると、途中で引き返したとの情報もあり(p104)。
『陸軍航空特別攻撃隊史』(生田惇著 ビジネス社 1977)
p278「沖縄方面」「第六航空軍」の表に「伍井芳夫」の記載あり。隊名「23(改行あり)99襲」月日「(昭和20年)4.1」場所「慶良間列島南」とあり。
『血戦特攻隊の記録』(桝谷健夫編 ツバサ広業 2000)
p141「埼玉県陸軍 四一名」の表に「伍井芳夫」の記載あり。階級「中佐」隊名「第23振武隊(九九襲)」(中略)戦死場所「慶良間列島南」戦死日「20.4.1」とあり。
『特別攻撃隊全史』(特攻隊戦没者慰霊平和祈念協会 2008)
p57「4月1日(中略)知覧からは第23振武隊の伍井大尉以下四名および飛行第65戦隊の久保軍曹が沖縄周辺の敵艦船群に突入した。」
p264「伍井芳夫」の記載あり。隊名「第23振武隊(九九襲)」階級「大尉」(中略)戦死場所「慶良間列島南」戦死日「20.4.1」とあり。
『ドキュメント神風 特攻作戦の全貌 下』(デニス・ウォーナー、ペギー・ウォーナー著 妹尾作太男訳 時事通信社 1982)
p294-359「付録1 特別攻撃戦果一覧表」あり。調査の参考資料も掲載。陸海軍の明確な区別を示す表記は見られなかったが、特攻隊名の一部に「陸軍飛行」あるいは「陸軍特攻」を冠するものあり。
p312-313 1945年4月1日の欄に、戦果(複数の艦船)および複数の特攻隊名の記載あり。その中に「陸軍特攻第二十三振武隊」の項あり。特攻機機種/機数「一式戦4」発進基地/発進時刻「知覧/早朝」指揮官「大尉 伍井芳夫」と記述あり。
「連合軍側の記録による損害・沈没艦船名」の項に11隻があげられているが、どの部隊および特攻機による被害なのかは詳述なし。
「日本側の確認または推定戦果」の項に、伍井隊を含む陸軍4隊による特攻の戦果として「巡洋艦4席撃沈/輸送船1席撃沈/間種負傷2席撃沈/輸送船1席円状」とあるが、どの舞台および特攻機による被害なのかは詳述なし。
『特別攻撃隊(別冊1億人の昭和史)』(毎日新聞社 1979)
p80-117「陸軍特別攻撃隊史」(生田惇)あり。フィリピンおよび沖縄作戦に関する記述あり。隊名、隊長名、機種機数等の記述はあるが、総合的な一覧にはなっていない。
p294-305「陸海軍航空特攻隊出撃年表」(S19.10.21~20.8.15)あり。年月日・特攻隊名・特攻機種機数・発進基地・指揮官の項目あり。陸海軍の明確な区別を示す表記は見られなかったが、特攻隊名の一部に「陸軍特攻」を冠するものあり(S19.11.12-)。
なお、p80に昭和19年5月27日に初期の体当たり攻撃があったという記載あり。
p298 昭和20年4月1日の項に「第二十三振武/一式戦4/知覧/大尉伍井芳夫」と記載あり。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 陸軍 (396 9版)
- 貴重書.郷土資料.その他の特別コレクション (090 9版)
- 参考資料
-
- 『特攻隊長伍井芳夫 父と母の生きた時代』(臼田智子著 中央公論事業出版 2003) , ISBN 4-89514-208-6
- 『陸軍航空特別攻撃隊史』(生田惇著 ビジネス社 1977)
- 『血戦特攻隊の記録』(桝谷健夫編 ツバサ広業 2000)
- 『特別攻撃隊全史』(特攻隊戦没者慰霊平和祈念協会 2008)
- 『ドキュメント神風 特攻作戦の全貌 下』(デニス・ウォーナー、ペギー・ウォーナー著 妹尾作太男訳 時事通信社 1982)
- 『特別攻撃隊(別冊1億人の昭和史)』(毎日新聞社 1979)
- キーワード
-
- 太平洋戦争
- 特別攻撃隊(特攻隊)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000166590