レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 大阪市立中央図書館 (2210006) | 管理番号 (Control number) | 3A20140929 | |||||||||||||||
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事例作成日 (Creation date) | 2014年09月29日 | 登録日時 (Registration date) | 2014年11月12日 00時30分 | 更新日時 (Last update) | 2015年12月15日 00時30分 | |||||||||||||
質問 (Question) | 昭和40年代に都島区南通にあった「高瀬染工場」という染色会社について、会社の業績や使用していた染料、朝鮮人を雇っていた経緯を知りたい。 | |||||||||||||||||
回答 (Answer) | 高瀬染工場は大正9年(1920)に大阪市北区(現在の都島区都島南通)で創業。昭和55年(1980)に大阪市内から石川県美川町に工場を移す。平成9年(1997)、業績悪化のため解散。 『近代日本会社史総覧 下巻』(日本図書センター,2012.3) p.531-2に高瀬染工場の設立年・資本金・昭和29年当時の年間生産量・株価・配当金等の記述および創業時から昭和29年までの社史が載っているが、染料や朝鮮人雇用についての記述はなし。 『在日朝鮮人関係資料集成 第1巻』(朴 慶植/編、三一書房、1975)p.405 『戦時下の社会-大阪の一隅から-』(横山 篤夫/著、岩田書院、2001.3)p.287 『大正・大阪・スラム-もうひとつの日本近代史- 増補版』(杉原 薫、玉井金五/編、新評論、1996.9)p.176 大正13年(1924)年3月末時点の大阪府内の朝鮮人労働者雇傭工場一覧があり、それによると高瀬染工場では府内9位の78人が働いていたことが分かるが、経緯についての記述はなし。 『大阪市工場一覧』(大阪市役所産業部/編: 大阪市役所産業部,1938.4) 合本のうち「大阪市工場一覧 昭和十三年版」p.26に住所・創業年月・職工数・電話番号のみあり。 『都島区史』(大阪都市協会/編集 都島区制五十周年記念事業実行委員会,1993.4) p.405に写真「大正5年に操業開始した高瀬染工場」あり。 p.411に一覧「主要製造工場(昭和27年現在)」あり。 p.412に高瀬染工場が石川県美川町に移転の記述あり。 国立国会図書館デジタル化資料(館内閲覧限定)「水質試験所調査報告並びに試験成績 第4集(昭和27年度)」(大阪市水道局水質試験所/編、大阪市水道局水質試験所、1953) p.94「高瀬染工場委頼井水」。とあり。国立国会図書館館内およびデジタル化資料送信サービス参加図書館で閲覧可能。こちらもあわせてご紹介。 | |||||||||||||||||
回答プロセス (Answering process) | (1)大阪市内の工場・染色会社という観点から資料を探す。 ・『大阪市工場一覧』(大阪市役所産業部/編: 大阪市役所産業部,1938.4) 合本のうち「大阪市工場一覧 昭和十三年版」p.26に住所・創業年月・職工数・電話番号のみあるが、詳しくは載っておらず。また他の合本のうち「大阪市工場一覧」(昭和元年末現在)p.12に「株式会社高瀬染工場」「株式会社高瀬染工場 網島工場」があるが、都島南通ではない。 ・『染のあゆみ-創立20周年記念史-』(大阪府繊維染色協同組合,1971) 大阪府繊維染色協同組合の記念史。p.132に、大阪市内の主要染織工場と各工場の所有する機器別の数の簡易な表が掲載されている。その中に高瀬染工場の名前もあり。 ・『日本全国銀行会社録』(商業興信所/編、商業興信所、1940) p.519に高瀬染工場の設立年・資本金・株価・配当金等の記述あり。 ・商用データベース「日経テレコン」を見出し語「高瀬染工場」で全期間検索。193件ヒットあり。その中の「会社概要-高瀬染工場-」(1997/02/04 日経産業新聞 17ページ)に、創業のこと、1980年代からの1997年当時にかけてのことは書かれているが、質問内容の1940年代についての記述はなし。 ・『近代日本会社史総覧 下巻』(日本図書センター,2012.3) p.531-2に高瀬染工場について、創立時より昭和29年までの社史が紹介されている。 (2)大阪市都島区の郷土資料を見る。 ・『都島区史』(大阪都市協会/編集 都島区制五十周年記念事業実行委員会、1993) 写真や移転の短い記述あり。 ・『みやこじま今昔写真集』(大阪都市協会/編集、都島区制五十周年記念事業実行委員会、1993.4) p.37に、昭和期の高瀬染工場を上空から撮影した写真あり。 (3)朝鮮人の雇用、という観点から資料を探す。 ・『在日朝鮮人関係資料集成 第1巻』(朴 慶植/編、三一書房、1975) p.405「朝鮮人就職場所別人員表(大正13年3月末現在)」によると、網島の高瀬染工場では78人の朝鮮人が働いていた。 (4)Googleブックスを“高瀬染工場”をキーワードに検索、下の2点がヒット。 ・『戦時下の社会-大阪の一隅から-』(横山 篤夫/著、岩田書院、2001.3) p.287「表2 大阪府内の朝鮮人労働者雇傭工場(上位10位まで) 1924年(大正13年)3月末現在」にも(5)と同時期の労働人口の表あり。高瀬染工場は、朝鮮人労働者雇用数では府内第9位。 ・『大正・大阪・スラム-もうひとつの日本近代史- 増補版』(杉原 薫、玉井金五/編、新評論、1996.9) p.176に「4-6表 大阪府下朝鮮人雇傭の主な工場 1924(大正13)年3月末現在」も、同じく78人。 (5)国立国会図書館サーチを「高瀬染工場」で検索したところ、雑誌記事など11件のヒット。その中に「水質試験所調査報告並びに試験成績 第4集(昭和27年度)」(大阪市水道局水質試験所/編、大阪市水道局水質試験所、1953)あり(当館所蔵なし)。目次情報を見ると、p.94に「高瀬染工場委頼井水」とあり。 | |||||||||||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | ||||||||||||||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) |
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キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | ||||||||||||||||||
寄与者 (Contributor) | ||||||||||||||||||
備考 (Notes) | ||||||||||||||||||
調査種別 (Type of search) | 事実調査 | 内容種別 (Type of subject) | 郷土 | 質問者区分 (Category of questioner) | 社会人 | |||||||||||||
登録番号 (Registration number) | 1000162061 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 解決 |