レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年03月27日
- 登録日時
- 2014/03/27 14:37
- 更新日時
- 2014/03/27 14:48
- 管理番号
- 054
- 質問
-
解決
アジア・太平洋戦争末期の昭和20年(1945)に、神戸に投下された原爆模擬爆弾について調べたい。
- 回答
-
アジア・太平洋戦争の末期、日本に対する原爆投下作戦を計画したアメリカ軍は、マリアナ諸島に展開するB29爆撃機部隊の一部隊として、原爆投下作戦専任の第509混成群団を編成します。原爆投下に先立って模擬爆弾を用いた投下訓練作戦を計画した同群団は、昭和20年7月20日から8月14日にかけて日本各地に目標を設定し、計49発の原爆模擬爆弾を投下しました。原爆模擬爆弾というのは、長崎に投下されたプルトニウム原爆(通称"ファットマン")と同形・同サイズ・同重量の、通常爆薬を充填した1万ポンド軽筒爆弾であり、その形状から"パンプキン"という通称で呼ばれていました。
この投下訓練作戦の一環として、昭和20年7月24日、神戸市内の軍需工場4か所を目標とする投下作戦が実施されました。
原爆模擬爆弾投下作戦全体については『米軍資料 原爆投下報告書』『原爆投下部隊 第509混成群団と原爆・パンプキン』などの参考文献があります。
神戸への投下作戦の概要と被害については、辻川敦「原爆模擬爆弾を追って」(尼崎市立地域研究史料館紀要『地域史研究』第22巻第2号掲載)により調べることができます。
- 回答プロセス
-
1 原爆及び原爆模擬爆弾投下作戦全体に関する参考文献
◆奥住喜重・工藤洋三・桂哲男訳『米軍資料 原爆投下報告書 パンプキンと広島・長崎』
◆工藤洋三・金子力著・発行『原爆投下部隊 第509混成群団と原爆・パンプキン』
いずれも米軍資料を翻訳あるいは紹介したもの
2 神戸への原爆模擬爆弾投下作戦に関する参考文献
◆辻川敦「原爆模擬爆弾を追って-神戸市須磨区・鷹取工機部への投下作戦-」
尼崎市立地域研究史料館紀要『地域史研究』第22巻第2号所収
米軍資料及び日本側の文献をもとに、神戸への投下作戦の概要を紹介し、合わせて神戸市須磨区に投下された模擬爆弾による被害について聞き取り調査とフィールドワークによりあきらかにしたもの
3 その他の参考文献
◆春日井の戦争を記録する会編集・発行『5トン爆弾を投下せよ! 終戦前日春日井を襲ったなぞ 米国戦略爆撃調査団報告』
この作戦に関する米軍資料を発掘・紹介し、全国的な調査のきっかけとなった文献
◆大阪大空襲の体験を語る会編集・発行『原爆模擬爆弾投下証言集』
上記をはじめ、原爆模擬爆弾を投下された各地の調査記録が刊行されている。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 国防史.事情.軍事史.事情 (392 9版)
- 参考資料
-
- 『米軍資料 原爆投下報告書 パンプキンと広島・長崎』奥住喜重・工藤洋三・桂哲男訳 東方出版発行 平成5年 (当館請求記号 390.6/オ)
- 『原爆投下部隊 第509混成群団と原爆・パンプキン』工藤洋三・金子力著・発行 平成25年 (当館請求記号 391.6/オ)
-
辻川敦「原爆模擬爆弾を追って-神戸市須磨区・鷹取工機部への投下作戦-」
尼崎市立地域研究史料館紀要『地域史研究』第22巻第2号(通巻65号、平成4年12月)所収 (逐次刊行物) - 『5トン爆弾を投下せよ! 終戦前日春日井を襲ったなぞ 米国戦略爆撃調査団報告』春日井の戦争を記録する会編集・発行 平成3年 (当館請求記号 391.6/5.5/カ)
- 『原爆模擬爆弾投下証言集』大阪大空襲の体験を語る会編集・発行 平成5年 (当館請求記号 391.6/6.4S/オ)
- キーワード
-
- 原爆
- 原爆模擬爆弾
- パンプキン
- 鷹取
- 神戸
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 団体
- 登録番号
- 1000151487