レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/02/19
- 登録日時
- 2014/03/07 00:30
- 更新日時
- 2014/03/26 15:13
- 管理番号
- 0000000152
- 質問
-
解決
コウバコガニと呼ぶのはどの地域か。北陸のうち富山・新潟ではどう呼ぶのか。
- 回答
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(1)『地域食大百科 第5巻』p307「ズワイガニ 雌」の項には、
「地方名 メスガニ、セイコガニ、セコガニ(小がに):山陰/コッペガニ:兵庫丹後/コウバコガニ(子箱がに、香箱がに):北陸。子を持っていたり、風味がよかったりするから。
別名 オヤガニ(親がに)。タラバガニ(1960年代に日本海側などで呼ばれていたことがある)。」
とあります。
(2)『現代おさかな事典』p788~789の「ズワイガニ」の項では、
「地方名 ヨシガニ(北海道)、タラバガニ(秋田、新潟)、エチゼンガニ(福井)、マツバガニ(鳥取)
※雌は、セイコガニ・コウバク(コウバコ)ガニと呼ばれる。」
とあります。
(3)『Fのさかな』第5巻第3号通巻17号(2010.10)には、
「雌は石川県ではコウバコガニと呼ばれ・・・」(p8)、「香箱ガニはズワイガニの雌のこと。地方によってセイコガニとも呼ばれています。」(p14)とあります。
(4)『日本海のズワイガニ資源』p6~7販売上の銘柄の項に、
福井地区「クロコ(セイコ):雌の成体ガニで生殖腺は成熟が進み、外仔卵は発眼期を終って色彩は茶褐色から黒紫色などに変っている。」
兵庫県香住地区「セコガニ大・小:雌成体ガニの銘柄でクロコとも呼ばれる。生殖腺の熟度は高い。」
鳥取県網代地区「メガニ(セコ):唯一の雌ガニの銘柄で、成体ガニである。」
とあります。
(5)『福井県大百科事典』の「えちぜんガニ」の項に、
「県内では雌雄および大きさによって幾つかの商品銘柄に分けられ、(略)雌ガニをセイコと呼んでいる。」
とあります。
(6)『水産大百科事典』p230「ズワイガニ漁業」によると
「日本海では、西部(富山県以西)海域で多く漁獲される。」とあり、ズワイガニの日本海での漁獲の多くは富山県以西であることがわかります。
(7)『水産物流通調査年報 平成22年』p79、107によると、
日本海北区(富山以北)計 ずわいがに:164t、べにずわいがに:2626t
日本海西区(石川以西)計 ずわいがに:1866t、べにずわいがに:12080t
という水揚げ量になっており、富山以北でずわいがに漁獲が非常に少ないことがわかります。
(8)『富山県大百科事典』に、「ベニズワイガニ」の項はあるが、「ズワイガニ」はありません。
以上より、北陸と言っても、富山・新潟にはズワイガニの雌を食べる食文化自体があまりなく、地方名がないと考えられます。
- 回答プロセス
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『富山県大百科事典』に、「ベニズワイガニ」の項はあるが、「ズワイガニ」はない。
また、『富山湾魚類(おさかな)図鑑』の第3号は「ベニズワイガニ」の特集だが、「ズワイガニ」はない。別名の記述もなかった。
『福井県大百科事典』の「えちぜんガニ」の項に、「県内では雌雄および大きさによって幾つかの商品銘柄に分けられ、(略)雌ガニをセイコと呼んでいる。」とあった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 商業 (67 9版)
- 参考資料
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- 1 地域食材大百科 第5巻 農山漁村文化協会 2011.2 498.5/10241/5
- 2 現代おさかな事典 山本/保彦?編纂 エヌ・ティー・エス 1997.11 R664.6/10010
- 3 Fのさかな 第5巻第3号通巻17号 能登カルチャークラブ 2010 p8,14
- 4 日本海のズワイガニ資源 尾形/哲男?[著] 日本水産資源保護協会 1974.7 664.7/10018
- 5 福井県大百科事典 福井新聞社百科事典刊行委員会?編集 福井新聞社 1991 R291.44/10007 p103-104 えちぜんガニ
- 6 水産大百科事典 水産総合研究センター?編集 朝倉書店 2006.6 R660.3/10004
- 7 水産物流通調査年報 平成22年 水産庁漁政部加工流通課企画調整班?編集 漁業情報サービスセンター?編集 水産庁漁政部加工流通課企画調整班 2011.3 GR661.4/10006/010
- キーワード
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- 蟹
- 水産業
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000150310