レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年07月03日
- 登録日時
- 2014/01/09 16:01
- 更新日時
- 2014/05/16 11:05
- 管理番号
- 埼久-2013-100
- 質問
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未解決
歌川国貞(豊国三代)の「六歌仙」という絵が載っている資料はあるか。
「六歌仙」(茜画廊ホームページより)http://www.akanegarou.com/works_j/etc8/87/a.html(2012/06/22最終確認)
- 回答
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『歌仙絵の世界』を提供した。ただし、質問にあるホームページ上の絵とは異なり、指定の絵を確認することが出来なかった。
- 回答プロセス
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1 自館目録を検索する
(1)(NDC)〈721.8〉 浮世絵関連の資料を調査したが以下2点に該当なし。
『浮世絵事典』上・中・下(吉田暎二著 画文堂 1977〉
『浮世絵学 著者別編年書目』(日本浮世絵学会編 日本浮世絵博物館 1997)
絵者名、作品名では検索できないため。
(2)〈国貞〉で検索しヒットした資料を調査したが以下4点に該当なし。
『艶色浮世絵全集 11 国貞』(福田和彦編著 河出書房新社 1995)
『艶色浮世絵全集 12 国貞』(福田和彦編著 河出書房新社 1997)
『五渡亭国貞 役者絵の世界』(新藤茂著 グラフィック社 1993)
『国貞 秘版国貞』(一雄斎国貞〔画〕 福田和彦編述 芳賀書店 1975)
(3)〈豊国〉で検索しヒットした資料を調査したが以下5点に該当なし。
『歌川豊国』(林美一著 河出書房新社 1994)
『浮世絵大系 9 豊国』(座右宝刊行会編集制作 集英社 1975)
『浮世絵大系 9 豊国』(座右宝刊行会編集制作 集英社 1976)
p140「参考文献」に挙げられている豊国関係の画集のうち、以下当館所蔵資料2冊を調査する。
『日本版画美術全集 4 浮世絵』(講談社 1960)
『浮世絵師歌川列伝』(飯島虚心著 玉林晴朗校訂 中央公論社 1993)
p48-54「三世豊国(国貞)」、p125-150「三世豊国伝」該当する記述なし。
(4)〈歌仙〉で検索しヒットした資料を調査したが以下2点に該当なし。
『歌合絵の研究 歌仙絵』(森暢著 角川書店 1970)
『歌仙絵の世界』(埼玉県立博物館編 埼玉県立博物館 1992)
p43に「歌川豊国(3代)筆」の画が3点掲載されているが、該当するものではない。
p61「作品解説」中に、「122 六歌仙 歌川豊国(3代)筆 江戸時代 神奈川県・神奈川県立博物館」との記述あり。
2 上記「122 六歌仙 歌川豊国(3代)筆 江戸時代 神奈川県・神奈川県立博物館」を調査する
(1)当館所蔵資料を調査する。
自館目録を〈(全項目)神奈川県立博物館 or 神奈川県立歴史博物館〉で検索しヒットした資料を調査したが該当なし。
『浮世絵名品500選』(神奈川県立博物館編 神奈川県立博物館 1991)
『浮世絵江戸名所七変化』(神奈川県立歴史博物館編 神奈川県立歴史博物館 2004)
『横浜浮世絵と空とぶ絵師五雲亭貞秀』(五雲亭貞秀[画] 神奈川県立歴史博物館編 神奈川県立歴史博物館 1997)
『近世・近代版画資料目録』(神奈川県立博物館編 神奈川県立博物館 1983)
『中世・近世・近代美術関係資料目録』(神奈川県立博物館編 神奈川県立博物館 1987)
(2)神奈川県立歴史博物館への問合せ
《神奈川県立歴史博物館》(http://ch.kanagawa-museum.jp/index.html 神奈川県立歴史博物館 2014/05/16最終確認)
Webサイト内問い合わせフォームにて問い合わせたところ、担当学芸員より、同館所蔵の絵を確認していただき、茜画廊Webサイトの絵とは別のものとの回答あり(2012/06/29)。
3 雑誌記事索引を検索する
《CiNii》(http://ci.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所 2012/06/24最終確認)
〈歌川 & 豊国〉で検索しヒットしたうち当館所蔵資料を調査し、以下2点に該当なし。
大久保純一「豊国と歌川派」(『日本の美術 1996年11月』至文堂 1996.11)1冊すべて本特集記事である。
大久保純一「歌川豊国の美人画について」(『MUSEUM 1988年6月』p25-34 東京国立博物館 1988.6)
4 古典籍総合目録を調査する
《日本古典籍総合目録データベース》(http://base1.nijl.ac.jp/~tkoten/about.html 国文学研究資料館 2012/06/24最終確認)
〈(書名)六歌仙 & (著者)歌川〉で検索したところ、「六歌仙」が書名に含まれるものが2件ヒットする。
(1)「今様六歌仙」(香蝶楼/豊国(歌川/豊国/三世)画)(国文研所蔵)
書誌注記によると、「〈版〉「大伴黒主」と「僧上遍正」・「在原業平」と「小野小町」・「文屋康秀」と「喜撰法師」の3枚,3枚とも本郷「中米板」の版元印・「濱」「馬込」「改」の改印・「彫工多吉」印あり,「大伴黒主」と「僧上遍正」のみ「シタ賣」印もあり。〈形〉一枚物。」とある。
2人で1枚の絵であれば、ご質問の絵とは別物か。現物を確認していないためご質問の絵かは不明である。
(2)「閨中六歌仙」(浮世又平(歌川/豊国/三世)画)
書誌注記によると、「〈般〉日本艶本目録(未定稿)による。」とあり、所蔵館の表示なし。
5 埼玉県立図書館Webサイト「調査・研究に役立つリンク集」を調査する
(https://www.lib.pref.saitama.jp/stplib_doc/reference/link_site.html)
(1)《国立美術館所蔵作品総合目録検索システム》(http://search.artmuseums.go.jp/ 国立美術館 2012/06/23最終確認)
〈六歌仙〉で検索したが該当する絵はヒットせず。
(2)《美術図書館横断検索》(http://alc.opac.jp/ 美術図書館連絡会 2012/06/23最終確認)
〈六歌仙〉で検索しヒットした資料以下2冊を調査する。
『歌舞伎舞踊 浮世絵かぶきシリーズ 4』(中山幹雄著 学芸書林 1989)
p28-29「六歌仙と変化舞踊」によると、「「六歌仙」は、小町という美女に思いを寄せる五人の男たちが、次々と、すべなくふられてしまうという内容で、(中略)左の三世豊国の絵に見るような(後略)」との記述あり。左図にカラー浮世絵が掲載されているが、ご質問の絵ではない。
『日本文化のかたち百科』(小町谷朝生編 細矢治夫編 丸善 2008)
p740-747「六歌仙絵のかたち」は、六歌仙絵の成り立ちと歴史について詳しく書かれている。調査前の概要を把握するには適している資料である。ただし、ご質問に該当する六歌仙絵は挿図になし。
p744に、「図3は、山崎美成(寛政8(1796)年~安政3(1856)年)著『六歌仙一夕話』で、絵は歌川国貞(天明6(1786)~元治元(1864)年)が描いている。(中略)画面は、中本の見開き2面で、淡い縹色と紅色で彩色され、御簾の内に業平や遍照ら5人の男性歌人が座していて、短冊を載せた文箱の蓋をもった女童を先立てて、小町が視線を庭先の花に向けながら高欄をめぐらした簀子を歩いて行くという、一風変わった構図になっている。」との記述あり。p742の図3を見ると見開きであり、かつ構図も異なるが他の絵が確認できないため同定できない。
「六歌仙一夕話」の内容について調査した結果は以下の通り。
6 上記「六歌仙一夕話」(歌川国貞絵)の調査
(1)所蔵調査
《NACSIS Webcat》(http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=BA75430901 国立情報学研究所 2012/06/29最終確認)
・「六歌仙一夕話」(尾崎雅嘉著 ; 山崎美成補 ; 歌川國貞画 京都 : 丁字屋源次郎, [1---]) (BA75430901)
「天保15年三河屋甚助再刻版の後刷 ; 和装」との注記あり。
(所蔵:大阪市立大学 学術情報総合センター, 911.132//OZA//MORI J-14644)
(2)内容確認
大阪市立大学 学術情報総合センターに問合せし、回答あり(2012/07/03)。
「六歌仙一夕話」にはカラー図版はいくつかあるが、質問に該当する絵は掲載されていなかったとの回答を得た。
- 事前調査事項
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歌川国貞(豊国三代)について基礎調査
『人物レファレンス事典 古代・中世・近世編 〔1〕(あ-す)』(日外アソシエーツ編集部編 日外アソシエーツ)
p335「歌川国貞(1代)」
「天明6(1786)年~元治1(1864)年 別 歌川豊国(3代)」「江戸時代後期の浮世絵師。初代歌川豊国の門人。」
- NDC
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- 日本画 (721 9版)
- 参考資料
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- 『歌仙絵の世界』(埼玉県立博物館編 埼玉県立博物館 1992)
- キーワード
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- 六歌仙
- 歌川国貞
- 照会先
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- 神奈川県立歴史博物館
- 大阪市立大学 学術情報総合センター
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000143124