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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000141188
提供館
(Library)
いわき市立いわき総合図書館 (2310140)管理番号
(Control number)
いわき総合-地域191
事例作成日
(Creation date)
2013年11月08日登録日時
(Registration date)
2013年11月25日 11時07分更新日時
(Last update)
2013年11月25日 11時11分
質問
(Question)
「安寿と厨子王」伝説における、姉弟の出身地について記した文献の所蔵資料調査依頼。
回答
(Answer)
 当館所蔵の当該地域資料について調査した結果、下記資料に「安寿と厨子王」伝説の姉弟の出身地等に関する記述を確認し、回答する。
 寛文年間、内藤家家臣の葛山為篤の撰といわれる『磐城風土記』「古蹟」に、“住吉舊城”の記載有。安寿と厨子王の祖父とされる初代岩城判官政氏の居城とされるが詳細は不明であるとの記述を認める。
享和3年(1803)に成立した『岩城実記』(『磐城古代記』で引用)と、『岩城実記』の異本ではないかと推定される『岩城実伝記』「巻之壱」には、万珠姫(安寿)と医王丸(厨子王)は、岩城判官常道(正氏)の嫡子正道の子と記されているが、その出身地・居住地についての記述は認められず不明である。
 『磐城古代記』「巻之二 第3章 岩前郡 城及び舘跡」には、岩城判官政氏(常道)の居城は小名浜住吉舘(玉川城)とあり、住吉村遍照院が香華院との記述が認められた。本市が出身・居住地であることが窺えるが、「巻之一 第1章」には、“冷泉院の御世康保4年(967)7月に至り、平政氏勅命を受けて奥州の賊徒を滅ぼししかば、其功によって岩城を賜りて陸奥国守となり、岩城判官と号しける。…中略…泉(滝尻城)及び玉川城(住吉舘)等にすまわれる。”とあるが、頭注には、“或云う政氏は京都にありて岩城には来らずと”との表記があり、出身・居住地の特定には至らない。
 『石城郡誌』「第10章 第2節 神社」の「住吉神社」には、“神地を距る北方三町の処に大舘小舘と称する地あり共に磐城判官政氏の居館にしてなお礎石の跡を存す。”とある。また、「第20章 第2節 舊跡」の「住吉館跡」には、“住吉の北端に小丘あり、往昔平政氏居城跡にして、…中略… 岩城四郡を領して此処に居り、岩城判官と号す。城は野田の玉川近きにより、一名玉川城と称す。”の記述が見られる。
 『岩磐史料叢書』「信達一統志 信夫郡之部 巻之四 渡利邨」には、“山茶館(椿館)”の記述があり岩城判官政氏の居城と伝えられるが、“政氏は国史に見えず、小説に陸奥国の太守なりと云えリ。此人は南部岩城山に居城すとも云う”の記述があり、出身・居住地ともに判然としない。
 なお、小名浜鎮座愛宕神社の社記『鏡ヶ丘由来記』(蔵書なし。『伝説と史的解明 安寿姫と厨子王のふるさと』に引用文あり)にも、岩城判官政氏についての記述が認められるが、概ね『磐城古代記』と同じ内容である。
 以上、所蔵する地域資料を中心に「安寿と厨子王」の出身・居住地について調査したが、どの資料からも史実としてそれらを特定する記述は認められなかった。伝説・伝承の域を出ていない。
 なお、享保15年(1730)9月に成ったとされる、水戸藩の彰考館員として「大日本史」の編さんに関わった、川上櫟斎の岩城見聞録『岩城便宜』中の「住吉村」の記述には、“住吉村、…中略…左の方森の内にあんじゅづし王社2つあり。…”と見え、この時代には「安寿と厨子王」のゆかりの地であるとの伝承が、既にこの地にあったことは確認できる。
 また、地域の「安寿と厨子王」研究については、『伝説と史的解明 安寿姫と厨子王のふるさと』、『安寿と厨子王 ゆかりの地を訪ねて』に詳しい。
回答プロセス
(Answering process)
当館所蔵地域資料の調査

【資料①】『磐城誌料叢書』「磐城風土記」P21:「古蹟」に住吉旧城の記載を確認。

【資料②】『岩城実伝記』「巻之壱」P9:常道、正道、医王丸の系譜についての記載「巻之八~拾五」(P71~)には、常道から道隆(医王丸)に至る顚末の記載。

【資料③】『磐城古代記』「巻之一 第1章」P6、「巻之二 第3章」P115~123:「巻之一 第1章」には、平政氏に関する記載、「巻之二 第3章」には、『岩城実記』の引用文の記載。

【資料④】『石城郡誌』「第10章 第2節」P222・223、「第20章 第2節」P484・485:それぞれ「住吉神社」、「住吉舘跡」に関する記載。

【資料⑤】『岩磐史料叢書』「信達一統志 信夫郡之部 巻之四 渡利邨」P72:「山茶館(椿館)」の記載。

【資料⑥】『潮流 第21報』「川上櫟斎 岩城便宜』P347:住吉村に、この当時「あんじゅづし王社」が存在した記載。

【資料⑦】『伝説と史的解明 安寿姫と厨子王のふるさと』:「安寿姫と厨子王」についての、伝説にまつわる地域の研究。

【資料⑧】『安寿と厨子王 ゆかりの地を訪ねて 改訂版』:「安寿姫と厨子王」についての、伝説にまつわる地域の研究。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
伝説.民話[昔話]  (388 9版)
日本史  (210 9版)
日本語  (051 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料①】『磐城誌料叢書』1987 諸根樟一[AL/210.0-1/イ・1110738299]
【資料②】『岩城実伝記』1976 高萩精玄[AL/210.4-1/イ・1111932933]
【資料③】『磐城古代記』1907 四家文吉[K/210.1-1/シ・1111902761]
【資料④】『石城郡誌』1979 石城郡役所[AL/210.1-1/イ・1111904643]
【資料⑤】『岩磐史料叢書』1971 岩磐資料刊行会[K/210.0-0/ガ・1110036256]
【資料⑥】『潮流 第21報』1992 いわき地域学會[AL/051/チ-21・1110736590]
【資料⑦】『伝説と史的解明 安寿姫と厨子王のふるさと』1980 岡田実[AL/388/ア・1110401021]
【資料⑧】『安寿と厨子王 ゆかりの地を訪ねて 改訂版』2004 遠藤拓二[AL/388/エ・1111368468]
キーワード
(Keywords)
安寿と厨子王
中世岩城氏
岩城判官
山椒太夫
住吉舘
滝尻城
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査 所蔵調査
内容種別
(Type of subject)
郷土 人物
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000141188解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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