レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 1999/08/31
- 登録日時
- 2005/12/13 02:13
- 更新日時
- 2010/11/25 02:01
- 管理番号
- 新県図-00176
- 質問
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解決
カナディアン・エスキモー(インディアン)と日本人が共にモンゴロイドであることがある程度詳しく書いてある本を読みたい(専門書である必要はない。わかりやすく書いてある本を希望)。両者に共通する人種的特徴や、なぜ同じモンゴロイドであるのか知りたい。
- 回答
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NDC389の民族学、文化人類学的な資料はすでにお調べになったということで、NDC469の形質人類学の資料を中心に調査しました。関連資料の内容を簡単に述べます。
1 『極北の民 カナダ・イヌイット』(岸上伸啓著 弘文堂 389-Ki57)
p17~18「極北先住民の身体形質と先史」
「生物学的にみると、極北の民エスキモーは地域に関係なく、もともとは我々日本人と同じくモンゴロイドである。ただし、北方へ進出するにしたがい、ツンドラ地帯という極北の寒冷環境に適応してきたために、がっしりした体格、比較的小さな手足、幅の広い鼻というような特徴を持つようになった。」
モンゴロイドの注「最近では、モンゴロイドのようないわゆる人種分類は、生物学的な分類ではなく、きわめて社会・文化的な分類であるとする説が有力である。」
カナディアン・エスキモーではなくエスキモー一般、日本人ではなくモンゴロイド一般について述べられています。
2 『モンゴロイドの道』(科学朝日編 朝日新聞社 469-Ka16)
p3~10 はじめに「DNAが語るモンゴロイドの旅」「学際的に迫る」「移動するヒトの足跡」
DNA研究などの医学的な見地から書かれた本であることが述べられています。
p25~37「遺伝子から見た人種」
アメリカンド(いわゆるアメリカンインディアン)、カナダエスキモーなどの用語が登場します。「遺伝子的近縁図」などの図表が付いています。
p174~196 第7章「頭骨の形態小異変を探る…」
カナダエスキモーとアラスカエスキモーを区別して使っています。
3 『日本百科全書 23』(小学館)
p83 モンゴロイドの成立について、簡易に解説してあります。
4 『人類史をたどる』(片山一道等著 朝倉書店 469-Ka84)
p76~90「第3章 アメリカ大陸とオセアニアへの拡散」
「大モンゴロイド」「小モンゴロイド」というように、概念を整理しながら、わかりやすく解説しています。
5 『モンゴロイドの地球』全5巻(東京大学出版会 469-Mo33-1~5)
p1~12「1 アフリカからの旅立ち 第1章 人類の移住・拡散そして適応戦略」
人類の歴史とモンゴロイドの概念を整理してあります。
p79~86「第2章 モンゴロイドの原像人類化石から」
化石からわかる人種的特徴を整理してあります。
p153~161「第3章 遺伝子からみたモンゴロイド」
遺伝子データ的にカナディアン・インディアンおよび日本人が共に広義のモンゴロイドであることが証明してあります。
p171~189「4 極北の旅人 第5章 ベリンジアを渡る」
エスキモーの特徴が記述してあります。ただし、アラスカ、カナダの区別はされていません。
p199~232「5 最初のアメリカ人 第5章 形質の系統」
HTLV1のキャリアの分析などをとおして、モンゴリアンの移動経路を考察しています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 風俗習慣.民俗学.民族学 (380 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- モンゴロイド
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 一般
- 質問者区分
- 一般利用者
- 登録番号
- 1000025877