レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2004年03月
- 登録日時
- 2005/12/08 13:27
- 更新日時
- 2006/02/05 10:24
- 管理番号
- 県立長野-04-018
- 質問
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解決
長野県の郷土食「しょうゆ豆」の作り方や食べられている地方について知りたい
- 回答
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『信州の郷土食』(長野県下商工会婦人部ほか編 銀河書房1985)〔N596/35〕217pに木曽地方の作り方として“まず、豆(ダイズ・黒豆など)を一日水に浸した後、やわらかく蒸す。これをもろぶた(長方形をした浅い木箱)に入れて日光に当て、水気がなくなる程度干す。乾き過ぎないようにし、適当に乾いたら、すぐったワラとダイコン葉を少し混ぜて豆にかぶせて保温する。ふとんをかけておくか寒い日はこたつのそばに寄せておく。こうしておくと豆の表面にカビが発生してくる。この現象を「花がかかる」という。こうして花がかかったら取り出して冷所に保存し、必要に応じて出してくる。カメのような入れものに水と豆を入れ、やわらかくなったら塩を入れて味をつける”とある。『同書』(前掲)には、戸倉町(現千曲市)の郷土食としても紹介されている。また『聞き書長野の食事』(「日本の食生活全集長野」編集委員会編 農山漁村文化協会1986)〔N596/37〕282~283pには、長野市七ニ(なに)会(あい)の製法があげられており、『信州の郷土食』(前掲)と同様の製法で煮豆を乾燥・発酵させたものをこうじ豆と呼び、“食べるときには、こうじ豆を食べる分(ニ、三合)だけ、たまりにつけておき、やわらかくなったところで食べる”とある。
食べられている地方については、『信州の郷土食』(前掲)98pに“往古より北国街道沿いに伝え作られてきた”とある。一方『郷愁の味・脱線話』(金子万平著・刊2003)〔N383/38〕21pには“更埴市稲荷山の麹屋に「醤油豆あります」と大きく紙がはりだしてあった。(中略)聞けば、ここより北にしかないのだそうな”とある。
- 回答プロセス
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① 『長野県史 民俗編』(長野県編 長野県史刊行会)〔N209/11/3〕で、各地の郷土食についての記述をあたるが「しょうゆ豆」はみあたらない。
② 郷土資料の[N596食物・料理]の書架をみていく。『信州の郷土食』(前掲)に答の記述がある。また『聞き書長野の食事』(前掲)にも同様の詳しい記述があり、煮豆を乾燥・発酵させた状態をこうじ豆ということ、たまりにつける点などが違うということがわかる。
③ 『つけものの味ふるさとの味』 (楜沢正晴ほか編 長野県農業改良協会1976)〔N596/14〕をみていくと、456pに北信濃の味としてこうじ豆の作り方が紹介されている。製法は、②でこうじ豆と呼ばれているものとほぼ同様である。
④ 郷土資料の[N383 衣食住の習俗]の書架をみていく。『郷愁の味・脱線話』(前掲)に答の記述がある。
- 事前調査事項
- NDC
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- 食品.料理 (596 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- しょうゆ豆
- 郷土食
- 長野県
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 『なんでもきいてみよう』(県立長野図書館 平成16 第36集)収録レファレンス
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000025519