レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2005年8月9日
- 登録日時
- 2005/08/20 02:11
- 更新日時
- 2015/07/02 09:43
- 管理番号
- 相大-H17-018
- 質問
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解決
「百祿咸遒」の意味が知りたい。出典があればそれも知りたい。
*高尾山のお坊さんがとある銀行家の人に書いた書らしい。
- 回答
-
『大漢和辞典』で調べると下記のように記載あり。
巻8 p65「百祿」・・・多くの福祿。多くの幸福。
巻2 p992「咸」・・・みな。ことごとく。あまねし。など。
巻11 p123「遒」・・・逎に同じ。せまる。ちかづく。あつまる。など。
インターネット情報に詩経の中の一つの詩に「百祿是遒」という似た一節あり。
http://eshijing.myrice.com/page3/mp-3.htm (2005.08.20最終確認)
その情報を『中国古典文学大系 15』で確認した。
p296-298「商頌(しょうしょう)」の項目に「長発(ちょうはつ)」の記載あり。
文中に「百祿をその身に集めぬ」と現代語訳があった。
上記から「多くの幸福がことごとく集まる」というような意味と思われるが出典は分からなかった。
*神奈川県立図書館にレファレンス依頼したが分からなかったとの回答だった。(2005.5.25回答)
レファ協に公開した後、国立国会図書館レファレンス協同データベース事業サポーター(寺尾様)から情報提供のコメントがついたために下記のサイトを回答の情報とした。
『承政院日記』に「百祿咸遒」が記述されている箇所あり。
承政院日記
http://sjw.history.go.kr/inspection/insp_result_list.jsp?sjwid=sjw-j02010050
http://sjw.history.go.kr/inspection/insp_result_list.jsp?sjwid=sjw-f39010090
http://sjw.history.go.kr/inspection/insp_result.jsp?mode=k&sjwid=SJW-F49100060-01200
http://sjw.history.go.kr/inspection/insp_result.jsp?mode=k&sjwid=SJW-J02010050-00800
(2015.07.01最終確認)
参考:
コトバンク
世界大百科事典 第2版
しょうせいいん【承政院】
https://kotobank.jp/word/%E6%89%BF%E6%94%BF%E9%99%A2 (2015.07.01最終確認)
朝鮮王朝時代の『承政院日記』に「百祿咸遒」が使われている箇所あり。
承政院日記 - 文化財庁
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CBwQFjAA&url=http%3A%2F%2Fjpn.cha.go.kr%2Fjapanese%2Fhtml%2Fsub3%2Fsub4.jsp&ei=ErGaU-CDDIHs8AWBmoHADw&usg=AFQjCNGxHsF9QrPqQbgB4DoImT4ATJS5TQ&sig2=zLzMKfAsE1pDh021QgRjCQ (2015.07.01最終確認)
承政院日記
http://sjw.history.go.kr/ (2015.07.01最終確認)
百祿咸遒
http://sjw.history.go.kr/inspection/search_result_list.jsp?oflag=0&M=0&query=%E7%99%BE%E7%A5%BF%E5%92%B8%E9%81%92&selK=1&selT=1&query_ime=%3Cspan+class%3D%22newbatang%22%3E%E7%99%BE%3C%2Fspan%3E%3Cspan+class%3D%22newbatang%22%3E%E7%A5%BF%3C%2Fspan%3E%3Cspan+class%3D%22newbatang%22%3E%E5%92%B8%3C%2Fspan%3E%3Cspan+class%3D%22newbatang%22%3E%E9%81%92%3C%2Fspan%3E&x=16&y=11 (2015.07.01最終確認)
- 回答プロセス
-
「百祿咸遒」では、全く見つけることができず、インターネットにて検索する。
「百祿咸遒」に似た「百祿是遒」という詩経の中の詩の一節がヒットした。
詩経が載っている資料を探す。
『中国古典文学大系 15』 目加田誠/訳 平凡社 1969 【s05588751 928】
でどのように訳されているか確認をする。
p296-298「商頌(しょうしょう)」の項目に「長発(ちょうはつ)」の記載あり。
文中に「百祿をその身に集めぬ」と現代語訳があった。
「百祿」『大漢和辞典 巻8 修訂版 白部-糸部』 諸橋轍次/著 大修館書店 1988 【s21149067 R813.2】
「咸」『大漢和辞典 巻2 修訂版 八部一口部』 諸橋轍次/著 大修館書店 1986【s05731997 R813.2】
「遒」『大漢和辞典 巻11 修訂版 しんにょう部-隹部』 諸橋轍次/著 大修館書店 1988【s21149075 R813.2】
でそれぞれの字の意味を調べる。
上記の調査で意味はおおよその意味は判明した。
出典は全く分からず、神奈川県立図書館にレファレンス依頼したが分からなかったとの回答だった。
注:【 】は自館の資料コードと請求記号
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌.韻文.詩文 (921 9版)
- 辞典 (813 9版)
- 参考資料
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- 『大漢和辞典 巻8、2、11 修訂版』 諸橋轍次/著 大修館書店 1986-1988
- 『中国古典文学大系 15』 目加田誠/訳 平凡社 1969
- キーワード
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- 百祿咸遒
- 詩経
- 書
- 承政院日記
- 百祿(ひゃくろく)
- 照会先
- 寄与者
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- 神奈川県立図書館
- 国立国会図書館レファレンス協同データベース事業サポーター(寺尾様)
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000023630