レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2000/10/20
- 登録日時
- 2005/02/11 02:46
- 更新日時
- 2013/11/28 15:52
- 管理番号
- 埼浦-2000-055
- 質問
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解決
大正11年6月25日(「秩父宮家」創設)以降に作られた秩父郡の歌(作詞:佐々木信綱、作曲:信時潔)の成立過程について知りたい。秩父宮家創設を祝して行った3事業のひとつ(他の2つは「埼玉県秩父郡誌」上梓と秩父郡の日)と思われる。
- 回答
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当時の『毎日新聞マイクロフィルム 埼玉版』を見ていくと、「昭和3(1928)年9月21日(20面)」に「秩父の郡歌 制定された」との記事あり。昭和天皇の御大典記念に制定したものとわかる。
『うたを訪ねて』によれば、昭和4年秩父郡教育会が昭和天皇の「御大典」を記念して制定との記述あり。
御大典は昭和3(1928)年11月なので、当時の『毎日新聞マイクロフィルム 埼玉版』を見ていくと、「昭和3年9月21日(20面)」に「秩父の郡歌 制定された」との記事あり。やはり御大典記念に制定したもの。同月に秩父宮御成婚記念行事で「秩父の寿」という舞踊を制作発表している。以上を回答する。
(2013/11/20追記)
御大典記念説と秩父宮御成婚記念説の2説の資料があった。
昭和天皇の御大典記念説の資料
『秩父の教育百年』(秩父市教育委員会 1970)
p79-80「秩父郡教育是と秩父郡歌」
「昭和3年11月、今上天皇御即位の大典に際し郡教育会は(中略)「教育是」を定めたのである。(中略)つづいて秩父郡歌もあわせて制定された。」
『吉田今昔譚』(青葉伊佐吉著 吉田町教育委員会 1967)
後篇p11「3年11月今上陛下即位の大典を挙げられた。郡教育会は(中略)御大典記念行事として「郡教育是」を定め、郡歌の制定をしたのであった。」
秩父宮御成婚記念説の資料
『埼玉県政と政党史 埼玉県立図書館復刻叢書』(青木平八著 埼玉県立浦和図書館 1986)元資料は1931年刊。
p591「御即位の大礼と秩父宮御成婚」
p592「県下では御成婚を永久に奉祝記念する為め(中略)秩父郡行政事務会の郡是郡歌の制定(中略)等幾多の計画が決せられ、」
作詞家の佐々木信綱の「作歌八十二年」(佐々木信綱著 毎日新聞社 1959)には、昭和3年の8月の記事に「秩父宮御成婚に武蔵秩父郡より、秩父郡歌をささぐべく、その歌詞作成を嘱されたので、郡の所々を巡った」とあり。
また作曲家である信時潔(ノブトキ キヨシ)の研究サイトに「秩父郡の歌」の「日付」に関する情報があった。
「1938(昭和13)年9月23日」
《信時潔研究ガイド》「信時潔作曲 社歌・団体歌一覧(信時裕子編)」(http://home.netyou.jp/ff/nobu/index.html 信時裕子 2013/11/14最終確認)
- 回答プロセス
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『埼玉大百科事典』『秩父市誌』『秩父史話』『秩父地方史研究必携』などの秩父宮関係資料、『埼玉関係雑誌記事索引』〈秩父郡〉〈歌〉で検索するが記載なし。
- 事前調査事項
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情報源:「秩父郡誌」には載っていない。
- NDC
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- 声楽 (767 9版)
- 貴重書.郷土資料.その他の特別コレクション (090 9版)
- 参考資料
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- 『うたを訪ねて 埼玉・人と心の哀歓』(朝日新聞浦和支局編 さきたま出版会 1978)
- 『毎日新聞マイクロフィルム 埼玉版』
- キーワード
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- 民謡-秩父郡-埼玉県
- 昭和天皇
- 秩父の郡歌
- 郷土資料
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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2013/11/14追記
情報提供により、以下の情報を得た。
「生誕125年信時潔とその系譜 」(洋楽文化史研究会「信時潔とその系譜」演奏会実行委員会 2012)
p60 信時裕子編「信時潔作曲 校歌・社歌・団体歌一覧」の日付の欄に1938.09.23の記述あり。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000018354