レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20031114
- 登録日時
- 2005/02/04 02:15
- 更新日時
- 2005/11/30 09:59
- 管理番号
- D2003F2307
- 質問
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解決
『建礼門院右京大夫集』の通し番号21「くもり夜をながめあかしてこよひこそ千里にさゆる月をながむれ」の脚注に「前田夏蔭書入本」とあるが、この『前田夏蔭書入本』がどこに所蔵され翻刻されているか。
- 回答
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『建礼門院右京大夫集』の伝本については、『建礼門院右京大夫集 校本及び総索引』(井狩正司編著 笠間書院 1969
)に諸本の解題と系譜研究があります。
同書pp.88-89「諸本系譜一覧表」に「前田垂穂、菅原夏繁書入本」の名が見えますが(岩波書店『国書人名辞典』等によれば、「垂穂」は夏蔭の別名)、この伝本自体が現存する旨の記述は、同書中には見当たりません。
ただし、同一覧表および本文によれば、この「前田垂穂、菅原夏繁書入本」をもとに作られた本として、神宮文庫所蔵本(会田安昌校合本)があります。第二章第四節pp.59-62にこの伝本の解題があり、垂穂・夏繁両名の書入が施された本を会田安昌が書写して成立した本であること、「夏蔭按」という書入が五例存することがわかります。
会田安昌校合本の神宮文庫での所蔵は、『私家集伝本書目』(和歌史研究会編 明治書院 1965 <911.1031-W36s>)p.221、および『神宮文庫図書目録』(神宮司庁編纂 訂正影印版 汲古書院 1973)p.245でも確認できます。ともに、書名は『建礼門院右京大夫家集』と記載されています。
また、国文学研究資料館ホームページのマイクロ資料・和古書目録の検索結果によれば、同伝本のマイクロフィルムおよび紙焼写真本を同資料館で所蔵しています(http://base1.nijl.ac.jp/~wakosho/ 確認日2003/11/7)。同資料館での請求記号は、34-130-5(マイクロ)、C4618(紙焼)です。
翻刻については、前掲『私家集伝本書目』および当館所蔵の各種翻刻書の凡例等を調査したものの、前田夏蔭(垂穂)書入本を底本とするものは見当たりませんでした。
< >内は当館請求記号
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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〔典拠〕『建礼門院右京大夫集』岩波文庫 1978 p.19
- NDC
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- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 建礼門院右京大夫集
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵機関調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 公共図書館
- 登録番号
- 1000014447