レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年11月29日
- 登録日時
- 2012/12/11 17:42
- 更新日時
- 2012/12/11 17:42
- 管理番号
- 福井県図-20121129
- 質問
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解決
ドッジボールの「ドッジ」の由来は何でしょうか。
- 回答
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「ドッジ」の由来は、dodge(巧みにすばやく体をかわす)。
1.『最新スポーツ大辞典』湯村久治・鈴木富生/他共編 1985.10 国書刊行会(請求記号:780.3/サ 資料コード:1011342878)
p.121 dodgeball ドッジボール。〘dodge(巧みにすばやく体をかわす(動作))+ball(ボール)〙(一般)わが国の小学校で伝統的に親しまれてきたボール運動の1つ。遊ぎ形式は自由、円形、方形ドッヂボールなどがあり、別名「避球」とよばれるように投球、捕球、足さばき、体さばきが重要視され、バスケット・ボール型の運動技能の要素を多くふくんでいる。
2.一般社団法人日本ドッジボール協会のサイトには、以下のように記述されていました。
(引用始)
大正15年、欧米留学から帰朝した東京高等師範学校の大谷武一教授により「ドッジボール」(*ドッジ=DODGEとは身をかわすという意味)と改名され、今までの「円形デッドボール」「方形ドッジボール」と改められました。
(引用終)
[引用元]http://www.dodgeball.or.jp/ドッジボールとは/ドッジボールの歴史/
3.当館所蔵資料『ニュー・スポーツ百科[新訂版]』清水良隆・紺野晃/編 1997.7 大修館書店 ISBN:4-469-26373-7(請求記号:780.3/ニユス 資料コード:1012836282)には、ドッジボールは和製英語、との記述がありましたが、dodgeball をキーワードにGoogleで検索すると、英語のサイトが複数ヒットすることから、あながち和製英語とも言えなさそうです。
・UK-Dodgeball Association http://www.ukdba.org/#
・the NDL.com::The official home of the National Dodgeball League and professional dodgeball http://www.thendl.com/
当館で所蔵していなかったため確認できませんでしたが、「大谷武一」の著作を確認するとドッジボール導入のいきさつが分かるかも知れません。
・大谷武一体育選集 [大谷武一著] 大谷武一体育選集刊行会編 杏林書院, 体育の科学社, 1960-1967 1-5巻、別冊
・学校体育指導要綱解説 日本体育指導者連盟編 (戦後体育基本資料集, 23-25) 大空社, 1996.1総説編/球技編/体操編 遊戯編/陸上競技編 ダンス編/水泳編/衛生編
・体育の諸問題 [大谷武一著](日本体育基本文献集 : 大正・昭和戦前期 / 大熊廣明, 野村良和編, 第2巻)日本図書センター, 1997.2
・合理的体操学 . 学校体操の指導 [今井學治著 ; 櫻井恒次郎閲] . [大谷武一著](日本体育基本文献集 : 大正・昭和戦前期 / 大熊廣明, 野村良和編, 第16巻)日本図書センター, 1997.11
- 回答プロセス
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1.ニュースポーツの一種と思ったため、自館OPACでニュースポーツを検索
・『ニュースポーツ事典』北川勇人/著 1991.6 遊戯社 ISBN:4-89659-621-8 (請求記号:780/キ 資料コード:1012113377)→この本には、ドッジボールの由来については書かれていないが、「東京高等師範学校の大谷武一教授によって」円形のドッジボールが紹介された、との記述があった。また、全日本ドッジボール協会というものがあるとわかる。
・『ニュー・スポーツ百科[新訂版]』清水良隆・紺野晃/編 1997.7 大修館書店 ISBN:4-469-26373-7(請求記号:780.3/ニユス 資料コード:1012836282)
→p.142「おいたちと発展」
「1913年、文部省が制定した「学校体操教授要目」の中でデッドボールが紹介された。ルールは方形中当てのようであった。また、欧米より帰国した東京高師の大谷武一教授によって円形ドッジボールが紹介された。その後、ドッジボールは小学生を中心に実施されるようになるが、ルールもさまざまに工夫され、現在行われている方形対戦ドッジボールとなり、子どもの遊びとして普及していった。そして1947年の文部省制定の「学校体育指導要綱」で小学校体育教材の一つとして採用された」
「いずれにしても「ドッジボール」という名称は和製英語である」
2.『ニュー・スポーツ百科』の近くに『最新スポーツ大辞典』湯村久治・鈴木富生/他共編 1985.10 国書刊行会(請求記号:780.3/サ 資料コード:1011342878)があり、ドッジボールという項目もあった。なお、この辞典は「現在わが国で使われているスポーツ用語のうち、英、米、仏、独などの各国語に由来する用語7000余を選びこれを見出し語とし、ABC順に配列してある」もの。
3.Googleで「全日本ドッジボール協会」を検索→一般社団法人日本ドッジボール協会のサイトがヒット http://www.dodgeball.or.jp/ ドッジボールとは?>ドッジボールの歴史 に、「大谷武一教授により「ドッジボール」と改名され」たとある。
4.大谷武一教授の著作などから「ドッジ」命名の由来がわかるのではないかと思い、自館OPACで「大谷武一」を検索→所蔵資料はない。
5.CiNii Articlesで論文が読めないかと思い、「大谷武一」を検索→オープンアクセスになっている記事には、関連記述がない。
6.dodgeball をキーワードにgoogle検索→英語のサイトがヒットする。
・UK-Dodgeball Association http://www.ukdba.org/#
・the NDL.com::The official home of the National Dodgeball League and professional dodgeball http://www.thendl.com/
これらを見ると、日本のドッジボールとはルール・競技方法が異なるが、Dodgeballという競技があることは確からしい。したがって、一概に「和製英語」とも言えなさそう。
- 事前調査事項
- NDC
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- 球技 (783 8版)
- 参考資料
- キーワード
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- ドッジボール(dodgeball)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000115479