レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 国立国会図書館(National Diet Library) (1110001) | 管理番号 (Control number) | 7304687 | |||||||
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事例作成日 (Creation date) | 2020/03/03 | 登録日時 (Registration date) | 2020年04月02日 00時30分 | 更新日時 (Last update) | 2020年04月17日 10時36分 | |||||
質問 (Question) | 「女性に年齢を訊くのは失礼」という風習がいつ頃どのように生まれたのか知りたい。 | |||||||||
回答 (Answer) | ご照会の事項について、日本語の文献に限定して調査しました。 下記資料およびデータベースを確認しましたが、「女性に年齢を訊くのは失礼」という風習がいつどのようにして生まれたか、ということに関する一般的な定説は見当たりませんでした。 調査の過程で見つかった、「女性に年齢を訊く」ことの是非について記載のあった明治期および昭和期の資料として資料1および資料2を参考までにご紹介します。なお、これらの記載内容が当時の一般的な認識である、という情報は見当たりませんでした。また、明治期から昭和前期にかけての礼儀作法に関する書籍を探す場合に参照できる資料として、資料3を参考までにご紹介します。 また、国立国会図書館オンライン( https://ndlonline.ndl.go.jp/ )で件名に「礼儀作法」、「ビジネスマナー」、「女性問題」、「セクシャルハラスメント」などを入力して検索すると、関連書籍を検索することができます。 【 】内は当館請求記号です。末尾に「*」が付された資料は、国立国会図書館デジタルコレクション( https://dl.ndl.go.jp/ )に収録されており、インターネット上で公開しています。末尾に「**」が付された資料は、国立国会図書館デジタルコレクションに収録されており、国立国会図書館および図書館送信参加館内で公開しています。 インターネットの最終アクセス日は2020年2月28日です。 資料1 蘆川忠雄. 談話術修養. 至誠堂, 明43.11 【335-51】* 「第二十章 婦人に對する談話」(pp.298-313(165コマ-172コマ))中のpp.304-305(168コマ)に「七 年齡の質問は無禮に當る」が掲載されており、年齢の質問をする日本人の癖を批判し、「妙齢の婦人に向て……といふやうに、年齢を質すものあり、是れ婦人に恥辱を與ふる行為なり、……」といった記載があります。 資料2 堀内敬三. 日常の交際作法. 大日本雄弁会講談社, 1952 【387-H679n】** 「社交のしかた」(pp.50-86(31コマ-49コマ))中のpp.50-52(31コマ-32コマ)に「個人的な私事をたずねるな」が掲載されており、個人的な私事をたずねがちな日本人を批判し、年齢をたずねるのは失礼であり特に相手が女性の場合は無礼なことである、といった旨の記載があります。 資料3 陶智子, 綿抜豊昭編著. 近代日本礼儀作法書誌事典. 柏書房, 2006.7 【E1-H48】 明治期から昭和前期までの礼儀作法に関する書籍の目録です。書籍ごとに解題のほか、詳細な目次が掲載されています。 なお、資料3に記載された資料のうち当館の所蔵資料については、おおむね、国立国会図書館デジタルコレクション( https://dl.ndl.go.jp/ )で閲覧できます。 (調査済み資料、データベースおよびインターネット情報) ・樋口清之. 日本風俗の起源99の謎 : 礼儀作法とはなにか 産報, 1976 【GB82-36】 ・『労働基準広報』編集部編著. 男女雇用機会均等法ハンドブック. 労働基準調査会, 1985.6 【AZ-529-25】 ・松岡陽子マックレイン. アメリカの常識日本の常識. 読売新聞社, 1989.7 【EC225-E84】 ・日本経営者団体連盟広報部編. セクシュアル・ハラスメント. 日本経営者団体連盟広報部, 1990.10 【DH311-E280】 ・井上雍雄. 日本人の常識と社交性 : 外国人とのコミュニケーションを良くするために 創芸社, 1990.12 【EC225-E147】 ・共栄火災海上保険相互会社安全総合サービス部.あなたの会社は大丈夫?こんなにあるセクハラ. アイペックプレス, 1991.12 【DH311-E384】 ・日本太平洋資料ネットワーク編. 日米のセクシュアル・ハラスメント : 現状レポートと対策 新水社, 1992.6 【EF71-E99】 ・竹内宏編. アンケート調査年鑑. 並木書房, 6:1993(上) 【Z41-5757】 pp.3-26に、東京都内の企業の女性社員500人を対象として第一勧業銀行が行った「OLの考える『オフィスのルール観』」というアンケート調査が掲載されています。p.18に「セクシャルハラスメントにあたる行為」が掲載されており、「年齢を聞く セクハラにあたる:3.8%、時と場合によってはセクハラにあたる:27.2%、セクハラにはあたらない:69%」と記載されています。なお、1990年から1994年までの巻号を確認しましたが、他の巻号には同調査は掲載されていません。 ・ミッシェル・エンゲルバート, マドレーヌ・グラデュ. 日本の常識は世界の非常識 : これだけは知っておきたい、いろんな国の文化・気質・習慣 オーエス出版, 1993.2 【EC225-E220】 ・東京都労働経済局労政部労働組合課編. セクシュアル・ハラスメント防止のために : 職場におけるセクシュアル・ハラスメント防止マニュアル 東京都労働経済局, 1994.11 【DH311-E680】 ・T.モリスン, W.A.コナウェイ, G.A.ボーデン著 ; 幾島幸子訳. 世界比較文化事典 : 60カ国 マクミランランゲージハウス, 1999.10 【EC225-G250】 ・熊倉功夫. 文化としてのマナー. 岩波書店, 1999.10 【GB641-G59】 ・金子雅臣. セクハラ防止完全マニュアル : 職場相談員のための 築地書館, 2000.11 【DH311-G422】 ・金子幸子, 黒田弘子, 菅野則子, 義江明子編. 日本女性史大辞典. 吉川弘文館, 2008.1 【E2-J5】 ・なぜ女性に年齢を聞くのは失礼なのか? Sapio. 21(8) (通号 465) 2009.4.22 p.86 【Z24-1008】 ・横山験也. 明治人の作法 : 躾けと嗜みの教科書 文藝春秋, 2009.7 【EF35-J78】 ・鈴木尚子編. 現代日本女性問題年表 : 1975-2008 ドメス出版, 2012.12 【E2-L6】 ・日外アソシエーツ編集部編. 日本女性史事典 : トピックス1868-2015 日外アソシエーツ ; 紀伊國屋書店 (発売), 2016.4 【E2-L188】 ・国立国会図書館オンライン( https://ndlonline.ndl.go.jp/ ) ・国立国会図書館サーチ( https://iss.ndl.go.jp/ ) ・国立国会図書館デジタルコレクション( https://dl.ndl.go.jp/ ) ・CiNii Books( https://ci.nii.ac.jp/books/ ) ・CiNii Articles( https://ci.nii.ac.jp/ ) ・J-STAGE( https://www.jstage.jst.go.jp/ ) ・学術機関リポジトリデータベース(IRDB)( https://irdb.nii.ac.jp/ ) ・国立公文書館デジタルアーカイブ( https://www.digital.archives.go.jp/ ) ・国立公文書館アジア歴史資料センター蔵書検索( https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/default ) ・国立女性教育会館女性教育情報センター文献情報データベース( https://winet.nwec.jp/bunken/opac_search/?smode=1 ) ・国立女性教育会館女性教育情報センター女性情報レファレンス事例集( https://winet.nwec.jp/tictconsult/ ) ・「女性・ジェンダーについて調べる」(リサーチ・ナビ)( https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-858.php ) ・聞蔵Ⅱビジュアル[当館契約データベース] ・毎索[当館契約データベース] ・ヨミダス歴史館[当館契約データベース] ・Web OYA-bunko[当館契約データベース] ・雑誌記事索引集成データベース ざっさくプラス(皓星社)[当館契約データベース] | |||||||||
回答プロセス (Answering process) | ||||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | 以下の資料を調査したが、質問内容に関する記述はなかった。 ◆一般書 (雑学・ジェンダー・女性史・セクハラなど) ・『雑学うんちく図鑑』(ケン・サイトー著/KADOKAWA/2018) ・『日本のジェンダーを考える』(川口章著/有斐閣選書/2013) ・『「女子」という呪い』(雨宮処凛著/集英社/2018) ・『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(ジェーン・スー著/幻冬舎/2014) ・『「女子」の誕生』(米澤泉/勁草書房/2014)など。 ◆レファレンス本 ・『岩波女性学事典』(岩波書店/2005) ・『日本女性史事典』(日外アソシエーツ/2016)など。 ◆データベース 「聞蔵Ⅱビジュアル」 「年齢 タブー」「年齢 セクハラ」「女性 年齢 タブー」などの検索語で検索したが、参考になる情報は得られなかった。 | |||||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) | ||||||||||
キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | ||||||||||
寄与者 (Contributor) | ||||||||||
備考 (Notes) | 経済社会(レファレンス) | |||||||||
調査種別 (Type of search) | 事実調査 | 内容種別 (Type of subject) | 質問者区分 (Category of questioner) | 公立図書館 図書館 | ||||||
登録番号 (Registration number) | 1000279969 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 解決 |