レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2005年03月
- 登録日時
- 2005/12/08 13:36
- 更新日時
- 2005/12/13 16:44
- 管理番号
- 県立長野-05-003
- 質問
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解決
人間の味(み)蕾(らい)数を知りたい
- 回答
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資料によって記述が異なる。また、個体差もあり一概には言えないが、成人で5000個から9000個。
- 回答プロセス
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① 「味蕾」について『日本大百科全書 第22巻』(小学館編・刊 1988)[031/ニホ/22]505pで確認する。
“taste bud 味覚芽(が)ともいう。味覚の感覚器で、その中には味受容器である味(み)細胞が含まれる。
味蕾は、脊椎(せきつい)動物では一般に口腔(こうくう)内の舌、軟口蓋(こうがい)、咽頭(いんとう)及び喉頭(こうとう)にみられるが、
(中略)成人では口腔全体で四〇〇〇~五〇〇〇個の味蕾があるといわれる”とある。
② [NDC 491 生理学]の書架で『からだの百科事典』(坂井建雄ほか編 朝倉書店 2004)[490.36/サタ]、
『図説からだの事典』(中野昭一ほか編 朝倉書店 1992)[491.3/ナシ]、
『日本人のからだ 健康・身体データ集』(鈴木隆雄著 朝倉書店 1996)[491.1/スタ]などの資料をみるが、
個数についての記述はないか、数千個から一万個などのようにあいまいに書かれている。
『日本人のからだ 健康・身体データ集』(前掲)には、「舌の有郭乳頭における味蕾数と大きさ」の年代別の表があるが、口腔内全体の数は不明。
③ 自館システムで、「味覚」をキーワードに検索する。
『味覚センサ』(都甲潔編著 朝倉書店 1993)[491.37/トキ]41pには、“味蕾は主として舌表面の茸上乳頭、葉状乳頭および有郭乳頭の中に存在する。その他に軟口蓋、咽喉頭部の上皮組織にも味蕾は存在する。これらの味蕾は組織学的には、舌乳頭内の味蕾と同じであるが、明瞭な形をもつ乳頭の中ではなく、上皮細胞層の中に埋もれている”とし、ヒトの味蕾の数については、“舌の前部には茸状乳頭、舌の後側面には葉状乳頭、舌後部には有郭乳頭が散在している。その数は茸状乳頭で約1600個、有郭乳頭で7~9個である。これらの乳頭の中に「味蕾」と呼ばれる味センサが存在している。茸状乳頭は1個当り平均4個(0~27個)の味蕾を、有郭乳頭は1個当り110~270個の味蕾を含み、また、葉状乳頭は全体で約1280個の味蕾を含んでおり、舌全体では成人で5000~9000個ほどの味蕾を含むことになる。また、舌以外の口腔内部位にも味蕾が約2600個ほど存在”という記述がある。
『味と香りの話』(栗原堅三著 岩波書店 1998 岩波新書新赤版563)[491.37/クケ]104pでは、“口の中に存在する全味蕾の三分の二は舌の上にあるが、残りの三分の一は軟口蓋、咽頭部、喉頭部などの上皮に存在する。(中略)成人は、約九〇〇〇個の味蕾をもっている”としている。一方、『感覚情報処理』(安井湘三編著 コロナ社 2004)[491.37/ヤシ]85pでは、“味蕾の総数は、ヒトで約5200個”、『最新味覚の科学』(佐藤昌康編 朝倉書店 1997)[491.37/サマ]では、約9000個としている。
- 事前調査事項
- NDC
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- 基礎医学 (491 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 味蕾
- 味覚芽
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 『なんでもきいてみよう』(県立長野図書館 平成17 第37集)収録レファレンス
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 一般
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000025525