レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年10月30日
- 登録日時
- 2021/07/10 14:47
- 更新日時
- 2022/04/23 17:51
- 管理番号
- 吹-60-2021-002
- 質問
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解決
『修禅寺(しゅぜんじ)物語』(岡本綺堂(おかもと きどう)/著)の現代語訳小説が読みたい。現代語訳でも、元となる戯曲形式のものは不要。知人から、岩波文庫は現代語訳小説だと聞いている。
- 回答
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光文社文庫『修禅寺物語』(岡本綺堂/著 光文社 1992.3)を提供。
- 回答プロセス
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『修禅寺物語』は、元は戯曲。備考欄記載の各出版社の『修禅寺物語』はいずれも戯曲形式で、現代語訳小説ではなかった。質問者の知人が現代語訳小説として紹介した岩波文庫も戯曲だった。
回答の光文社文庫『修禅寺物語』所収の「修禅寺物語」は、岡本綺堂が戯曲『修禅寺物語』を書いた10年後に、修善寺(しゅぜんじ)温泉を再訪するところから物語が始まり、その後自身の戯曲の幻影が現れるという筋立てとなっている。戯曲の現代語訳であるという記載はないが、内容がほぼ一致することから、質問者の知人は現代語訳小説があると思った可能性が高い。
後日調査
(1)『もののふの譜』(中山義秀/[ほか]著 講談社 1992.3)に収録されている「修禅寺物語」も、光文社文庫と同じ内容であることを確認した。
(2)2021年7月に『修禅寺物語 新装増補版』(岡本綺堂/著 光文社 2021.7)が出版された。同書の解説(菊池仁解説)p391~p392に下記の記述があった。
「小説化した『修禅寺物語』は、作者自らが筆を執っただけに、戯曲の持つ長所と短所を勘案し、読みやすくわかりやすい絶好の読物となっている。初版発行は大正七年(1918年)で、『玉藻の前』と併せて刊行された。現在も事情は変わらないが、戯曲は読まれないし、売れないというのが通り相場である。そこで評判の高かった芝居を小説化するという現在のノベライズと同様の方法がとられていた。」
- 事前調査事項
- NDC
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- 戯曲 (912 10版)
- 小説.物語 (913 10版)
- 参考資料
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岡本綺堂 著 , 岡本, 綺堂, 1872-1939. 修禅寺物語 : 傑作伝奇小説. 光文社, 1992. (光文社文庫)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002170090-00 , ISBN 4334714951 -
岡本綺堂作 , 岡本, 綺堂. 修禅寺物語 ; 正雪の二代目 : 他四編. 岩波書店, 1952. (岩波文庫, 緑(31)-026-1,4802-4803)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I008323331-00 , ISBN 4003102614
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岡本綺堂 著 , 岡本, 綺堂, 1872-1939. 修禅寺物語 : 傑作伝奇小説. 光文社, 1992. (光文社文庫)
- キーワード
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- 修禅寺(しゅぜんじ)物語
- 現代語訳
- 岡本綺堂(おかもと きどう)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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以下の資料は戯曲で、現代語訳ではない。
『日本文学全集 63』(筑摩書房 1970)
『現代日本文學大系 91』(筑摩書房 1973.3)
『日本の文学 77』(谷崎潤一郎/[ほか]編 中央公論社 1979)
『桐一葉』坪内逍遙/[ほか]作 白水社 1992.7)
『ちくま日本文学全集 057』(筑摩書房 1993.7)
『百年小説』(ポプラクリエイティブネットワーク/編集 ポプラ社 2008.12)
『岡本綺堂』(岡本綺堂/著 筑摩書房 2009.2)
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000301638