レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年01月22日
- 登録日時
- 2022/06/10 12:32
- 更新日時
- 2022/06/21 12:23
- 管理番号
- 川図20-10
- 質問
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解決
生石灰の性質や用途などが解説された資料を読みたい。
- 回答
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[1]Googleで「生石灰」と検索し、生石灰の正式名称は「酸化カルシウム」(化学式:CaO)であることが分かった。
[2]辞典類や無機化学に関する当館所蔵資料から、以下を紹介した。
(1)『岩波理化学辞典 第5版』(長倉三郎ほか編、岩波書店、1998)
p.529「酸化カルシウム」の項目に、構造、密度、沸点などの情報が記載されている。
(2)『シュライバー・アトキンス無機化学 第4版』(ピーター・アトキンスほか著、東京化学同人、2008)
p.419に「酸化カルシウム(石灰あるいは生石灰として)はモルタルやセメントの主成分で(BOX11・1)、また製鉄業や製紙業でも用いられる。」と書かれている。
p.420の「BOX11・1」にセメントの作成方法が書かれ、酸化カルシウム(石灰)が過程で記されている。
(3)『工学のための無機化学 新訂版』(橋本和明ほか著、サイエンス社、2016)
p.126に「酸化カルシウム(CaO)」の項目がある。酸化カルシウムと反応する物質について記載されている。また、「ガラスやセメントの原料、溶鉱炉のスラグ成分の生成に対して大量に使用されている。」と書かれている。
(4)『化合物の辞典』(高本進ほか編、朝倉書店、1997)
p.63に「酸化カルシウム」の項目がある。生成法、結晶の構造、融点、沸点等が記されている。また、「CaC2製造、冶金工業また建築材(モルタル)の成分原料などに広く用いられている。」と記載されている。
[3]以下、各用途別に酸化カルシウムが使われている資料と酸化カルシウムが使用されているページを紹介した。
【セメント】
(5)『セメント・コンクリート材料科学』(深谷泰文ほか著、技術書院、2003)
p.23「3.2 原料の調合と粉砕」に、ポルトランドセメントの構成要素としてCaOが紹介されている。
(6)『コンクリート用高炉スラグ活用ハンドブック 環境保全に寄与するエコ資材』(横室隆ほか著、セメントジャーナル社、2011)
p.27で、高炉スラグの主成分に石灰(CaO)が紹介されている。
(7)『建設材料コンクリート』(村田二郎ほか著、共立出版、2004)
p.6で、ポルトランドセメントのクリンカーの原料にCaOが紹介されている。
【ガラス】
(8)『ガラスの科学 おもしろサイエンス』(ニューガラスフォーラム編著、日刊工業新聞社、2013)
p.12-15「6 ガラスになる物質はいろいろある」に、「添加成分の中で、それ単独ではガラスにはなりませんが、ネットワーク構造に入りガラスの骨格を作る物質もあり、それらを中間酸化物といったりします。」「CaOなどアルカリ土類金属酸化物はもっぱらネットワークを切断し、溶解温度を下げる働きがあり、これらは修飾酸化物と呼ばれたりします。」と記述されている。
【スラグ成分の生成】
(9)『スラグの有効利用マニュアル』(廃棄物研究財団編、1999)
p.39「図1-8-1-2 セメント化物製造フロー例」で石灰石を原料として使用している。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 物理化学.理論化学 (431)
- 無機化学 (435)
- 参考資料
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長倉三郎 [ほか]編 , 長倉, 三郎, 1920-2020. 岩波理化学辞典 第5版. 岩波書店, 1998.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002689833-00 , ISBN 4000800906 -
P.Atkins/[ほか]著 , 田中 勝久/訳 , 平尾 一之/訳 , 北川 進/訳 , Atkins‖Peter W , 田中‖勝久 , 平尾‖一之 , 北川‖進. シュライバー・アトキンス無機化学 上. 東京化学同人, 2008.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I015518937-00 , ISBN 4807906673 -
橋本和明, 大倉利典, 片山恵一, 山下仁大 共著 , 橋本, 和明, 1961- , 大倉, 利典 , 片山, 恵一. 工学のための無機化学 新訂版. サイエンス社, 2016. (ライブラリ工科系物質科学 ; 2)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027015117-00 , ISBN 9784781913704 -
高本進 [ほか]編 , 高本, 進, 1928-. 化合物の辞典. 朝倉書店, 1997.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002650201-00 , ISBN 4254140436 -
深谷泰文, 露木尚光 著 , 深谷, 泰文 , 露木, 尚光, 1940-. セメント・コンクリート材料科学. 技術書院, 2003.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004283310-00 , ISBN 4765432270 -
横室隆, 宮澤伸吾, 川上勝弥 著 , 横室, 隆 , 宮澤, 伸吾 , 川上, 勝弥. コンクリート用高炉スラグ活用ハンドブック : 環境保全に寄与するエコ資材. セメントジャーナル社, 2011.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011163587-00 , ISBN 9784915849657 -
村田二郎, 長瀧重義, 菊川浩治 著 , 村田, 二郎, 1924- , 長滝, 重義, 1937- , 菊川, 浩治, 1933-. 建設材料コンクリート. 共立出版, 2004.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004361004-00 , ISBN 4320074130 -
ニューガラスフォーラム 編著 , ニューガラスフォーラム. ガラスの科学. 日刊工業新聞社, 2013. (B&Tブックス. おもしろサイエンス)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024584088-00 , ISBN 9784526070648 -
廃棄物研究財団 編 , 廃棄物研究財団. スラグの有効利用マニュアル. 廃棄物研究財団, 1999.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007462315-00
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長倉三郎 [ほか]編 , 長倉, 三郎, 1920-2020. 岩波理化学辞典 第5版. 岩波書店, 1998.
- キーワード
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- 生石灰
- 石灰
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000317157