レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008年02月01日
- 登録日時
- 2012/11/22 20:13
- 更新日時
- 2012/11/22 20:13
- 管理番号
- いわき総合-地域140
- 質問
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未解決
小名浜の野田玉川の歌碑に、星一の書で「来る人もなこその関の呼子鳥こいて別るゝ野田の玉川俊成郷」という和歌がある。この和歌の出典が知りたい。
- 回答
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『新編国歌大観』で調べるが、該当する和歌は見つからなかった。
勿来関文学歴史館に照会する。
同歴史館から大阪信愛女学院短期大学 吉田教授に照会してもらったところ、以下のような見解であった。
和歌の検索となるとやはり『新編国歌大観』に拠るしかなく、これに近い歌も見当たらなかった。そもそも、藤原俊成の真作とは到底思えないものである。その理由として、
①「勿来の関」と「野田の玉川」、歌枕(和歌に詠まれた伝統的名所)が2つ詠まれていること。一首中に2つ詠むことは異例で、俊成ではまずありえないと思われる。
②歌の調べが俗っぽくて、鎌倉期の和歌とは思えない。多分、俊成に仮託された後世の作(場合によっては、星一氏自身の作の可能性もある)ではないかと思われる。
近世になると、歌に詠まれた代表的な玉川から6つ選び、「六玉川」と称して和歌とともに絵画化されるようになるが、あるいは、そのような文化状況下で俊成仮託の歌が作られたのではないか。
以上が吉田教授の見解で、この和歌の出典は不明であった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
- キーワード
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- 野田の玉川
- 勿来の関
- 照会先
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- 勿来関文学歴史館
- 大阪信愛女学院短期大学 吉田教授
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000114604