レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年11月19日
- 登録日時
- 2013/11/30 13:13
- 更新日時
- 2014/02/26 17:01
- 管理番号
- いわき総合-地域193
- 質問
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解決
いわき(夏井地区)の「縄文海進」に関する、所蔵資料確認の調査依頼。
- 回答
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当館所蔵の当該資料について調査した結果、下記資料に「縄文海進」にかかる記述を確認し、回答した。
「縄文海進」とは、縄文時代に発生した温暖化に起因する海水面の上昇現象である。縄文前期(約い6,000年前)に、そのピークを迎えたとされる。本市においても海洋性貝塚の内陸部への分布状況により、「縄文海進」は認識されていた。縄文海進時の最高潮面は現海面より8mは超えないものであったようである。
なお、本市の平野部には海退過程(海岸部の後退)によって海岸線に形成された浜堤(その当時の砂丘部)列は、現在の海岸線を含めて5本確認されており、最奥部の第1浜堤列~第5浜堤列まで同心円を描くように位置する。
浜堤形成の時期は、第1浜堤:4,500年前、第2浜堤:3,900年前、第3浜堤:3,300~1,800年前、現海岸線は1,800年までに形成された。各浜堤の幅は250m~500mを測り、第1浜堤列と第2浜堤列からは、弥生土器が発掘されていることから、その時代までには第1~第2浜堤列間の陸地化が完了していた状況が窺える。
また、浜堤上は主に集落、浜堤間の低地は水田として土地利用されている。
- 回答プロセス
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当館所蔵資料の調査
【資料①】『いわき地域学會夏井地区総合調査報告』P51~65:「夏井川下流域の地形発達史」に、縄文海進に関する記述を認める。
【資料②】『弘源寺貝塚』P21~31:「第6章まとめ」に、縄文海進時の汀線を想定している。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 地理.地誌.紀行 (290 9版)
- 参考資料
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いわき地域学会夏井地区総合調査報告. いわき地域学会, 1988.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002017964-00 (AL/210.7/1/ナ・1111917439) -
いわき市教育文化事業団 編. 弘源寺貝塚 : 縄文時代前期を主体とした貝塚の調査. いわき市教育委員会, 2007. (いわき市埋蔵文化財調査報告 ; 第122冊)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008528582-00 (AL/291/イ・1110734694)
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いわき地域学会夏井地区総合調査報告. いわき地域学会, 1988.
- キーワード
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- 縄文海進
- 浜堤
- 縄文時代前期
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000141401