レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年08月01日
- 登録日時
- 2013/08/01 19:09
- 更新日時
- 2013/08/01 19:15
- 管理番号
- いわき総合-地域175
- 質問
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解決
「菊多摺」に関する資料の所蔵確認
- 回答
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当館所蔵の当該資料および照会調査した結果を以下に記す。
「菊多摺」は、『広辞苑第6版』、『日本国語大辞典』、『江戸時代語辞典』等によれば、「磐城国(福島県)菊多から産した小紋の摺り模様。江戸中期(安永・天明期)、八丈絹に用いられた。」とある。
また、宝永・正徳年間に発行された浮世草子に、「菊多摺」が盛んに認められることから、江戸中期には一般的に知られた摺文様と理解される。しかし、当館所蔵地域資料には「菊多摺」の記述は認められず、どんな技法でどんな紋様だったかなどの「菊多摺」に関する詳細な情報については、得ることができなかった。
なお、勿来関文学歴史館学芸員脇坂氏に、明治末の『勿来みやげ』に「菊多摺」の記述が認められるとのご教授をいただいた。
- 回答プロセス
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当館所蔵資料の調査
【資料①】『広辞苑 第6版』P667:「菊多摺」の記載を認める。「菊田地方から産した摺模様。江戸時代中期、安永・天明の頃行われた」の、記述を確認する。
【資料②】『日本国語大辞典』P45:「菊多摺」の記載を認める。【資料①】の記載に加え、浮世草子『日本新永代蔵』(1713)、『蕪村句集』(1784)所収資料に「菊多摺」の記載を認める。
【資料③】『江戸時代語辞典』P428:「菊多摺」の記載を認める。【資料①・②】に加え、浮世草子『千尋日本織』(宝永4年)・『遊貴之衣司番』(宝永5年)・『白闇色挑灯』(宝永頃)に「菊多摺」の記載を認める。照会による調査
【資料④】『勿来みやげ』:脇坂省吾氏(勿来関文学歴史館学芸員)より『勿来みやげ』に「菊多摺」が載録されているご教授を受ける。当館に所蔵はない。所蔵館は、福島県立図書館、茨城県立図書館、国立国会図書館である。
- 事前調査事項
- NDC
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- 芸術政策.文化財 (709 9版)
- 東北地方 (212 9版)
- 参考資料
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- 【資料①】『広辞苑 第6版』2008岩波書店813.1/コ 1112415417
- 【資料②】『日本国語大辞典 第2版 第4巻』2001小学館R/813.1/ニ/4 1111315378
- 【資料③】『江戸時代語辞典』2008角川学芸出版R/813.6/エ 1114635848
- 【資料④】『勿来みやげ』1902 勿来山人(散人) (所蔵館:福島県立図書館・茨城県立図書館・国立国会図書館)
- キーワード
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- 菊多摺
- 摺文様
- 磐城国菊多郡
- 照会先
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- 馬目順一氏(福島県考古学会顧問)
- 小宅幸一氏(いわき地域学會幹事)
- 寄与者
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- 脇坂省吾氏(勿来関文学歴史館学芸員)
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 団体
- 登録番号
- 1000135005