レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20150401
- 登録日時
- 2015/05/28 18:05
- 更新日時
- 2015/10/03 14:41
- 管理番号
- 吹-85-2015-005
- 質問
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解決
尾生之信(びせいのしん)という故事に出てくる男の解釈が「信義が厚い男」と「ばか正直者」という二つあると聞いた。二つの解釈が載っている中国の本が見たい。
- 回答
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(1)『岩波四字熟語辞典』(岩波書店辞典編集部/編 岩波書店 2002.10 P.534~535)に以下の記述有。
尾生之信 びせいのしん
かたく約束を守ること。また、ばか正直なこと。
『荘子』盗跖(とうせき)の「尾生(びせい)は女子と梁下に期し(橋の下で会う約束をし)、女子来たらず。(尾生は)水至るも去らず、梁柱(橋脚)を抱いて死す」による。孔子が大盗賊の盗跖にやりこめられる寓話の部分で、女との約束を守って溺れ死んだ尾生について、荘子は「名に離(かか)り死を軽んじて、本(もと)を念(おも)い寿命を養わざる者なり」と盗跖に言わせている。一方、同じ尾生の故事を載せる『史記』蘇秦伝では、尾生を信義を守った者としている。引用から『抱柱之信』(ほうちゅうのしん)とも言う。
(2)『中国故事物語』(後藤 基巳/[ほか]編 河出書房新社 1980 P.236~237)
尾生の信について、故事の内容と『史記』蘇秦伝、『荘子』盗跖篇に載ってると記述有。
(3)『新釈漢文大系 88 史記八 列伝(一)』(明治書院 1990.2 P.274~275)
(4)『新釈漢文大系 8 荘子 下巻』(明治書院 1967.3 P.747~748)
『史記』と『荘子』に尾生の記述があったので、ご紹介した。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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『史記』と『荘子』に載っているようだと言われていました。
- NDC
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- 語彙 (814 8版)
- 参考資料
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『岩波四字熟語辞典』(岩波書店辞典編集部/編 岩波書店 2002.10)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003595073-00 - 『中国故事物語』(後藤 基巳/[ほか]編 河出書房新社 1980)
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『新釈漢文大系 88 史記八 列伝(一)』(明治書院 1990.2 P.274~275)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001378346-00 - 『新釈漢文大系 8 荘子 下巻』(明治書院 1967.3) , ISBN 4625570085
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『岩波四字熟語辞典』(岩波書店辞典編集部/編 岩波書店 2002.10)
- キーワード
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- 尾生之信
- 尾生の信
- 故事
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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下記の資料には記載なし。
『三省堂中国名言名句辞典』(大島 晃/編 三省堂 2011.8)
『故事成語』(合山 究/著 講談社 1991.11)
『四字熟語の中国史』(富谷 至/著 岩波書店 2012.2)
『故事成語の誕生と変容』(湯浅 邦弘/著 角川学芸出版 2010.9)
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000175175