レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年9月22日
- 登録日時
- 2020/07/08 21:21
- 更新日時
- 2021/03/03 11:42
- 管理番号
- 吹-20-2020-001
- 質問
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未解決
絵本『トムテ』(ヴィクトール=リードベリ/さく ハラルド=ウィーベリ/え やまのうちきよこ/やく 偕成社 1979.11)の訳者のあとがきに、「この『トムテ』という詩は、十九世紀のスウェーデンの詩人リードベリが1882年に発表したものです。この詩は、今日でもスウェーデンの人びとにひろく愛されており、毎年大晦日の夜になると、ラジオで朗読されています。」とある。この「大晦日の夜になると、ラジオで朗読されている」という事実を他の本でも確認したい。
- 回答
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下記のとおり調査したが、回答不能。
- 回答プロセス
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図書やインターネット情報で、スウェーデンの文化、習慣に関するもの、作者ヴィクトル・リードベリ(Rydberg, Viktor)に関するものを探したが、見つからなかった。
(1)
まず図書で、スウェーデンの大晦日に関する情報を調査した。
『スウェーデン人のまっかなホント』(ペーテル・ベルリン/著 マクミランランゲージハウス 1999.12) p75 「スウェーデン人の新年の迎え方は、まるでお葬式のように暗い。(中略)スウェーデン人はテレビの前に身動きもせずに座って、俳優が陰鬱な詩を朗読するのをじっと見つめる。」とあるが、その詩がなんという詩なのかは書かれていない。
『スウェーデンハンドブック』(岡沢憲芙[ほか]/編 早稲田大学出版部 1997.5 )p37 「大晦日は、家族と過ごすクリスマスと違い、新しい年の訪れを友人とともに祝う。夜九時頃から花火が上がりはじめ、一二時を迎えるとシャンパンで乾杯する。」とあるのみ。
(2)
インターネット上では、スウェーデンでは大晦日に、ストックホルムのスカンセン野外博物館でイギリスの詩人テニスンの詩「Ring out,wild bells」(スウェーデン語訳)を朗読し、テレビで放送される、という情報が複数見つかる。
(3)
『世界のお正月百科事典』(ウィリアム・D.クランプ/著 柊風舎 2018.12)p239 スウェーデンの項に「スカンセン野外博物館で有名な俳優が、テニスンの『鳴り飛ばせ、鳴り狂ふ鐘の音よ』を朗読する、とあるがトムテの詩については書かれていない。
(4)
上記『スウェーデンハンドブック』(岡沢 憲芙[ほか]/編 早稲田大学出版部 1997.5 )p37によると、スウェーデンではトムテと聖ニクラウスが結びついた、とあるので、スウェーデンのクリスマスについてふれている図書も調査したが見つからなかった。
(5)
インターネット上、個人のpdf文書「Tomten A Christmas Poem by Viktor Rydberg」(最終確認2020.7.17)の中で、「The Christmas poem, Tomten, by Viktor Rydberg is one of the most popular ones in Finland and Sweden. During Christmas it was often read in the radio.」とある。この文書は、この詩のスウェーデン語版の朗読の他に、フィンランド語版の歌、フィンランドの絵なども紹介している。この著者が「it was often read in the radio」というのが、スウェーデンのことなのかフィンランドのことなのかがわからない。
- 事前調査事項
- NDC
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- その他のゲルマン文学 (949 10版)
- 社会学 (361 10版)
- 年中行事.祭礼 (386 10版)
- 参考資料
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ヴィクトール=リードベリ さく , ハラルド=ウィーベリ え , やまのうちきよこ やく , Rydberg, Viktor, 1828-1895 , Wiberg, Harald , 山内, 清子, 1931-2000. トムテ. 偕成社, 1979.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001436530-00 -
ペーテル・ベルリン 著 , 幾島幸子 訳 , Berlin, Peter , 幾島, 幸子, 1951-. スウェーデン人のまっかなホント. マクミランランゲージハウス, 1999.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002921545-00 , ISBN 4895858405 -
岡沢憲芙, 宮本太郎編 , 岡沢, 憲芙 , 宮本, 太郎. スウェーデンハンドブック. 早稲田大学出版部, 1997.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I003593600-00 , ISBN 4657975234 -
ウィリアム・D・クランプ 著 , 澤田治美 監訳 , 石川久美子, 大塚典子, 児玉敦子 訳 , Crump, William D., 1949- , 沢田, 治美, 1946- , 石川, 久美子 , 大塚, 典子 , 児玉, 敦子. 世界のお正月百科事典. 柊風舎, 2018.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I029373929-00 , ISBN 9784864980630
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ヴィクトール=リードベリ さく , ハラルド=ウィーベリ え , やまのうちきよこ やく , Rydberg, Viktor, 1828-1895 , Wiberg, Harald , 山内, 清子, 1931-2000. トムテ. 偕成社, 1979.
- キーワード
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- トムテ
- リードベリ, ヴィクトール(Rydberg, Viktor)
- リュードベリ、ヴィクトル(Rydberg,Viktor)
- 山内清子(やまのうち きよこ)
- スウェーデン 詩
- スウェーデン ラジオ
- スウェーデン 放送
- 大晦日
- 新年
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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見つからなかった資料。
CD『北欧の冬、そしてクリスマスを歌う』(クラヤ/演奏 ライス・レコード発売 2017)
クラヤはスウェーデンのコーラス・グループ。3曲目の「トムテ」について、解説に「作家ヴィクトル・リュードベリが残したポエムを元にした曲」とあるが、ラジオでの詩の朗読については書かれていない。
『世界の博物館 14 スウェーデン・デンマーク野外歴史博物館』(講談社 1978.8)
スカンセンの野外博物館のことだが、大晦日の詩の朗読については書かれていない。
『スウェーデン四季暦』(訓覇法子/文 東京書籍 1994.7)
『幸せの国スウェーデンから』(やまだあいこ/著 DU BOOKS 2019.3)
『スウェーデンの小さな庭から』(ピヤネール多美子/著 オークラ出版 2004.5)
『世界各地のくらし 14 スウェーデンのくらし』(ポプラ社 1996.4)
『スウェーデン社会事情』(江上洋一/文・写真 新風社 1991.12)
『スウェーデンを知るための60章』(村井誠人/編著 明石書店 2009.5)
『北欧の小さな大国「スウェーデン」の魅力150』(西田孝広/著 雷鳥社 2018.12)
『スウェーデン人』(イリス・ヘルリッツ/[著] 新評論 2005.12)
『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議 [1]』(オーサ・イェークストローム/著 KADOKAWA 2015.3)
『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議 2』(オーサ・イェークストローム/著 KADOKAWA 2015.9)
『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議 3』(オーサ・イェークストローム/著 KADOKAWA 2017.3)
『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議 4』(オーサ・イェークストローム/著 KADOKAWA 2018.2)
『スウェーデンのあたたかい暮らし』(カタリーナ・エヴァンス/著 ピエ・ブックス 2007.10)
『こどもと暮らす北欧スウェーデン』(井浦ふみ/[著] マイルスタッフ 2020.1)
『スウェーデンの児童文学』(マリアン・フォン・バウムガルテン=リンドベリィ[ほか]共著 [スウェーデン文化交流協会] [c2007])
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000284401