レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/04/22
- 登録日時
- 2022/05/03 00:30
- 更新日時
- 2022/05/19 11:25
- 管理番号
- 11837258
- 質問
-
未解決
Lydia Maria Child『The Frugal Housewife』[1829]の読者層や出版部数(統計などあれば)について知りたい。
- 回答
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以下のとおり調査しましたが、Lydia Maria Childの“The Frugal Housewife”の読者層および出版部数が明記された資料は見当たりませんでした。
資料1~4に出版状況に関連する情報、資料1、3~5に著者が想定した読者について記載がありましたので、参考までに紹介します。
【 】内は国立国会図書館請求記号です。
資料1:“The mother's book” Child, Lydia Maria Francis 1844(第6版)
* ‘PREFACE’:著者のLydia Childが、“Frugal Housewife”がアメリカの中産階級向けの本として需要があると信じたとあるほか、1年で6,000部以上の売り上げがあったことがそれを証明したとの見解が記載されています。
* Internet Archive( https://archive.org/ )にて閲覧可能: https://archive.org/details/mothersbook00chilrich/page/n9/mode/2up?ref=ol
資料2:溝越彰 著『時間と言語を考える : 「時制」とはなにか (開拓社言語・文化選書 ; 61)』開拓社, 2016.6【KE81-L18】
* pp.97-99「第5章 英語の「未来時制」と近代的時間意識」>「5.4 アメリカ合衆国の時間事情」:“The American Frugal Housewife”(ここでは1835年刊行と記載)について、合衆国の黎明期に爆発的に普及したアルマナックの売れ行きにも匹敵すると言及されています(p.98)。
資料3:相本資子「クックブックを読む : アミーリア・シモンズとリディア・マライア・チャイルドの場合 (花岡秀教授退職記念号)」(『英米文学』59=(83):2015.3 pp.1-16【Z12-34】)
* pp.8-13「4. リディア・マライア・チャイルドの『アメリカのつましい主婦』」:『アメリカのつましい主婦』について、1829-1850年までの間に35回増刷されたとあるほか(p.8)、「低取得者層の主婦に具体的に助言することを目指したクックブックなのだ」とあります(p.9)。
* 関西学院大学リポジトリにて閲覧可能: http://hdl.handle.net/10236/14526
資料4:リディア・マリア・チャイルド 著, 風呂本惇子 監訳, 柳楽有里 [ほか] 訳『共和国のロマンス』新水社, 2016.3【KS153-L251】
* pp.461-468「訳者あとがき」:p.462に、1829年の“The Frugal Housewife”が「主婦に家計倹約の実際的な方法などを助言する」著書であり、33版を重ねた旨記載があります。また、1833年に“North American Review”が25頁に及ぶチャイルド特集を行ったとあります(pp.462-463)。
* ‘Works of Mrs. Child’(“North American Review”Vol.37,No.80, Jul.,1833 pp.138-164):JSTOR Early Journal Content Freeで閲覧可能です( https://www.jstor.org/stable/25103019 )。
* (参考)リディア・マリア・チャイルドの評伝としては、キャロライン・L・カーチャーの“The First Woman in the Republic”を超えるものは出ていないとの記載がありました(p.461)。当該評伝は、当館に所蔵はありません。CiNii Booksで複数の所蔵館が確認できます( https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA24811136 )。
資料5:野口啓子, 山口ヨシ子 編著『アメリカ文学にみる女性改革者たち』彩流社, 2010.2【KS184-J49】
* pp.13-31黛道子「異人種間結婚にみる社会改革への試み」:『アメリカのつましい主婦』について、チャイルドが「それまであまり目を向けられることのなかった収入の少ない家庭に焦点をあて」とあります(p.28)。
[その他の主な調査済み資料およびウェブサイト]
日野淑子「リディア・マリア・チャイルドにおける娘の教育と<母>--アンテベラム期アメリカの家庭教育書・育児書をめぐる一考察」(『東京大学教育学部紀要』(通号 34) 1994 pp.61-69【Z7-315】)
* 東京大学学術機関リポジトリで閲覧可能: https://doi.org/10.15083/00029683
相本資子「クック・ブック・アメリカ型 : Eliza LeslieとSarah Josepha Haleの場合」(『女性学評論』(33):2019.3 pp.1-20【Z6-2252】)
* 神戸女学院大学機関リポジトリにて閲覧可能: http://doi.org/10.18878/00005582
リディア・マリア・チャイルド 著, 牧野有通 訳『孤独なインディアン : アメリカ先住民名品集』本の友社, 2000.10【KS153-G584】
In the company of books : literature and its "classes" in nineteenth-century America / Sarah Wadsworth (Studies in print culture and the history of the book)
University of Massachusetts Press, c2006【UE41-B15】
The republic in print : print culture in the age of U.S. nation building, 1770-1870 / Trish Loughran
Columbia University Press, c2007【UE41-B10】
80 years of best sellers, 1895-1975 / Alice Payne Hackett and James Henry Burke
R.R. Bowker Co., 1977【UP83-14】
フレデリック・ルヴィロワ 著, 大原宣久, 三枝大修 訳『ベストセラーの世界史 (ヒストリカル・スタディーズ ; 06)』太田出版, 2013.7【UE31-L4】
武田勝彦 著『アメリカのベストセラー』研究社出版, 1967【023.53-Ta465a】◎
Gale Literary Index(当館契約データベース)
ウェブサイトの最終アクセスは2022年4月20日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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[確認済み資料]
以下、『Frugal Housewife』に関する記載はありました。
・『Lydia Maria Child』/ by William S. Osborne (1980) pp.118-122
・『Daughters of the Puritans : a group of brief biographies』/ by Seth Curtis Beach (1967) p.93-
・『From domestic economy to home economics : the transformation of American women's lives, 1830-1930』別冊解説 (2008-2009) pp.5-6
・『Food and eating in America : a documentary reader』/ edited by James C. Giesen, Bryant Simon (2018) pp.75-77
以下、Lydia Maria Childの項目に『Frugal Housewife』に関する記載はありませんでした。
・『A dictionary of books relating to America, from its discovery to the present time』/ by Joseph Sabin(1961-1962) v. 6 p.32
[その他]
・レファレンス協同データベースに、アメリカにおける特定の図書の発行部数がわかる資料の探し方に対する回答がありました。
ただし、該当年次 [1829年] の出版物の発行部数に関する資料は紹介されておりませんでした。
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000063587
・19世紀アメリカでベストセラーとなった料理レシピ本のようです。1832年以降のタイトルは『The American Frugal Housewife』です。
- NDC
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- 出版 (023 10版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 人文(レファレンス)
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000315712