レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年07月01日
- 登録日時
- 2022/12/22 10:33
- 更新日時
- 2022/12/22 10:33
- 管理番号
- 市川20220701-01
- 質問
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解決
中山法華経寺が、地域へ与えた影響が記された資料はあるか。
- 回答
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『中山法華経寺誌』(中山法華経寺誌編纂委員会/編 同朋舎1981)は中山法華経寺の七百年の歴史についてまとめられており、地域社会との関わりについての記述がある。p.86には「寺院の運営を檀家制度に頼ることができなかった中山法華経寺は、近在農村および江戸町人の間に広く信者を集め、庶民の参詣をはかることによって寺を盛りたてていこうとした。」とあり。また、Ⅵ 5「ムラの信仰と中山法華経寺」には「村々では古くから『題目講』が催され、中山法華経寺からいただいて来た曼荼羅本尊や鬼子母神の神像を掲げて、集まった講員たちが法華経の経文を読み、『南無妙法蓮華経』とお題目を唱えるならわしがあった。」(p.465)、「中山法華経寺のお会式へ参加することが、周辺の村で行われる月並の題目講においてもっとも重要なことであり、いちばん楽しみなことでもあった。」(p.466)と地域の信仰の様子について記述されている。
『市川市史 歴史編4 変貌する市川市域』(市川市史歴史編Ⅳ編集委員会/編 市川市2020)p.79-80に、明治から大正時代にかけ法華経寺が観光地であったとの記述があり、またp.193に、1894年(明治27年)頃には、法華経寺は小学生の遠足地であったと記載されている。
『市川市景観基本計画』(市川市都市計画課/編 2004)のp.97には、「寺社周辺と参道ゾーン」の基本要素として、①寺社・参道・寺町などの風情〈法華経寺参道、大門通り〉②寺社林と周辺の緑〈法華経寺など〉③落ち着いた住宅地④伝統行事と賑わいを掲げており、法華経寺が街づくりにも影響していることが分かる。
『図説市川の歴史』(市立市川考古・歴史博物館/編 市川市教育委員会 2015)p.145には、「絵画や書籍、石造物など豊富な文化財が法華経寺とその周辺には集中しているが、なかでも昭和六十年(一九八五)、重要文化財に指定された現祖師堂が注目される。」とあり、文化財としての価値に言及している。
その他に、『なかやま』(法華経寺/発行 昭和63年内第8号より所蔵)にて、近年の法華経寺と地域の関わり、行事などを知ることができる。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 貴重書.郷土資料.その他の特別コレクション (090 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000326197