レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2021/01/19 17:03
- 更新日時
- 2021/01/19 17:05
- 管理番号
- 2020-事例23
- 質問
-
小説『夢見る帝国図書館』の中に、戦時中、上野動物園の象を仙台の動物園に疎開させる計画があったと書かれていた。実際には実施されなかったが、疎開計画があったことがわかる資料が見たい。
- 回答
-
戦時中、日本各地の動物園で猛獣処分が行われた。この措置は軍ではなく行政機関によって命じられた。東京上野動物園ではなんとかして猛獣の一部だけでも助けたいと考え、地方の安全な動物園に疎開させることを検討し、象の疎開先として仙台市動物園に文書で尋ねたところ、象のいない仙台からは譲り受けたいとの回答があった。仙台市動物園の技手が上京し、象の鉄道輸送について詳細を詰め疎開の準備が整えられた。しかしこの計画は都長官の拒否で実施に移すことはできなかった。『上野動物園百年史』の中に文書の記録が詳しく残されていた。
- 回答プロセス
-
仙台市動物園に関する資料を探したが、象の疎開計画の記録は見つけられなかった。仙台空襲の『七月十日は灰の町』の中に猛獣処分について記述があり、象を巡るミステリーとして象の疎開計画のことが書かれていた。上野動物園の資料を探すと、『上野動物園百年史』の中に福田園長代理の細かい記録が残されており、象の疎開計画について詳しく知ることができた。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 動物学 (480)
- 東北地方 (212)
- 参考資料
-
- 『上野動物園百年史[本編]』東京都/著恩賜上野動物園/編集第一法規 1982年
- 『七月十日は灰の町』石澤友隆/著河北新報出版センター 2008年
- 『仙台市交通事業五十年史』仙台市交通局/編 1979年
- 『仙台はじめて物語』逸見英夫/著創童舎 1995年
- 『仙台市史資料編7近代現代3』仙台市史編さん委員会 2004年
- 『宮城縣仙台市事務報告書並財産表昭和19年』仙台市 1945年
- 『実録上野動物園』福田三郎/著毎日新聞社 1968年(宮城県図書館所蔵)
- キーワード
-
- 『夢見る帝国図書館』
- 上野動物園
- 象
- 仙台市動物園
- 疎開計画
- 猛獣処分
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000292673