レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2014/01/16 10:43
- 更新日時
- 2015/03/29 15:44
- 管理番号
- 愛知県図-03256
- 質問
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解決
『金城温古録』を父の後を引き継いで編集した奥村定について知りたい
- 回答
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資料1 名古屋市博物館の企画展「名古屋城を記録せよ!名古屋城百科『金城温古録』の誕生」の図録であり、内容は『金城温古録』と、編纂者奥村得義・定親子の足跡を紹介している。p5『金城温古録(きんじょうおんころく)』とは、尾張藩士・奥村得義(かつよし)(1793~1862)とその養子・定(さだめ)(1836~1918)が編集した10編64巻におよぶ名古屋城の百科事典」との記述があります。p2,6,34,38に定についての記述があり、p47に奥村家系図,p50に徳厚録の写真と解説、p,53~59「第3章 三つの『金城温古録』に[奥村定と金城温古録]の項があります。それによると、奥村定(友次郎、のち定兵衛、維新後、定を名乗る。諱は儔次)は、大宮家から8歳で奥村家の養子となり、10歳で掃除中間頭務方見習を命ぜられて以来、藩務とともに『金城温古録』の編纂でも得義の助手を務めました。
得義没後は、家督相続とともに掃除中間頭に任命され、『金城温古録』編纂の継続も命ぜられたが、明治維新によって中断を余儀なくされました。
維新後、区や県の公職や会社の設立などにかかわった定は、晩年に再び『金城温古録』の編纂を開始。
明治35年(1902)『金城温古録』を完成させ、未納分の清書本を尾張徳川家に納入したことが記載され、ほかに藩士名寄、奥村定肖像写真、履歴書、 定による資料の写真-御深井御用水江程全図、王政復古公私筆記、徳川家家礼書状、内願書、敬公年表、徳川邸宛書付等の写真が掲載されています。
[奥村定と名古屋市史の編纂]の項では、定は明治41年(1908)から名古屋市史編纂部に勤務し、編纂に携わり、数多くの奥村家の蔵書を提供し、とくに『金城温古録』は、家蔵本をもとに定が筆耕・校合・装丁を指導し、明治42年一部改訂を加えた新しい『金城温古録』を完成させたとの解説とともに、写真-奥村定覚書、名古屋町名沿革、市史編纂賛助員辞令、名古屋三之丸県置沿革が掲載されています。
p60には[奥村得義、奥村定履歴一覧]が掲載されています。
資料2 p1~29「解説」山田秋衛、p5に記述があり、p,10-12に「奥村氏家系」、p13~16の「奥村得義略年譜」に記載があり、p17~の「奥村家年譜志料」のp19、26、27、28、29に記載されています。
資料3 写真版(3)に奥村友次郎(得義の息)の勤め書き、稿本藩士名寄(蓬左文庫蔵)内の写真が掲載されています。p1~5「解説」山田秋衛、p4~5に勤め書きが記載されています。
資料4 『新修 名古屋市史』第10巻 年表/索引のp276に「奥村定…⑤235」と記載されています。資料5のp235には、「21年8月、発起人として新たに旧藩士総代中より三浦恵民・若松甚九郎・奥村定の三名が発起人に加わり、同日発起人14名で役員選挙が開かれた。」とあり、これは明治21年名古屋電燈会社に関わる記載です。
資料5 細野要斎の「葎の滴」と題する随筆の中の一篇「感興漫筆」中にp363 「勤書」、p387「奥村儔次より電覧雑誌を贈らる」の項があります。
資料6 p375に「奥村友次郎がしるして贈れる一紙、画工玉渓の小伝、如左」と記載されています。
資料7 p58に「尾張分限帳 明治二年訂正」の総説の中で、「旧名古屋市史編纂係である奥村定が、市史編さん資料として、養父奥村得義(徳義)家に伝わった本を謄写し、明治45年 (1912)4月26日に校了した帳冊である。」と記載があります。
- 回答プロセス
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①OPACでフルテキストで「奥村定」で検索したが、ヒットしなかった。
②次の資料で「奥村定」で調べたが項目がなかった。
『名古屋市史』人物編(名古屋市役所編 昭和9)索引編
『名古屋市史』索引
『尾張著述家綜覧』(太田正弘編 昭59 資料コード:1108794605)p64に奥村徳義(得義)の項、備考に「定はその養子」とのみ記述。
『明治の名古屋人』(名古屋市教育委員会編 昭和44)
③OPACで「金城温古録」で検索した結果ヒットした資料を調べた結果、回答のとおり記載があった。
④『名古屋叢書 索引 附・総目録』(資料コード:1109624842)のp49には「奥村儔次 21・387」、「奥村友次郎 20・375 21・362」とあった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 個人伝記 (289)
- 日本の建築 (521)
- 参考資料
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【資料1】名古屋市博物館/編集 , 名古屋市博物館. 名古屋城を記録せよ! : 名古屋城百科『金城温古録』の誕生. 名古屋市博物館, 2008.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000449255-00 (1109540878) -
【資料2】名古屋市教育委員会 編 , 名古屋市教育委員会. 名古屋叢書 続編 第13巻. 名古屋市教育委員会, 1965.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I001442591-00 (1101475405) -
【資料3】名古屋市教育委員会 編 , 名古屋市教育委員会. 名古屋叢書 続編 第15巻. 名古屋市教育委員会, 1967.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I001442593-00 (1101475423) -
【資料4】新修名古屋市史編集委員会 編 , 名古屋市. 新修名古屋市史 第5巻. 名古屋市, 2000.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002937641-00 (1107900937) -
【資料5】名古屋市教育委員会/編集 , 名古屋市教育委員会. 名古屋叢書 [正編] 第21巻. 名古屋市教育委員会, 1961.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I011870982-00 (1101476117) -
【資料6】名古屋市教育委員会/編集 , 名古屋市教育委員会. 名古屋叢書 [正編] 第20巻. 名古屋市教育委員会, 1961.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I011870981-00 (1101476108) -
【資料7】新修名古屋市史資料編編集委員会 編 , 名古屋市. 新修名古屋市史 資料編 近世 1. 名古屋市, 2007.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008569891-00 , ISBN 9784903305011 (1109200956)
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【資料1】名古屋市博物館/編集 , 名古屋市博物館. 名古屋城を記録せよ! : 名古屋城百科『金城温古録』の誕生. 名古屋市博物館, 2008.
- キーワード
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- 奥村定
- 奥村友次郎
- 奥村儔次
- 金城温古録
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000143579