レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/10/20
- 登録日時
- 2021/11/03 00:30
- 更新日時
- 2021/11/03 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-210120
- 質問
-
解決
1 留守氏(伊沢家景を初代とする)の家紋が知りたい。
2 余目氏(留守氏三代家広の庶子家政を祖とする)の家紋が知りたい。(留守氏と余目氏の家紋が同じかどうか知りたい)
- 回答
-
1 留守氏(伊沢家景を初代とする)の家紋について
下記資料に「留守氏の家紋」に関する記載がありました。
資料1 〔仙臺武鑑〕 写本 1册 20.7cm 天明寛政間の武鑑か(『宮城県図書和古書目録』1400,【KM280/セ11】)
※複写複製本の中に「伊達将監 要害地 伊澤郡水沢」の掲載がありました。家紋は「竹に雀」「三つ巴」「竪三つ引き両」が掲載されています。
資料2 水沢市立図書館編『留守家旧臣名簿』水沢市立図書館, 1971【K280/ル1/1】
※表紙に「五七桐紋」の図の掲載があります。
資料3 水沢市立図書館編『留守家旧臣名簿 第2集』水沢市立図書館, 1973【K280/ル1/2】
※表紙に「菊桐紋」の図の掲載があります。
資料4 水沢市立図書館編『留守家旧臣名簿 第3集』水沢市立図書館, 1974【K280/ル1/3】
※表紙に「竪三つ引紋」の図の掲載があります。
資料5 水沢市史編纂委員会編『水沢市史 2 中世』水沢市史刊行会, 1976【K273/ミ1/2】
pp.440-441「後編 中世の留守氏」-「第一章 陸奥国留守職伊沢家景(留守氏初代)」-「第三節 伊沢家景の出自」-「第二 家景の出自」-「二 余目氏家譜の説」の項
「(前略)『余目氏家譜』によって家景の出自をみよう。この家譜は近世の余目氏によって作成されたものであるが,延宝五年(一六七七)留守家臣佐藤道豫によって作成された『留守氏家譜』の典拠になったものと思われる。」と記述があり,また道兼から家景までの系譜の掲載があります。「道兼-兼隆-兼房-兼仲-兼信-家景」
「(前略)兼信立ちて家景を生む。兼信本姓に還る。兼仲弟あり,宗円という。宇都宮座主也。後還俗す。是れ宇都宮の祖也。故に家紋三頭左巴は留守と宇都宮これを用う。昔日天子桐と菊の紋ならびに紫の旗を関白道兼公に賜う。爾来当家これを伝う。(後略)」
p.442「三 留守氏家譜の説」の項
「(前略)家景 伊沢四郎 左近将監 天児屋根命二十一代大織冠鎌足公十三代粟田関白道兼公十六代後裔従五位上左馬頭兼信の男也。兼信は平貞季の四男にして十五代従四位下左少将兼仲の養子となり,系を続いで家景を生む。兼信後本姓に還り,兼季を生む。兼仲の弟宇都宮座主宗円後還俗す。是れ宇都宮の祖也。家景,宗円は同宗の流れなり。故に三頭左巴紋両家これを用う。留守家の旗,総紫地なり。関白道兼公,桐菊の御紋并びに紫地の御旗,天子より拝領し,当家これを相伝う。」
p.450「八 まとめ」の項
「われわれが注目しなければならないのは,伊沢氏=留守氏が藤原姓であること,天皇から賜わったという桐菊の紋と紫旗がこの家に代々世襲されたこと,(後略)」
資料6 利府町誌編纂委員会編『利府町誌』宮城県利府町, 1986【K223.3/リ2】
pp.94-99「第三章 中世の利府」-「第一節 鎌倉時代の利府」-「五,伊沢家景の出自」の項
※前掲資料5「水沢市史第二巻」中の略述として「余目氏家譜」,「留守氏家譜」の抄録(前掲資料5と同文)があります。
資料7 岩手日報社出版部編集『近世・近代をたどる』岩手日報社, 2002【K702/キン2002.9】
pp.68-116「留守家の文物」の項
p.72「采配・合印・ゲーベル銃 戊辰戦争時に使用」の項の画像に,「合印。留守家の家紋,左巴が朱で描かれている。」とのキャプションがあります。
p.73「水沢城釘隠しと留守家旧蔵「三宝」 伊達ゆかりの紋」の項の画像に,「留守家の家紋の一つ「縦三ツ引紋」が付いた水沢城釘隠し。(以下略)」,「十六菊紋が施されている三宝。(以下略)」とのキャプションがあります。
また,「(前略)「三宝」には,「五七桐紋」が描かれている。(中略)この三宝の両脇には「十六菊紋」が施されている。」との解説があります。
p.77「家紋蒔絵三つ組膳椀」の項の画像に,「留守家の五七桐など定紋が金蒔絵で描かれている家紋蒔絵三ツ組膳椀。」とのキャプションがあります。また,「(前略)椀の一組には左三ツ巴が,他の二組と膳部の四方縁には十六花弁菊・五七桐・竹に雀という留守家の定紋が金蒔絵で描かれている。留守家の家紋としては他に菊桐比翼・九条藤・引両・九曜などがある。」との解説があります。
p.83「留守家家紋入り空穂 矢を入れ腰に装着」の項の画像に,「留守家の家紋「縦三ツ引両」が金塗りされた空穂。」とのキャプションがあります。また,「(前略)穂の部分に留守家の家紋「縦三ツ引両」を金塗りしている。(中略)この家紋は文禄元(一五九二)年の朝鮮出兵で留守政景が伊達姓を許されてから留守家が「竹に雀」「九曜」とともに使用した紋である。」との解説があります。
資料8 千鹿野茂『都道府県別姓氏家紋大事典 東日本編』柏書房, 2004【288.6/2004.6/1R】
「岩手県の家紋」-「岩手県姓氏家紋早見表」の項
p.123「名字・ふりがな 留守 るす / 家紋名 左三つ巴 / 出自 留守氏族」
2 余目氏(留守氏三代家広の庶子家政を祖とする)の家紋について
下記資料に,「余目氏の家紋」に関する記述がありました。
前掲資料3 水沢市立図書館編『留守家旧臣名簿 第2集』水沢市立図書館, 1973【K280/ル1/2】 ※表紙に「菊桐紋」の図の掲載があります。
p.48「註一 表紙の紋章は留守家が,白河上皇当時朝廷から賜ったという菊桐の紋である。中世末,伊達政宗の叔父政景が米沢から留守家へ強行入嗣したとき,留守氏正統の満家は余目の邑に隠退し,のち余目姓を名乗ったが,家紋は引続き菊桐の紋を使っている。留守政景は秀吉によって利府城や所領を没収されたので,甥の政宗の旗下に入り,その一門として,以後は伊達姓となり家紋も伊達家の両引きなどを使うようになった。だから正確には留守家旧臣というのは間違いである。明治五年に戸籍法が定められたとき,再び由緒ある留守姓に戻ったのであるが,留守氏の血統は余目氏に引つがれている。現在の後藤伯記念公民館は余目氏の屋敷跡であるが,余目の門の扉にはこの菊桐の紋と三ツ巴の紋の金具が打付けてあった。(小幡茂氏提供)」
前掲資料8 千鹿野茂『都道府県別姓氏家紋大事典 東日本編』柏書房, 2004【288.6/2004.6/1R】
「岩手県の家紋」-「岩手県姓氏家紋早見表」の項
p.97「名字・ふりがな余目あまるめ / 家紋名 左三つ巴 ・丸に菊桐/ 出自 留守氏族」
なお,下記資料にあたりましたが,「留守氏と余目氏の家紋」に関連する記載は見あたりませんでした。
資料9 『仙台叢書 第8巻』宝文堂出版販売, 1972【K081/セ1-2/8】
資料10 水沢市立図書館編『解説中世留守家文書』水沢市教育委員会, 1979【K204/ミ3】
資料11 山本大,小和田哲男編『戦国大名系譜人名事典 東国編』新人物往来社, 1985【281.03/セ4/1】
資料12 岩手県教育会胆沢郡部会『胆沢郡誌』臨川書店, 1986【K273/イ3-2】
資料13 家臣人名事典編纂委員会編『三百藩家臣人名事典 1』 新人物往来社, 1987【281.03/1987.Z/1R】
資料14 水沢市史編纂委員会編『水沢市史 7 資料編』水沢市史刊行会, 1993.【K273/ミ1/7】
資料15 『角川日本姓氏歴史人物大辞典 4』角川書店, 1994【K288/カ9】 宮城県
資料16 『角川日本姓氏歴史人物大辞典 3』角川書店, 1998【288.1/カ1/3R】 岩手県
資料17 仙台市史編さん委員会編『仙台市史 通史編2』仙台市, 2000【K225/セ1-13/2】
資料18 本田勇編著『史料仙台伊達氏家臣団事典』本田勇, 2003【K288/2003.2】
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 系譜.家史.皇室 (288 9版)
- 参考資料
-
- [水沢市立図書館/編]. 留守家旧臣名簿. 水沢市立図書館, 1971.1【K280/ル1/1】:
- [水沢市立図書館/編]. 留守家旧臣名簿 第2集. 水沢市立図書館, 1973.1【K280/ル1/2】:48,表紙
- [水沢市立図書館/編]. 留守家旧臣名簿 第3集. 水沢市立図書館, 1974.2【K280/ル1/3】:1
- 水沢市史編纂委員会/編. 水沢市史 2 中世. 水沢市史刊行会, 1976【K273/ミ1/ウ2】:450,442
- 利府町誌編纂委員会/編. 利府町誌. 宮城県利府町, 1986【K223.3/リ2】:
- 岩手日報社出版部∥編集. 近世・近代をたどる. 岩手日報社, 2002.9【K702/キン2002.9】:73,77,83
- 千鹿野/茂∥著. 都道府県別姓氏家紋大事典 東日本編. 柏書房, 2004.6【288.6/2004.6/1R】:
- . 仙台叢書 第8巻. 宝文堂出版販売, 1972.2【K081/セ1-2/イ8】:19-40
- 水沢市立図書館/編. 解説中世留守家文書. 水沢市教育委員会, 1979【K204/ミ3】:
- 山本大, 小和田哲男/編. 戦国大名系譜人名事典 東国編. 新人物往来社, 1985.11【281.03/セ4/1】:50-53
- 岩手県教育会胆沢郡部会. 胆沢郡誌. 臨川書店, 1986【K273/イ3-2】:
- 家臣人名事典編纂委員会/編. 三百藩家臣人名事典 1. 新人物往来社, 1987.12【281.03/1987.Z/1R】:167-168
- 水沢市史編纂委員会/編. 水沢市史 7 資料編. 水沢市史刊行会, 1993.3【K273/ミ1/イ7】:
- . 角川日本姓氏歴史人物大辞典 4. 角川書店, 1994.7【K288/カ9/イ】:933-934,453-454
- . 角川日本姓氏歴史人物大辞典 3. 角川書店, 1998.5【288.1/カ1/3R】:
- 仙台市史編さん委員会/編. 仙台市史 通史編2. 仙台市, 2000.3【K225/セ1-13/オ2】:pp.224-233
- 本田 勇/編著. 史料仙台伊達氏家臣団事典. 本田勇, 2003.2【K288/2003.2】:27-35
- キーワード
-
- 家紋
- 伊沢家景
- 留守氏三代家広の庶子家政
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000307050