レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/6/11
- 登録日時
- 2021/09/11 00:30
- 更新日時
- 2021/09/11 00:30
- 管理番号
- 滋2021-0008
- 質問
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解決
滋賀県神社庁HPの黒田神社のサイト(注1)に、「近江源氏と称した佐佐木氏の後裔左衛尉源宗清公当地を領し姓を地名に採って黒田氏と称し」とあるが、このことについて書かれた資料が知りたい。
※注1 http://www.shiga-jinjacho.jp/ycBBS/Board.cgi/02_jinja_db/db/ycDB_02jinja-pc-detail.html?mode:view=1&view:oid=1251 (2021年8月14日現在)
- 回答
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このことについて、次の資料に書かれています。
1.『近江源氏』第3巻
「江戸時代、九州の筑前国福岡で、52万3余千石を領した黒田氏も、その出自は近江源氏の系流である。/その元祖は佐々木第11代近江守信綱の4男氏信に発している。(略)その子満信の二男左衛門尉宗満(あるいは宗清とも云う)が鎌倉時代の末、近江国伊香郡黒田村(※現・長浜市木之本町黒田―引用者註)……(略)に住したことから、地名をとって氏とし、黒田判官を称したのがはじまりという。」
2.『戦国大名系譜人名事典 西国編』の項目「黒田氏」
「宇多源氏佐々木氏の一族といわれるが、確実な根拠はない。鎌倉時代前期の在郷御家人である京極満信の次男宗満が近江黒田村(滋賀県伊香郡木之本町黒田)に住し、初めて黒田氏を称したという。」
3.『黒田如水』小和田哲男著
「なお、黒田家苗字の地については、近江の黒田とするのが通説となっているが、他に、播磨の黒田(兵庫県西脇市黒田)とする異説のあることも付記しておく。」
4.『近江伊香郡志』(下巻)」
「元弘3年六波羅滅亡の後、佐々木判官伊香郡黒田の郷に逃れ来り、此地に土着して世々豪族たり。木之本町大字黒田穂先谷観音堂の境内に、年経りたる二基の宝篋印塔ならびたてるにあり、世俗相伝えて穂先長者の墓なりという。この穂先長者とは宗清のことならんか。/黒田家系譜に曰く、黒田氏は元宇多源氏にして佐々木氏の庶流たり。京極佐渡守満信が二男、左衛門尉宗清(或は宗満)伊香郡黒田村に移り、奕世この世に住して黒田氏を称す。宗清正平12年(北朝延分2年)を以て黒田村に没す。年七十九、……(略)」(※「延分」は原文ママ―引用者註)
5.『み~な』(vol.119 特集:半兵衛・官兵衛)※滋賀県長浜市が発行する雑誌
『黒田家発祥の地』黒田郷(長浜市木之本町黒田)」 郷土史家・西川興史雄氏のインタビュー
「西川さんは「黒田には、黒田家始祖であり佐々木源氏の流れをくむ源宗清から官兵衛の曽祖父にあたる六代目高政の代まで居住していたとの伝承があったのですが、確証はなかったのです」と言う。……(略)/しかし、昭和48年の集会所改築工事中に「源宗清」と名を刻まれた御影石が見つかった。黒田家は佐々木源氏一族であり、初代である宗満の別名が宗清であることにより『黒田家譜』の記述と一致する。そこで、当時の黒田家当主であった14代長禮氏が石堂を造り祀るように依頼し、現在の地に御廟所が造られた。/西川さんは「黒田氏の御子孫が認めた。黒田家発祥の地は此処です」と話す。」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 個人伝記 (289 8版)
- 参考資料
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- 1 滋賀県神社誌 滋賀県神社庁∥編 滋賀県神社誌編纂委員会 1987年 S-1700- 87 pp.546-547((HP記載内容と同一。ただし神社庁のホームページ記載文には誤植あり。×直径 ○直系)))
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2 近江源氏 第3巻 佐々木氏の支流・分流 田中政三∥著 弘文堂書店 1982年 S-2800-3 p.269、p.273(黒田氏略系図) -
3 戦国大名系譜人名事典 西国編 山本大∥編 小和田哲男∥編 新人物往来社 1986年 S-2800-2 pp.551-555 -
4 黒田如水 小和田哲男∥著 ミネルヴァ書房 2012.1 5-2861- 12 pp.4-5 -
5 寛政重修諸家譜 第7 続群書類従完成会 1965年 R-2882-7 pp.200-201「黒田 左衛門尉宗満或いは宗清 近江国伊香郡黒田邑に住せしより、はじめて黒田を称し……(略)」とあり。 -
6 みーな -びわ湖から- 通巻119号 長浜みーな協会 P 特集「半兵衛官兵衛 秀吉を動かした二人の軍師」 -
7 近江伊香郡志 下巻 伊香郡郷土史編纂会∥編 名著出版 1972年 S-2170-3 pp.526-528 -
8 滋賀県伊香郡誌 伊香郡教育會∥編輯 伊香郡教育會 1903年 5-2170- 03 pp.259-260「穂先長者墓」の項「……(略)黒田系図に曰く……(略)」 -
9 近江輿地志略 全 寒川辰清∥著 宇野健一∥改訂校註 弘文堂書店 1976年 L-2900-734 p.1057「黒田村 穂先長者墓」の項「……(略)此墓姓名も見えず不審し、黒田宗清の墓ともきめ難し」 -
10 国史大系 60(上) 尊卑分脈(第3篇) 黒板勝美∥編輯 国史大系編修会∥編輯 吉川弘文館 1966年 R-2882-3 p.431「宗満、高満、宗信、高教、高宗」の名あり。
- キーワード
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- 源宗清
- 黒田宗清
- 黒田
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000304537