レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年05月30日
- 登録日時
- 2021/06/22 10:53
- 更新日時
- 2021/07/29 13:01
- 管理番号
- 相‐210001
- 質問
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解決
「花」といえば現代では「桜」を指すが、昔は「梅」だった。いつの時代から、どのような理由で変わったのか知りたい。
- 回答
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・『梅』有岡利幸 法政大学出版局 1999には、
「『万葉集』では「花」と歌われていた梅も、平安前期では「花」といえば桜花を指す」(p.v)とあります。
・『花』西山松之助 法政大学出版局 1978には、
「元来花見は、日本の農耕生活に結びついた桜の花の花しずめに発したもので、人びとの生活に根ざした宗教儀礼でもあった。(中略)このような民俗的行事が、中国文化に触発されて、宮廷の花宴になり、さらに一般的なあそびになっていった。」(p.15)とあります。
「梅の花は、当時(※奈良時代)の花の世界に主役として割り込み、伝統的な花の序列や価値観に動揺を与えた代表的なものだろう」(p.129-130)とあります。
『古今集』では、梅より桜が詠まれることが多くなる。宮廷貴族の文化生活のなかで季節感が誕生した。桜は何よりも美しい花として鑑賞されるようになり、御所の庭の梅が桜に植えかえられた、といったことが書かれています。(p.245-247)
・『植物と日本文化』斎藤正二 八坂書房 1979
p20~「梅」の章では日本における梅の受容の様子、p39~「桜」の章ではサクラと日本人の結びつきについて歴史的な経緯が書かれています。
- 回答プロセス
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WEBOPAC「キーワード:花 文化」で検索すると『花 美への行動と日本文化 NHKブックス 328』がヒット。
WEBOPAC「キーワード:桜 文化」で検索すると『桜 2 ものと人間の文化史 137-2』がヒット。同シリーズに「梅」もあることがわかる。
WEBOPAC「キーワード:植物 日本 文化」で検索すると『植物と日本文化』がヒット。
- 事前調査事項
- NDC
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- 果樹園芸 (625)
- 論文集.評論集.講演集 (704)
- 日本文学 (910)
- 参考資料
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有岡利幸 著 , 有岡, 利幸, 1937-. 梅 1. 法政大学出版局, 1999. (ものと人間の文化史 ; 92-1)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002839386-00 , ISBN 4588209213 -
西山松之助著 , 西山, 松之助. 花 : 美への行動と日本文化. 日本放送出版協会, 1978. (NHKブックス, 328)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I005629409-00 -
斎藤正二 著 , 斎藤, 正二, 1925-. 植物と日本文化. 八坂書房, 1979. (植物と文化双書)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001442932-00
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有岡利幸 著 , 有岡, 利幸, 1937-. 梅 1. 法政大学出版局, 1999. (ものと人間の文化史 ; 92-1)
- キーワード
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- 梅
- 花(美術上)
- 花(文学上)
- 植物(文学上)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000300572