レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2006/11/29
- 登録日時
- 2007/08/04 02:10
- 更新日時
- 2012/03/21 16:55
- 管理番号
- B2006M1523
- 質問
-
解決
24時、0時の使い方の違いについて調査をお願いしたい。
- 回答
-
ご照会の「時間で24時、0時の使い方の違いについて」
1 法律の側面から
2 規格(工業規格)の側面から
3 関連インターネット情報
の順で回答いたします。
1 法律の側面から
日本の時刻表示を定めた法律の「改暦ノ詔書並太陽暦頒布(明治5年11月9日太政官布告第337号」では、1日は24時と定めていますが、当館の近代デジタルライブラリーの『太政官布告.明治5年』に掲載の時刻表(http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=72010904&VOL_NUM=00003&KOMA=68&ITYPE=0 )
に「午前零時即午後十二時」とあるように、24時間制での時刻の表記は定めていません。
2 規格(工業規格)の側面から
コンピュータなどの情報交換におけるデータの構成要素として時刻を表記する場合は、24時間制で表示することが国際的に定められています。日本では、国際標準化機構(ISO)が定めた規格に対応した日本工業規格(JIS規格)で定めています。
日本規格協会のJSA Web Store(http://www.webstore.jsa.or.jp/webstore/top/index.jsp )によれば、このJIS規格の書誌的情報は以下のとおりです。
規格番号:JIS X 0301:2002
標題:情報交換のためのデータ要素及び交換形式 - 日付及び時刻の表記
英訳標題:Data elements and interchange formats - Information interchange
- Representation of dates and times
状態:有効
規格概要:西暦及び元号による年並びにグレゴリオ暦による月日で表す日付、時刻及び期間の
表し方について規定。
制定年月日:1970-04-01
改正年月日:2002-08-20
確認年月日:1997-06-20
公示の種類:改正
出版年月日:2002-08-31
引用JIS規格:X0201 , Z8202-0 , Z8202-1
引用国際規格:ISO 31-0:1992 , ISO 31-1:1992 , ISO/IEC 646:1991 ,
ITU-R TF.460-5 , ITU-R TF.686
ハンドブック:標準化:2006
情報基本:2006
原案作成団体:日本規格協会
対応国際規格:ISO 8601:2000 (MOD)
ページ数:28頁
このJIS規格(JIS X 0301:2002 )では、0時と24時はいずれを用いてもよい、としていますが、「時」の表記を「24」にするのは「時間間隔の終点を表記する場合だけに限るのが望ましい」とも記述しています。
また、「この規格は、情報交換において構成要素として日付及び時刻を表す場合に適用し、文章又は言葉を使って日付及び時刻を表す場合には適用しない。」ともありました。
JIS X 0301:2002から、関係する箇所を以下に引用いたします。
「序文」には、「この規格は、2000年に第2版として発行されたISO 8601, Data elements and interchange formats - Information interchange - Representation of dates and times を翻訳し、技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。」とあります。
「5.3.2 夜の12時 5.3.1の規定によって、夜の12時は、次の二つのいずれかによって表記する。
基本形式 拡張形式
a) 000000 00:00:00 (一日の始まり)
b) 240000 24:00:00 (一日の終わり)
(中略)
備考1. 夜の12時は、普通[0000]又は、[2400]と表記する。
備考2. 表記のa)又はb)の選択は、日付又は時間間隔との関連による。表記[hh]の値を[24]にするのは、5.5.1によって、時間間隔の終点を表記する場合だけに限るのが望ましい。
備考3. 一日の終わりの[2400]は、次の日の始まり[0000]と同一とする。
(中略)
日付又は期間に関係がない場合、a)及びb)は、24時制における同じ時刻を表す。」
また、「序文」には1日24時制と適用の範囲について、以下のように記載されています。
「1.適用範囲
d) 1日24時制に基づいて表す時刻
参考 日本においては、1日を24時間とし、午前0時から12時と午後1時から12時とに分けることが法的に定まっている。ただし、この規格では、情報交換とその処理のため24時間制を使用するものとして規定している [参考法令 太政官達第337号(明治5年11月9日)]」
「h) 反復時間間隔
この規格は、情報交換において構成要素として日付及び時刻を表す場合に適用し、文章又は言葉を使って日付及び時刻を表す場合には適用しない。」
JIS X 0301:2002の本文は、下記(1)~(4)に収載されています。
(1)『JISハンドブック:標準化.2006』 日本規格協会編 日本規格協会 2006 1546p (当館請求記号:M361-H705)
JIS X 0301:2002の収載ページはpp.952-970(うち、上記の「5.3.2」の引用箇所はp.962)
(2)『JISハンドブック:情報基本.2006』 日本規格協会編 日本規格協会 2006 2517p (当館請求記号:M361-H734)
JIS X 0301:2002の収載ページはpp.1183-1205(うち、上記の「5.3.2」の引用箇所はp.1196)
(3) JIS規格票(当館関西館所蔵)
タイトル:日本工業規格(JIS)
当館請求記号:M/JIS X 0301:2002
(4) 日本工業標準調査会ホームページ(http://www.jisc.go.jp/ )
JIS規格の全文(PDFファイル)が提供されており、閲覧のみ可能です。
<操作手順>
1)データベース検索で「JIS検索」をクリック
2)JIS検索画面を表示
「JIS規格番号からJISを検索」のウィンドウに「X0301」を入力し、「一覧表示」をクリック
3)JISリストの表示
規格番号「JISX0301」をクリック
4)規格の閲覧「PDF」をクリック
「5.3.2」は、19/30ページ(本文14ページ)に掲載されています。
3 関連インターネット情報
インターネットでは、「日付および時刻の国際標準表記法 要約 マルクス・クーン(Markus Kuhn) 著 」のページ(http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/1646/roomazi/date-time-uni.html )
に時刻の国際標準表記法が解説されています。
原文(http://www.cl.cam.ac.uk/~mgk25/iso-time.html)の著者であるMarkus Kuhn氏のホームページ(http://www.cl.cam.ac.uk/~mgk25/ )によれば、Markus Kuhn氏はケンブリッジ大学のComputer Laboratoryに籍を置く研究者のようです。
インターネットの最終アクセス日は2006年11月27日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 時法.暦学 (449 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 時刻
- 24時
- 0時
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 公共図書館
- 登録番号
- 1000036393