レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2022/03/02 18:33
- 更新日時
- 2022/03/20 17:50
- 管理番号
- 2022-事例13
- 質問
-
解決
朝日新聞「天声人語」で夜にセミが鳴くという現象について
書かれていた。記事では2005 年の週刊朝日の記事を引用して、「夜も気温が下がらなくなったがゆえの珍現象」であると書いてあるが、そうしたセミの習性が書かれた本はないか。
- 回答
-
『セミの自然誌』によると、「ニイニイゼミ」は鳴き始めと鳴き終わりを明るさによって規制しているが、日中の明るさの変化には影響されない。「クマゼミ」は体温変化との関連が強く、「ツクツクボウシ」は朝体温が低いうちは体温が発音活動の要因となり、体温が最高になり横ばいが続くと、発音活動の主要因が明るさへと変わるとある。
また、『セミの一生』p50 に「セミが鳴く時間は、しゅるいによってちがいます。大きくわけると、午前型、午後型、朝夕型、そして終日(1 日じゅう)型です。(中略)こういう型ができるのは、なくのにてきした温度とか日の照りぐあいがしゅるいによってちがうから
だと考えられています。セミは明るさや気温のへんかにたいへんびんかんなのでこの型がくずれることもあります。」との記載があった。さらに、このように変化するのは、セミが変温動物であり、外気温によって体温が変わるためであるとの記述もあった。
- 回答プロセス
-
『世界大百科事典』や『日本大百科全書』には、鳴く習性について「日周性がある」旨の記述があるのみで、気温との関連については書かれていなかったため、セミの生態について詳述している資料を複数当たった。
『セミの生態と観察』を確認したところ、観察法に特化しており、習性への直接の記述はなかった。『セミの自然誌』には「セミの鳴く時刻」の項があり、p58-p66 にセミの種類ごとに発音活動について記載があった。また、より分かりやすいものをとのことで、児童書を当たった。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 昆虫類 (486)
- 日本語 (031)
- 参考資料
-
- 『セミの自然誌』 中尾 舜一/著 中央公論社 1990 年
- 『セミの一生』 佐藤 有恒/写真 橋本 洽二/文 あかね書房 2005 年
- 『セミの生態と観察』 橋本 洽二/著 ニュー・サイエンス社 1984 年
- 『世界大百科事典 15』 平凡社 2007 年
- 『日本大百科全書 13』 小学館 1994 年
- キーワード
-
- セミ
- 夜間
- 昆虫
- 鳴き声
- 変温動物
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000312958