レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年06月17日
- 登録日時
- 2022/10/27 18:42
- 更新日時
- 2022/11/10 18:41
- 管理番号
- 大分県立郷土-2022-007
- 質問
-
解決
瀬戸内海沿岸部地域に伝わる「さつま」という料理について、
1. いつ頃から食べられているか
2. 「さつま」という料理名の由来は何か
について、確認できる文献が知りたい。
- 回答
-
●1. の質問について
いつ頃から食べられたかわからないとある資料や、佐伯藩の武士が伊予から聞いて以来戦時の非常食として食べられたと書かれているものがある。下記の資料を紹介。
【1】『〔大分女子短期大学〕研究紀要 第1(昭和44.4)〜2号(昭和45.4)』大分女子短期大学/編 大分女子短期大学 1969年
第1号p49~57 西沢照他著「大分県における郷土料理の調査研究(第1報) 佐伯市並びに周辺地域における『佐伯さつま』について」
p50~51「由来」
本山荻舟著『飲食事典』に、佐伯さつまについて記載がある旨が書かれている。また、下記のような記述がある。
“「佐伯さつま」はいつ頃つくられたのか、その起源は明らかではない。またどこで、だれが
つくりだしたのか、文献をさがしてみるが判明しない”
【2】『飲食事典』本山荻舟/著 平凡社 1960年
p239「さつま」
【1】の資料で引用されていた資料。
【3】『郷土料理とおいしい旅 19 熊本・大分・宮崎・鹿児島』朝日新聞社/編 朝日新聞社 1985年
p38-39「10 さつま」
佐伯藩の武士が伊予から聞き帰り、以後戦時の非常食として食べたという説があると述べられている。
【4】『ふるさとの味』大分県生活改善連絡協議会/編 大分県生活改善連絡協議会 1975年
p25「さつま」
藩政時代のある武士が伊予からさつまのことを聞き、以後戦時の非常食としてつくられた旨の記述がある。さつまの作り方についても載っている。
●2.の質問について
前述の【1】~【3】の資料と、下記の資料【5】【6】に記載がある。
【1】『〔大分女子短期大学〕研究紀要 第1(昭和44.4)〜2号(昭和45.4)』
p51
【2】『飲食事典』に「かきまわすと生ぬるくなるので、客は箸で十文字にはさみ、熱いところを賞味するのが本格とされ、丸に十字の紋所から「さつま」とよばれたという。」と書かれているという記述がある。
【2】『飲食事典』
p239「さつま」
【1】に引用があるとおり。
【3】『郷土料理とおいしい旅 19 熊本・大分・宮崎・鹿児島』
p38-39「10 さつま」
箸で十文字に挟んで食べたことから薩摩藩の紋が連想され、さつまとよばれたともいわれる旨がある。
【5】『あまべの郷土料理 伝えたいふるさとの味』佐伯市あまべ商工会女性部/〔編〕 佐伯市あまべ商工会女性部 〔2022〕
p9「あまべの郷土料理7 佐伯さつま」
下記ウェブサイトでPDF版が公開されているため紹介。
あまべの郷土料理レシピ集(佐伯市あまべ商工会女性部)
https://r.goope.jp/srb-44-27/free/amabe_racipe
【6】『日本の味探究事典』岡田哲/編 東京堂出版 1996年
p127「さつま薩摩(大分)」
箸で十文字に挟んで食べたことから薩摩藩の紋が連想され、さつまとよばれたともいわれる旨がある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
香川県立図書館には同様の内容を照会し、
1. いつ頃から食べられているかを確認できる資料は見当たらない
2. 「薩摩の国から伝わったとも、夫が妻を助けて作るからとも言われる。」と『愛媛県百科大事典 上』にある。
との回答を得ている。
- NDC
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- 食品.料理 (596 10版)
- 衣食住の習俗 (383 10版)
- 参考資料
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【1】大分女子短期大学 編 , 大分女子短期大学. 〔大分女子短期大学〕研究紀要 第1(昭和44.4)〜2号(昭和45.4). 大分女子短期大学.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I087340678-00 -
【2】本山荻舟 著 , 本山, 荻舟(1881-1958). 飲食事典. 平凡社, 1960.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I087351127-00 -
【3】朝日新聞社 編. 郷土料理とおいしい旅 19 (熊本・大分・宮崎・鹿児島). 朝日新聞社, 1985.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001723341-00 , ISBN 4023301698 -
【4】大分県生活改善連絡協議会 編 , 大分県生活改善連絡協議会. ふるさとの味. 大分県生活改善連絡協議会, 1975.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I087265957-00 -
【5】佐伯市あまべ商工会女性部 〔編〕 , 佐伯市あまべ商工会. あまべの郷土料理 : 伝えたいふるさとの味. 佐伯市あまべ商工会女性部, 2022.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I112532474-00 -
【6】岡田哲 編 , 岡田, 哲, 1931-. 日本の味探究事典. 東京堂出版, 1996.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002480794-00 , ISBN 4490104103
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【1】大分女子短期大学 編 , 大分女子短期大学. 〔大分女子短期大学〕研究紀要 第1(昭和44.4)〜2号(昭和45.4). 大分女子短期大学.
- キーワード
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- 日本料理
- 大分県
- 佐伯市
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000323122