レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008年08月25日
- 登録日時
- 2008/09/09 12:01
- 更新日時
- 2008/09/09 12:01
- 管理番号
- 福若-2008-0825
- 質問
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解決
中国の歴史書「晋書(しんじょ)」の中の「束晳伝(そくせきでん)」和訳本を見たい。なければ漢文のものでよい。
- 回答
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「晋書」の日本語訳は「中国古典新書」ほかに部分訳があるが、「束晳伝」の部分はない。
漢文のものは、日本発行・中国発行のもので数種類確認できる。
- 回答プロセス
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① 自館で「晋書」で検索 → 2件の部分訳本あり。
・『晋書』(中国古典新書) 越智重明著1984 (082/チ/38)
・『世界の名著』続1 中国の科学1980 (082/セ/2-1):「晋書天文志」所収
*なお、ネット上では個人のサイト等でいくつか「晋書」の翻訳を進めているものも発見できるが、いずれも「帝紀」のあたりのみで、
「列伝」の部分を翻訳 しているものは確認できない。これらのサイト等に「晋書」の全訳がないことの記載多数。
また、都立中央図書館 の事例(都立図事-2004001547)にも全巻の和訳はないとの記載あり。
原書である「晋書」自体は、本館(福井県立図)で以下の2種類ほかを所蔵。
・『晋書』(和刻本正史) 古典研究会 1971 全3冊
・『晋書』中華書局(北京) 1974 全10冊
② 上の2種類を取り寄せて「束晳伝」の部分を調べる。
→ 「束晳伝」は、「晋書」の第51巻(列伝の第21巻)に含まれていて、「一挙両得」が出てくるのは、次の部分。
:又昔魏氏徒三郡人在陽平頓丘界、今者繁盛、合五六千家。二郡田地逼狭、謂可徒還西州、以充辺土、賜其十年之復、以慰重遷之情。
一挙両得、外実内寛、増広窮人之業、以闢西郊之田、此又農事之大益也。
*故事成語のサイトで、ここの部分の意味がでているものあり。
:武帝・恵帝の時代の束晳が農業政策について進言した。「人口に比べて耕地が狭く、人々には仕事がありません。
昔、魏氏は人々を西の方に移住させて辺境の地を充実させました。これこそ一つの事をして二つの利益を得ることです。」
晋は民を移住させ農地の拡大をはかった。 (「故事成語 あ行」 http://www18.ocn.ne.jp/~kuniko/a.html 2008/9/9確認)
③ その他、故事成語や四字熟語の事典等で「一挙両得」を調べる。
→ 「晋書 束晳伝」「東観漢紀」等を出典としてあげるだけで、言葉の成立の由来について書いてあるものは確認できなかった。
- 事前調査事項
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故事成語「一挙両得」の由来が「晋書」の中の「束晳伝(そくせきでん)」に出ているらしい(『中国ことわざ話題事典』ぎょうせい 1993 p89より)。その原文と日本語訳を読みたい。
- NDC
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- 中国 (222 8版)
- 伝説.民話[昔話] (388 8版)
- 語彙 (824 8版)
- 参考資料
- キーワード
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- 晋書
- 束晳伝
- 一挙両得
- 故事成語
- 四字熟語
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000047198