レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/1/12
- 登録日時
- 2022/09/02 00:30
- 更新日時
- 2022/09/02 00:30
- 提供館
- 金沢市図書館 (2310230)
- 管理番号
- 泉野-503039
- 質問
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解決
【和食料理人の服装について】和食料理人が白衣の下にワイシャツ、ネクタイを着るようになったのはどこが発祥なのか。またいつごろから始まったのか。
- 回答
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○なだ万・吉兆説
Google検索で和食料理人、ワイシャツ、ネクタイで検索すると、老舗料亭なだ万、吉兆の料理人が着用し始めたとあったのでお伝えした。
https://tabelog.com/rvwr/00024408/diarydtl/151468/
吉兆の料理人として著名な湯木貞一氏(1901-1997)の画像を検索すると、白衣の下にネクタイを締めている姿が確認できる。
https://books.bunshun.jp/articles/-/2955
その他、テレビ出演の多い土井勝氏、神田川俊郎氏、道場六三郎氏も白衣の下にネクタイを締めている姿が確認できる。
https://www.nhk.or.jp/archives/hakkutsu/news/detail128.html
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210425/k10012997441000.html
土井勝氏は料理学校で講義をする時に「ネクタイを締め、白衣を着ている」と書いている。
『日本及日本人 1567号』 1982年7月 p.122-123「旅の心」 土井 勝/著
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3368342
『日本料理の探究』 柴田日本料理研鑽会/著 柴田書店 1993年(410052763)p.131「石川輝雄」(天?)、p.169「高橋英一」(瓢亭)、p.217「辻雅光」(中村楼)、p.263「中東吉次」(美山荘)、p.287「廣谷和仁」(ひろや)、p.299「村田吉弘」(菊乃井)はいずれも白衣の下にネクタイを締めた姿である(講習会向けか)。
『京料理のこころみ』 柴田日本料理研鑚会/著 柴田書店 1990年(410791581)p.104「高橋英一」、p.208「廣谷和仁」、p.250「石川輝雄」、p.297「辻雅光」、p.300「中東吉次」は白衣のみでネクタイなし、p.258「村田吉弘」は白衣の下にネクタイを締めている。
『よくわかる板前割烹の仕事 たん熊北店の全技法』 栗栖 正博/著 柴田書店 2007年(412812626)p.351「栗栖正博」、『京料理人、四百四十年の手間 「山ばな平八茶屋」の仕事』 園部 平八/著 岩波書店 2019年(414275749)の「園部平八」、『最後の料理人』 徳岡 孝二/著 飛鳥新社 2019年(414493372)の「徳岡孝二」(京都吉兆会長)は白衣の下にネクタイを締めている。
『美濃吉 京料理の装い』 佐竹 宰始/著 柴田書店 1992年(410194849)p.160「昭和初期の本店調理場」の料理人たちは白衣のみでネクタイを締めていない。
『京都吉兆』 日本語版 徳岡 邦夫/〔他〕著 講談社インターナショナル 2011年(413292665)p.170「徳岡邦夫」、『京味』 西 健一郎/著 NHK出版 2014年(413714586)p.3「西健一郎」、『最後の職人 池波正太郎が愛した近藤文夫』 中原 一歩/著 講談社 2013年(413903716)の「近藤文夫」は白衣のみでネクタイを締めていない。
○北大路魯山人説
レファレンス協同データベース(埼玉県立久喜図書館提供分)で「料理人の着る白衣が普及したのはいつごろか。」に星岡茶寮から白衣着用が広まったとあり、お伝えした。
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000054573
以下のホームページでも北大路魯山人の星岡茶寮が発祥と説明している。
「日本料理の板前が、ネクタイをしている風習を皆さんはどう思いますか? また、いつからの風習なのでしょうか? 」
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1114756896
「ユニフォーム屋の社長が語る―『ユニフォーム見聞録!』 ネクタイは身を守る?」というホームページで、『魯山人 味はひとなりこころなり』の引用として、「白い上着に白いズボン、足には白足袋というスタイルを料理人全員に義務付け、料理主任にはネクタイを着用させた」、「1925年に星岡茶寮を開いた時に、初代料理長 中島 貞治郎にネクタイを締めて包丁をにぎるように命じた」と書かれている。
https://myuni.exblog.jp/11274176/
『知られざる魯山人』 山田 和/著 文藝春秋 2011年(413478602)p.334に、星岡茶寮3代目板場主任の松浦沖太の言として「魯山人は、調理場の汚れがすぐわかるように料理人たちに白い清潔な上着に白いズボンを着せ、白足袋を履かせた(中略)そして板場主任にはネクタイを締めさせた」と書かれている。
『魯山人と星岡茶寮の料理』 柴田書店/著 柴田書店 2011年(511386264)p.112に「板場が板敷きで、一七、八人いた料理人が真っ白の帽子をかぶり、白衣にズボン、白足袋にスリッパで仕事をしていた」と書かれている。p.117に白衣の下にネクタイを締めた料理人の写真(昭和11~12年)が掲載されている。
『コスプレ』 三田村 蕗子/著 祥伝社 2008年(413010373)p.187-190「和食の板さんはなぜネクタイを締めるのか」でも北大路魯山人説が紹介されている。
○その他
『日本料理の真髄』 阿部 孤柳/〔著〕 講談社 2006年(412869763)p.172に「昔の関東の料理人は、仕事をするときは白衣に着替えました」「関西割烹の調理師は白衣に足駄というのがユニフォーム姿となっています」と書かれている。
『朝日新聞 1992年03月04日 兵庫版』「女性の板前さん次々誕生 「男社会」の日本料理店に」に「調理場では胸に店の屋号が入った白衣にネクタイ姿」と書かれている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 食品.料理 (596 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 料理人 板前 服装
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000320784