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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
県立長野図書館 (2110021)管理番号
(Control number)
県立長野-20-036
事例作成日
(Creation date)
2020年07月28日登録日時
(Registration date)
2020年07月22日 19時01分更新日時
(Last update)
2021年01月29日 10時43分
質問
(Question)
交通災害共済の歴史について知りたい。
回答
(Answer)
交通災害共済の制度は地方自治体が独自に始めた制度である。
昭和41年に埼玉県川口市で始まり、その後全国の自治体に波及したという経緯を持つ。昭和44年には、赤字となる自治体も目立つようになり、自治省が行政指導を行う自治体もあったことが伺える。

以下を資料として提示した。

1.交通災害共済の制度のはじまり
・「川口の交通災害共済制 きょうスタート」 「毎日新聞」昭和41年4月1日 朝刊 14p.
埼玉県川口市が独自に始めた際の新聞記事である。制度の実施を見合わせるように国の申し入れもあったことが書かれている。

この報道を受け、自動車損害賠償保障法の一部を改正する法律案の議題の中で、上記報道の「大蔵省は保険業法に触れるとして同制度の実施を見合わせるよう再三同市に申し入れていた」という部分について、発言番号80で質問が出ており、そこから答弁が続いている。各部局の担当者が発言しているため、2回にわたって議論があった。
第51回国会 衆議院 運輸委員会 第22号 昭和41年4月1日【最終確認日 2021/01/27】
第51回国会 衆議院 運輸委員会 第23号 昭和41年4月6日【最終確認日 2021/01/27】
・「交通災害共済 自衛する川口市民たち 全世帯の半数が加入 大蔵・自治省も反対から傍観へ」
 「朝日新聞」昭和41年5月16日 夕刊 8p.
 「発足に先立ち「保険業法違反の疑いが強いから中止を」と申入れた大蔵、自治省も形勢傍観のかたち」とあり、川口市の交通災害共済制度が軌道に乗った様子が報じられている。

2.交通災害共済の制度が全国に波及する
〇全国的な動き
・「地方報告 好評よそに冷たい政府 交通共済制度」
 「朝日新聞」昭和42年8月7日 朝刊 2p.
  書き出しに「交通災害共済制度を実施する自治体が急速にふえている」とあり、昭和41年8月1日の時点で41市が導入していること、また10月までに27市が導入予定、検討中の市が約90に上っているとの記述あり。

・「交通災害の共済制度 全国三百都市にひろがる 川口方式見舞いの名で“生活給”」
「読売新聞」昭和43年2月27日 朝刊14p.
昭和43年1月1日には全国で108の自治体が交通災害共済の制度を実施しており、200の都市が新年度から実施予定だということが報じられている。
また、自治体で設置していることから実施の方式も異なり、「市直営方式」、「一部組合方式」、「生活協同方式」、「損保方式」などに分けられる様子が報じられている。

・「交通災害共済 市町村ぞくぞく実施 広域の協議会も生れる」
「朝日新聞」昭和43年9月10日 夕刊 p.10
実施の方式について、こちらの記事では「直営方式」、「損保方式」、「生協方式」、「見舞金方式」の4方式を挙げている。

第58回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第6号 昭和43年4月4日【最終確認日 2021/01/27】
 「交通共済制度」の広がりを受け、国としてどうするのかを問われた、田中龍夫 国務大臣が「全国的に画一の制度とするということは、まだ考えておらないような状況でございます」と述べている。

〇長野県内の動き
・「広まる交通災害共済制度 すでに34市町村実施 自治省も積極的指導へ 県下では上田市で」
「信濃毎日新聞」昭和42年6月21日 夕刊 p.10
 記事中に「現在、県下で交通災害共済制度を実施しているのは上田市だけ」とあり、昭和42年4月から募集を始めたことが書かれている。上田市以外で実施を検討している自治体として長野、松本、飯田、小諸、佐久、諏訪、岡谷、須坂市が挙げられている。

3.交通災害共済が赤字となる自治体も出る
・「交通共済 三割は赤字団体 自治省掛金引上げ指導へ」 「朝日新聞」昭和44年12月22日朝刊2p.
 記事中では自治省による行政指導のポイントを以下の通りまとめている。
(1)掛け金は物価の上昇などを考えて、もうすこし引上げる
(2)給付金は掛金に見合ったものにする
(3)加入率を高め、住民全部がお互いに助け合う制度にする

・「赤字に悩む“善政” 交通災害共済直営では46団体も」「読売新聞」昭和44年12月22日朝刊2p.
 記事中では自治省による行政指導のポイントを以下の通りまとめている。
(1)加入者を増やす
(2)直営から損保、生協方式に切り替える
(3)給付内容を検討する
回答プロセス
(Answering process)
1.法令から調べる
官報情報検索サービス」【最終確認日 2021/01/27】、「D1-Law 法情報総合データベース」【最終確認日 2021/01/27】でそれぞれ「交通災害共済」「交通共済」「交通 共済 事務」「交通災害」「交通 共済」などで検索するも該当なし。
googleで「交通災害共済」と検索したところ、「長野県民交通災害共済組合」のホームページが見つかる。同団体の規約を見ると「昭和43年1月19日 長野県指令42地 第1004号」とある。
該当の県報を見ると「一部事務組合」の設置の許可に関するものであった。

2.新聞データベースで事実関係を確認する
(1)県内の団体について調べていたため、地元紙の「信濃毎日新聞データベース」【最終確認日 2021/01/27】で「交通災害共済」と検索したところ、以下の記事を見つけた。
・「広まる交通災害共済制度 すでに34市町村実施 自治省も積極的導入指導へ 県下では上田市で」「信濃毎日新聞」昭和42年6月21日 朝刊 p.7
 県下で初めて導入をしたのが上田市であること、埼玉県川口市が昭和41年4月に全国ではじめて制定し、その後各市町村で制定の動きが広がっている様子がわかる。全国一斉でないことから、国の政策で行われたものとは考えづらいことが分かる。

(2)全国紙の各社のデータベースを検索する。
朝日新聞「聞蔵Ⅱビジュアル」【最終確認日 2021/01/27】、毎日新聞「毎索」【最終確認日 2021/01/27】、読売新聞「ヨミダス歴史館」【最終確認日 2021/01/27】で「交通災害共済」「交通共済」と検索したところ以下のことが分かった。
埼玉県川口市発祥であること、またこの際、国は難色を示していたことがうかがわれること。
一方で住民からの評判は良く、全国に波及したこと。
その後運営について自治省が行政指導を行う予定があったこと。

3.公文書から探す
(1)国会議事録検索システムで「交通災害共済」「交通共済」などのキーワードで検索。
埼玉県川口市の交通災害共済設立の記事に関して言及している箇所あり。

また、自治省による行政指導について読売新聞、朝日新聞が報じたのが昭和44年12月22日であるため、昭和44年12-3月の期間の議事録を「交通共済」「交通 共済 自治省」などのキーワードで検索したが、行政指導について言及されているものはなかった。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
保険  (339)
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
交通災害共済
交通共済
地方公共団体
地方行政
共済組合
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000284925解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決