レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年01月14日
- 登録日時
- 2021/03/28 10:48
- 更新日時
- 2021/03/31 15:58
- 管理番号
- 千県中参考-2020-21
- 質問
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解決
・『教行信証』の親鸞聖人真筆とされる坂東本
・『歎異抄』の蓮如写本
この2つについて、影印本を探している。字の形が見たいので、一部が掲載されていれば写真でも構わない。図書館で借りられるものでなくても、タイトルや出版社等を教えてほしい。
- 回答
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1 『教行信証』の親鸞聖人真筆とされる坂東本
以下の資料に掲載されています。
【資料1】『石川九楊著作集 8』(石川九楊著 ミネルヴァ書房 2017)
p487「親鸞筆 教行信証(坂東本)」が掲載されています。p486に「「正信偈」が、左頁の親鸞の書、坂東本『教行信証』冒頭部に書かれている。」と記載されています。
またp486-491に親鸞の書法や特徴についての記載があります。
【資料2】『日本高僧遺墨 1』(毎日新聞社「重要文化財」委員会編集 毎日新聞社 1971)
[図]59に実物大の教行信証のカラー写真が掲載されています。p159に書の解説があります。
【資料3】『親鸞思想』(古田武彦著 富山房 1975)
口絵に6ページ分「教行信証板東本」の白黒写真が掲載されています。
そのほか、当館未所蔵資料ですが、以下のような図書があるようです。
【資料4】『顯淨土眞實教行證文類 (坂東本) 影印本』([親鸞] [著] 宗宝宗史蹟保存会監修 真宗大谷派宗務所 2005)
【資料5】『顕浄土真実教行証文類』(親鸞著 大谷派宗務所 1956)
(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2484135)
(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2484136)
(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2484137)
(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2484138)
(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2484139)
(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2484140)
こちらは国立国会図書館デジタル化資料送信サービス送信館限定資料で、館内で閲覧することが出来ます。
2 『歎異抄』の蓮如写本
下記の資料に掲載されています。
【資料3】『親鸞思想』
口絵に「歎異抄蓮如本」の冒頭部と「流罪記録」の白黒写真が掲載されています。
【資料6】『歎異抄事典』(谷川理宣[ほか]編著 柏書房 1992)[p1]に、「歎異抄=蓮如本」の冒頭部と蓮如の奥書の白黒写真が掲載されています。
また当館未所蔵資料ですが、下記の資料に掲載されているようです。
【資料7】『歎異抄 上,下,解説』([親鸞述],蓮如筆 同朋舎出版部 1976)
CiNii Booksで書誌事項(https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA47596269)を確認すると、「注記」に「西本願寺蔵, 蓮如書写本(蓮如筆, 江戸中期)の影印覆製」と記載されています。
【資料8】『歎異抄 上,下』([親鸞述] ; 蓮如上人書写 便利堂 1973)
CiNii Booksで書誌事項(https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA51820424)を確認すると、「注記」に「西本願寺蔵, 蓮如書写本の覆製」との記載があります。
【資料9】『歎異抄影印集成』([親鸞][述] 永田文昌堂 2014)
京都の出版社法蔵館のサイト(https://pub.hozokan.co.jp/book/b532325.html)の目次「一、影印」に「『歎異抄』 本願寺所蔵蓮如上人書写本」が確認できます。
- 回答プロセス
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1 コトバンクで「教行信証」を検索。「教行信証」(https://kotobank.jp/word/%E6%95%99%E8%A1%8C%E4%BF%A1%E8%A8%BC-52555)「ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典」の解説によると正式名称は「顕浄土真実教行証文類」。
また『日本古典文学大辞典 第2巻』(日本古典文学大辞典編集委員会編 岩波書店 1984)p185「教行信証」によると「親鸞の真蹟とみられるものが東本願寺に蔵され、坂東本(報恩寺本・草稿本とも)と呼ばれ」、「東本願寺蔵本は大正十一年と昭和三十一年」に「コロタイプ版の影印が刊行された」との記載あり。
また藤原智「『教行信証』における引用文について:古写経本による再検討」(『近現代『教行信証』研究検証プロジェクト研究紀要』3 号 2020.6)(https://www.jstage.jst.go.jp/article/kyogyoshinsho/3/0/3_63/_article/-char/ja)p67によると、「宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌を記念し、改めて坂東本の修復、そしてカラー影印本(真宗大谷派、二〇〇五年)が作成された。」との記載がある。
2 日本十進分類法で「浄土真宗」は「188.7」なので該当の棚の【資料3】を確認。
3 『日本美術作品レファレンス事典 書跡篇1』(日外アソシエーツ 2001)p249「教行信証(坂東本)」を確認。【資料2】を発見。
4 国立国会図書館サーチを「教行信証」&「親鸞筆」で検索。『名僧の書』(石川九楊著 淡交社 2012)が該当。自館の蔵書を書名「名僧の書」で検索し、【資料1】の所収が判明したので、内容を確認した。
5 国立国会図書館サーチを「顯淨土眞實教行證文類」&「影印」で検索。【資料4】【資料5】が該当。
6 国立国会図書館サーチを「歎異抄」&「蓮如」&「影印」で検索。【資料7】が該当。
7 国立国会図書館サーチを「歎異抄」&「本願寺蔵」で検索。【資料8】、【資料9】が該当。
8 レファレンス協同データベースを「歎異抄」&「影印」で検索。福島県立図書館「『歎異抄』の原文をみたい。翻刻されたものではなく、筆で書かれた写本のようなものがよい。」(https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000262823)が該当。【資料6】と【資料9】についての紹介あり。自館の蔵書を書名で検索したところ【資料6】の所蔵があった。
(インターネット最終アクセス:2021年2月8日)
- 事前調査事項
- NDC
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- 各宗 (188 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『石川九楊著作集 8』(石川九楊著 ミネルヴァ書房 2017)(0106568443)
- 【資料2】『日本高僧遺墨 1』(毎日新聞社「重要文化財」委員会編集 毎日新聞社 1971)(9102649764)
- 【資料3】『親鸞思想』(古田武彦著 富山房 1975)(9102400207)
- 【資料4】『顯淨土眞實教行證文類 (坂東本) 影印本』([親鸞] [著] 宗宝宗史蹟保存会監修 真宗大谷派宗務所 2005)(https://id.ndl.go.jp/bib/024249619)
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【資料5】『顕浄土真実教行証文類』(親鸞著 大谷派宗務所 1956)
(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2484135)
(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2484136)
(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2484137)
(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2484138)
(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2484139)
(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2484140) - 【資料6】『歎異抄事典』(谷川理宣[ほか]編著 柏書房 1992)(9102879970)
- 【資料7】『歎異抄 上,下,解説』([親鸞述],蓮如筆 同朋舎出版部 1976)(https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA47596269)
- 【資料8】『歎異抄 上,下』([親鸞述] 蓮如上人書写 便利堂 1973)(https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA51820424)
- 【資料9】『歎異抄影印集成』([親鸞][述],矢田了章, 林智康 編 永田文昌堂 2014)(https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025617614-00)
- キーワード
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- 教行信証(キョウギョウシンショウ)
- 顕浄土真実教行証文類(ケンジョウドシンジツキョウギョウショウモンルイ)
- 親鸞(シンラン)
- 浄土真宗(ジョウドシンシュウ)
- 歎異抄(タンニショウ)
- 蓮如(レンニョ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 一般
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000295882