レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 秋田県立図書館 (2110003) | 管理番号 (Control number) | 秋田-2272 | ||||
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事例作成日 (Creation date) | 2019年07月03日 | 登録日時 (Registration date) | 2019年07月03日 14時25分 | 更新日時 (Last update) | 2019年07月14日 08時22分 | ||
質問 (Question) | 全国(できれば秋田県内)で火打石はいつまで使われていたか知りたい。戦後は物資が不足していたのでまだ使われていたのではないかと思う。 | ||||||
回答 (Answer) | 下記の資料を案内。 なお、①~⑤は暮らしの道具、⑥~⑦はまじないや呪術に関する記載である。 ①『火をつくる 発火具の変遷』(小口正七/著、裳華房、1991、575.8/オヒ)資料番号:120322862 →P64「江戸時代になると、火打石は商品として売られるようになり、有名な産地も現われました」と記載あり ②『火の道具』(高嶋幸男/著、柏書房、1985、575.8/タヒ)資料番号:110113529 →次のとおり記載あり P76「火花式発火法の道具は、火打金(火打鎌)、火打石、火口の組み合わせを基本とし」 P131「明治時代に入り、より簡便なマッチが発明され使用されるようになると、全盛を極めた火花式発火法も急速にその席を譲ることになる」 ③『火打ち道具の製作調査と映像記録 東京都江戸東京博物館調査報告書 第14集 映像音響資料制作に伴う調査報告書 6』(東京都江戸東京博物館、2002、575.8/トヒ)資料番号:128781150 →次のとおり記載あり P48「江戸時代には明らかに日本各地で火打石が生産されていたはずで、日本各地域での火打石の実態解明が待たれる」 P50「日本において新しい発火具であり、日々の発火方法をすっかり様変わりさせてしまうマッチが登場する(中略)フランスに留学した清水誠が明治8年黄燐マッチを製造したことにより、国産が始まったとされる」 P51「表1 明治七年「府県物産表」にみる発火具産出・産額表」において、秋田県の火打石の産出量(50箇)、産額(25円)の記載あり P59「表7 第一回内国勧業博覧会出品の火打石一覧(明治10年)」において、秋田県から出品された3点の産地および出品者の記載あり P60「表8 第二回内国勧業博覧会出品の火打石一覧(明治14年)」において、秋田県から出品された10点の産地および出品者の記載あり P61「表9 第三回~第五回内国勧業博覧会出品の火打石一覧」において、秋田県から出品された2点の産地および出品者の記載あり ④「発掘された火起こしの歴史と文化」 https://www.lib.pref.miyazaki.lg.jp/ct/other000003000/fujikisatoshi3.pdf →次のとおり記載あり P42「現在の日本における普段生活の中で、火打石を見かけることはほとんどない。なぜなら、明治時代になってマッチが普及するようになり、火打石は火起こし具としての千年以上の長きにわたる役割を終えてしまったからである。」 ⑤広報常陸太田 平成26年8月号 http://www.city.hitachiomiya.lg.jp/data/doc/1408934775_doc_1_7.pdf (確認日付2019.6.12) →次のとおり記載あり P19「北富田~諸沢地域で産出された瑪瑙は、膨大な産出量を誇り、江戸時代からマッチが普及する時代まで盛 んに採掘されて火打鎌とともに販売され、(中略)マッチが普及してからも、戦時中は兵士の携帯火打ち用具に使われ、終戦前後の物資不足時には、一般家庭での需要も高まったそうです。」 ⑥『月刊羽後公論 294号〜300号』(羽後公論社/編、羽後公論社、1994.4〜1995.10、A051/47/294-300)資料番号:128340411 →第298号P40「火打ち石に」に次のとおり記載あり はつらつ(?)とはたらく主人ですが、年が明けて会社(初出勤)の朝、私は、主人の頭に、玄関先で”火打ち石”を「パチッ、パチッ・・・」(中略)火打ち石を気前よくならしました ⑦『秋田叢書 第6巻』(秋田叢書刊行会/編、秋田叢書刊行会、1930、081/アア/6)資料番号:111327508 →P44(「風俗問状答」)に次のとおり記載あり 旅立の時の事(中略)石二ツきよく洗て神棚へおく。その人の足つよからんまじなひなりと申す也。 | ||||||
回答プロセス (Answering process) | ・インターネット検索 キーワード「火起こし 火打ち石 いつまで」 →wikipediaの「火打ち石」の項より、出典として掲載されていた資料を確認するとともに、NDC575.8の棚をブラウジングし、①、②、③の資料を発見 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E6%89%93%E7%9F%B3 (確認日付2019.6.12) →④がヒット https://www.lib.pref.miyazaki.lg.jp/ct/other000003000/fujikisatoshi3.pdf (確認日付2019.6.12) ・インターネット検索(キーワード「戦時中 火打」) →⑤がヒット ・国立国会図書館デジタルコレクションで検索(キーワード「火打石」「火打ち石」) http://dl.ndl.go.jp/ (確認日付2019.6.17) →『秋田県立博物館ニュース第138号』(秋田県立博物館、2005)、『秋田県立博物館研究報告第31号』(秋田県立博物館、2006)がヒット 平成17年9~11月の企画展「石・火山・ひと~秋田の大地とくらし~」の展示品の中に火打ち石があったことを確認。 ・秋田県立図書館デジタルアーカイブで検索(キーワード「火打石」「火打ち石」) →⑥がヒット ・インターネット検索 キーワード「秋田 火打石 いつまで」 →ブログ「湯沢市ジオパーク推進協議会 奮戦記!」がヒット。火打ち石をまじないとして使用していたという文章の出典として⑦について記載あり http://yuzawageopark.blog.fc2.com/category7-90.html (確認日付2019.6.11) ×『秋田県史 〔通史編〕第7巻 年表,索引編』(秋田県/編、加賀谷書店、1977、210/アア/7)資料番号:112128046 ×『秋田市史 第17巻 索引』(秋田市/編、秋田市、2006、214.5/アア/17-2郷)資料番号:124368143 ×『総合郷土研究秋田県』(秋田県師範学校/編、秋田県師範学校、1939、A290/54)資料番号:112400858 ×秋田県立博物館研究報告一覧 https://www.akihaku.jp/publication/report/report.htm (確認日付2019.6.12) ×『戦争とくらしの事典』(ポプラ社、2008、210J/ポセ)資料番号:122781776 ×『戦争中の暮しの記録』(暮しの手帖/編、暮しの手帖社、1980、210.75/クセ)資料番号:110188869 ×『戦争のある暮らし』(乾 淑子/編、水声社、2008、210.6/イセ)資料番号:122815509 ×『20世紀の歴史 16 第2次世界大戦』(平凡社、1990、209.7/ヘニ/16)資料番号:120037437 ×『写真でみる太平洋戦争とくらし・道具事典 人びとのくらし・道具』(昭和館学芸部/監修、金の星社、2016、210J/シシ)資料番号:123568487 ×『100人が語る戦争とくらし 1 子どものくらし』(大石 学/監修、学研プラス、2017、210J/オヒ/1)資料番号:129867800 ×『絵本子どもたちの日本史 4 戦争と子どものくらし』(石井 勉/絵、大月書店、2012、384J/イエ)資料番号:129578738 ×『朝日クロニクル20世紀 第10巻 完全版 特集編・総索引』(朝日新聞社、2001、210.6/アア/10)資料番号:128849213 ×『日本大百科全書 19 Encyclopedia Nipponica 2001 はに‐ひん』(小学館、1988、R031/シニ/19)資料番号:110002243 ×『国史大辞典 11 にた-ひ』(国史大辞典編集委員会/編、吉川弘文館、1990、R210.03/ヨコ/11)資料番号:124000571 ×『日本史大事典 5 と〜ふ』(平凡社、1993、R210.03/ヘニ/5)資料番号:120778659 | ||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | |||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) | |||||||
キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | |||||||
寄与者 (Contributor) | |||||||
備考 (Notes) | 受付方法:電話、6/11 | ||||||
調査種別 (Type of search) | 所蔵調査 | 内容種別 (Type of subject) | 郷土 | 質問者区分 (Category of questioner) | 一般 | ||
登録番号 (Registration number) | 1000258290 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 解決 |