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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
大阪府立中央図書館 (2120005)管理番号
(Control number)
OSPR13050080
事例作成日
(Creation date)
登録日時
(Registration date)
2013年07月16日 00時30分更新日時
(Last update)
2013年07月19日 11時15分
質問
(Question)
例えば「ももたろう」の昔話が、いろいろな地方の方言で一冊の資料にまとめられている文献がありましたらお知らせください。
また 貸出は可能でしょうか?
回答
(Answer)
国立国会図書館サーチ「桃太郎 方言 すべて」で探しました。当館で内容を確認できたものを、以下にご紹介します。

1.図書
1)『すばらしい方言の世界(日本の方言大研究 5)』(佐藤亮一/監修 ポプラ社 1997)当館請求記号【J818/8N/5】

方言で語る「桃太郎」(p.34-39)
「桃太郎」の全文ではありませんが、
「共通語(その一)むかし むかし あるところに おじいさんと おばあさんが ありました。おじいさんは 山へ しばかりに おばあさんは 川へ せんたくに いきました。」を青森県と愛知県の言葉(カタカナ:以下同じ)で、
「共通語(その二)おばあさんが  せんたくを していると 川上から おおきな ももが どんぶらこ どんぶらこと 流れてきました。おばあさんは そのももを ひろって 家へ かえりました。」を山形県と鹿児島県の言葉で、
「共通語(その三)おばあさんが ももを 切ろうとすると ももが ふたつに われて 中から 大きな 男の子が 生まれました。おじいさんと おばあさんは その子に 桃太郎という 名前を つけました。」を京都府と沖縄県の言葉で書かれています。

2)『ききくらべよう日本の方言(日本の方言大研究 7)』(佐藤亮一/監修 ポプラ社 1997)【J818/8N/7】 

第一部 方言で語る「桃太郎」(p.4-11)
1)の「共通語(その一)(その二)(その三)」の文章が、青森県・山形県・愛知県・京都府・山口県・鹿児島県・沖縄県(7種類)の言葉(カタカナ)で書かれています。付録CDにはその朗読がおさめられており、解説によりますと「全国の方言の研究者が、「日本語音声」という研究チームをつくって、全国の方言の音声をあつめたCDの中から、えらんだものです。」という内容です。


2.雑誌記事
「桃太郎の方言訳:青森から沖縄まで」佐藤亮一/篇(『言語生活』349、1981.1、p.48-52)【P80/2】

「むかしむかし、あるところに・・・桃太郎と名まえをつけました。」という原文(1よりは長くて詳しい内容)が、青森県・福島県・新潟県・東京都・静岡県・富山県・京都市・島根県・高知市・鹿児島市・沖縄県(11種類)の言葉(カタカナ)で書かれています。

また、「収録にあたっては、まず、共通語によるテキストを作成して、それを方言話者に示して、なるべく原文に忠実に方言訳を行うことを求めた。」「したがって、ここに紹介するものは、各地に伝承されている民話としての「桃太郎」(そのプロットには多くのバラエティーがある)ではなく、「桃太郎」が民話として伝えられていない地方のものも含まれていることに注意してほしい。」という説明があります。

あいにくと雑誌は貸出しておりませんので、閲覧か複写をご利用ください。


3.録音CD
『お国ことばを知る方言の地図張』の付録CD(佐藤亮一/監修 小学館 2002.7)【818/52N】

付録CD「お国ことばで聞く桃太郎」には、青森県・山形県・宮城県・富山県・静岡県・愛知県・京都府・大阪府・岡山県・島根県・山口県・福岡県・鹿児島県・沖縄県(14種類)の朗読がおさめられています。

図書の巻末ページの解説によりますと「CD『お国ことばできく桃太郎』は、昔話「桃太郎」を日本各地の方言で語ったものである。」「このCDは、平成一年度文部省科学研究費補助金重点領域研究「日本語音声における韻律的特徴の実態とその教育に関する総合的研究」(研究代表杉藤美代子)の音声データベースをもとに作成したものである。」という内容です。

”共通語による「桃太郎」”という文章が掲載されており、その文章は1の「共通語(その一)(その二)(その三)」と同じです。それぞれの方言についての説明はありますが、朗読内容は活字になっていません。

4.その他
1冊の図書にまとめられているわけではありませんが、「同じ出版社」の「同じ編集方針」の「同じ全集/シリーズ」に収録されている「桃太郎」を比べることもできます。

例えば、『日本の民話』全12冊(ぎょうせい 1995.2)
「話のかけ橋に」によりますと、「日本の民話のどの話も話手の村里に編者が出むいて、話されたままを文字にうつしたものです。」として、収録されている各民話に話者の簡単な住所と氏名が記載されています。

第3巻 東北(2) 「桃太郎」p.94-98
第4巻 関東 「桃太郎」p.47-49
第5巻 甲信越 「桃太郎」p.115-119
第6巻 東海・北陸 「桃太郎」p.137-141
第9巻 山陽 「桃太郎」p.17-24
と5種類の方言が収録されています。

また、この全集には「舌切雀」「カチカチ山」「食わず女房」「瓜子姫と天の邪鬼」なども、何冊かに収録されていました。
回答プロセス
(Answering process)
1.当館OPAC、NDLOPAC、雑誌記事索引、NDLサーチ、CiNiiを「方言*むかしばなし」「方言*民話」「方言*伝説」などで検索したが、目的の資料は見つからなかった。
2.NDLサーチの検索結果を当館所蔵資料で確認したが、結局、佐藤亮一氏の文献だけだった。回答1.2.3とも「共通語の原文」を各地の方言で読み上げたものを採録した内容だった。回答1.3は平成一年度文部省科学研究費補助金重点領域研究「日本語音声における韻律的特徴の実態とその教育に関する総合的研究」によるものだった。なお、「浦島太郎 方言」「こぶとりじいさん 方言」でも検索したが、0件だった。
3.当館OPACを検索していく過程で、各地の「民話」「昔話」の全集(たいてい都道府県や地方別に編集されている)のなかに「桃太郎」「鶴の恩返し」「こぶとりじいさん」などが、何冊かに収録されていることに気がついたので、回答「その他」も併せて紹介した。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
方言.訛語  (818 8版)
日本語  (051 8版)
参考資料
(Reference materials)
国立国会図書館サーチ(2013/5/28現在) ( http://iss.ndl.go.jp/ )
『すばらしい方言の世界(日本の方言大研究 5)』(佐藤亮一/監修 ポプラ社 1997), ISBN 4-591-05341-5 (p.4-11)
<p>『ききくらべよう日本の方言(日本の方言大研究 7)』(佐藤亮一/監修 ポプラ社 1997)</p>, ISBN 4-591-05343-1 (附録CD)
「桃太郎の方言訳:青森から沖縄まで」佐藤亮一/篇(『言語生活』349、1981.1、p.48-52)
『お国ことばを知る方言の地図張』(佐藤亮一/監修 小学館 2002.7), ISBN 4-09-504152-8 (付録CD)
『日本の民話 3:東北(2)』(ぎょうせい 1995.2), ISBN 4-324-04318-3 (p.94-98)
『日本の民話 4:関東』(ぎょうせい 1995.2), ISBN 4-324-04319-1 (p.47-49)
『日本の民話 5:甲信越』(ぎょうせい 1995.2), ISBN 4-324-04320-5 (p.115-119)
『日本の民話 6:東海・北陸』(ぎょうせい 1995.2), ISBN 4-324-04321-3 (p.137-141)
『日本の民話 9:山陽』(ぎょうせい 1995.2), ISBN 4-324-04324-8 (p.17-24)
キーワード
(Keywords)
方言
昔話
民話
伝説
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
言葉
質問者区分
(Category of questioner)
図書館
登録番号
(Registration number)
1000133760解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決

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