レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009年11月20日
- 登録日時
- 2011/09/13 11:42
- 更新日時
- 2011/09/13 11:42
- 管理番号
- 9000006164
- 質問
-
解決
中国の清代、乾隆年間の画家・羅聘(らへい)の描いた「鬼趣図」を見たい。
- 回答
-
「鬼趣図」は全部で8幅あり、『文人画粋編』第9巻 中国篇 金農(中央公論社 1986年)p122-123に「鬼趣図」その3とその4の白黒図版の掲載がある。また、最終幅のカラー図版が『中国画人伝』(陳舜臣著 新潮社 1984年)p169などにある。
- 回答プロセス
-
1.自館システムで件名、著者名で「羅聘」を検索するが未ヒット。
2.レファレンスブックを調査
・『東洋美術作品レファレンス事典』(日外アソシエーツ編集・発行 2008年)→巻末の「作者名索引」で「羅聘」を見るが、「鬼趣図」の掲載なし
・『中国絵画史事典』(王伯敏著 雄山閣出版 1996年)→人名索引から「羅聘」を引くと、p520に「鬼趣図」の小さい部分白黒写真の掲載あり
3.金農の作品が掲載されている図書を調査
・『文人画粋編』第9巻 中国篇 金農(中央公論社 1986年)→p122-123に「鬼趣図」その3と4の小さい白黒図版の掲載がある。
5.「揚州八怪」に関する図書を調査
・『水墨美術大系』第11巻 八大山人・揚州八怪(講談社 1978年)→「鬼趣図」の掲載なし
6.有料データベース「MAGAZINE PLUS」で、雑誌記事を検索。「羅聘」を検索すると次の資料がヒット(「鬼趣図」では未ヒット)
・「芸術新潮」1977年11月号(新潮社)p110-111「中国画人伝 11 羅聘」(陳舜臣著)→p110に「鬼趣図」の最終幅のカラー図版の掲載あり
※同内容を単行本にした『中国画人伝』(陳舜臣著 新潮社 1984年)→p169にも「鬼趣図」の最終幅のカラー図版の掲載あり。また、「同図冊より」という図版の掲載もある
7.nacsis webcatを検索。東京大学東洋文化研究所に『羅聘鬼趣図』を所蔵(図版70枚)
【追加調査】
8.「東洋文化研究所」webサイト(http://cpdb.ioc.u-tokyo.ac.jp/ ※2011.3.18確認)の「中国絵画所在情報データベース」(http://cpdb.ioc.u-tokyo.ac.jp/search.php/picture ※2011.3.18)で画家名「羅聘」で検索。
・「鬼趣図冊」→京都国立博物館「須磨未千秋コレクション」
・「鬼趣図巻」図1~8、「鬼趣図巻附属読題詠巻」→「霍宝材コレクション」
※上記のコレクションについては、デジタルアーカイブ、図録などは見あたらなかった。
9.美術全集の中国美術の巻などを調査するが、次のものには掲載はなかった
・『原色世界の美術』第15巻 中国(座右宝刊行会編 小学館 1979年)
・『世界美術大全集』第9巻 東洋編 清(小学館 1998年)
・『中国の美術』第3巻 絵画(淡交社 1982年)
・『中国絵画のみかた』(王耀庭著 二玄社 1995年)
- 事前調査事項
- NDC
-
- 東洋画 (722 9版)
- 参考資料
-
- 『文人画粋編』第9巻 中国篇 金農(中央公論社 1986年) (p122-123)
- 「芸術新潮」1977年11月号(新潮社) (p110)
- 中国画人伝』(陳舜臣著 新潮社 1984年) (p169)
- キーワード
-
- 羅聘
- 「鬼趣図」
- 中国
- 絵画
- 揚州八怪
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 『中国絵画史事典』(王伯敏著 雄山閣出版 1996年)によると、羅聘(らへい、ルオピン 1733-1799)は、字は遯夫(とんふ)、号は両峰、また、金牛山人、花之寺僧、衣雲道人、蓼州漁夫などとも号した。もとは安徽の歙県の人だったが、後に揚州に転居した。金農の弟子。「鬼趣図」は全部で8幅あり、「鬼」を人にたとえて封建社会を風刺した。独特の心象表現により当時多大の名声を博した作品。(p509-510,p514,p520)
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 彫刻・絵画・版画
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000090984