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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
岩手県立図書館 (2110044)管理番号
(Control number)
岩手-374
事例作成日
(Creation date)
2020年12月05日登録日時
(Registration date)
2020年12月16日 13時55分更新日時
(Last update)
2021年03月24日 18時45分
質問
(Question)
戦時中、岩手県公会堂の西側(現在原敬の胸像がある場所)に隊列を組んだ軍馬像があったが、終戦前に金属回収でなくなってしまった。この軍馬像の作者を知りたい。
回答
(Answer)
軍馬像の正式名称は「支那事変軍馬出征記念像」。西磐井郡山目村(現・一関市山目)出身の彫刻家、伊藤国男の手による。昭和15年12月21日に建立され、金属類回収令により昭和19年3月9日に供出された。東京の馬事公苑にも昭和15年9月に同一の馬象が建設されたようである。なお、伊藤国男は馬像彫塑の第一人者であるが、美術界の特定派閥に属さなかったため美術家名鑑には殆ど掲載されていない。
以下、県公会堂の軍馬像と伊藤国男について記載のある資料を紹介。当時の新聞の漢字の旧字体は新字体へ適宜改めた。

・『岩手県公会堂竣工88周年記念誌 88th Anniversary』岩手県公会堂指定管理者希望橋グループ 2016年
⇒p.17「モニュメントトーク」
“公会堂の前庭に「支那事変軍馬出征記念像」。(略)昭和15年12月21日に建立されました。(略)伊藤圀男による細やかでリアルな彫刻です。(略)3年ほどであえなく金属供出で回収されたようです。”
※記念像の写真掲載あり。

【マイクロフィルム資料】
●軍馬記念像除幕式関連記事
・『岩手日報』 昭和15年12月17日 3面
⇒「全国で唯二つ 支那事変出征軍馬の記念像 廿一日栄ある除幕式」
“此の像は西磐井郡山目村出身、東京蒲田女塚現住の彫刻家伊藤国男氏の原型(略)に成り此像と同じものが今秋東京の馬事公苑に建設されてあり全国で唯二ツと言ふ逸品だ”
※記念像の写真掲載あり。

・『岩手日報(夕刊)』 昭和15年12月22日 2面
⇒「馬産業の要石 記念像の除幕式 けふ晴れの式典挙行」
“記念像の製作者たる西磐井郡山目村出身の伊藤国男氏等も態々来盛参列し(略)”
※記念像の写真掲載あり。記事の日付は昭和15年12月22日だが、当時の夕刊は翌日の日付を入れるのが慣例だった。

・『岩手日報』 昭和15年12月28日 2面
⇒『子等歌ふ“愛馬の歌” 感謝捧ぐる顕彰碑 馬産岩手の赤誠茲に』
“製作者伊藤国男氏が西磐井郡の郷土の生んだ我国彫塑界の中堅である事は更にこの馬群像に生命を与えたものといへる”
※12月17日付記事と同一の写真掲載あり。

・『毎日新聞(岩手版)』 昭和15年12月13日 6面
⇒『勲の軍馬の像 廿一日に除幕式』
※伊藤国男の名前掲載なし

・『毎日新聞(岩手版)』 昭和15年12月21日 6面
⇒「けふ軍馬銅像除幕式」
“なほこの銅像は西磐井郡山目村出身の彫刻家伊藤国男氏の制作にかゝり(略)”
※記念像の写真掲載あり

・『毎日新聞(岩手版)』 昭和15年12月22日 6面
⇒「出征軍馬記念像 微笑裡に除幕」
“ついで(略)銅像製作者伊藤国男氏(略)に対する感謝状贈呈が型の如くあり”

・『読売新聞(岩手版)』 昭和15年12月18日 8面
⇒「馬群像に偲ぶ 顕彰碑に隠れたる一婦人の博愛」
“製作者は西磐井郡出身の彫刻家伊藤国男氏だが(略)”
※記念像の写真掲載あり

・『読売新聞(岩手版)』 昭和15年12月22日 8面
⇒「軍馬像の除幕式」
“製作者伊藤国男氏に感謝状を贈り(略)正午閉会した”


〖参考①〗
●軍馬記念像の金属類回収令による供出関連記事
・『岩手日報』 昭和19年3月10日 3面 【マイクロフィルム】
⇒「公会堂前の“軍馬”壮行式」
“支那事変軍馬出征記念像晴れの壮行式は九日午前十一時から現場に於て(略)盛大に行はれた”

●軍馬記念像の建立と金属類回収令による供出までの年表
・『図説盛岡四百年 下巻2』吉田義昭[ほか]∥編著 郷土文化研究会 1992年
⇒「盛岡郷土略年表」
 →p.516 “1940(昭和15年)12月21日
支那事変軍馬出征記念像、内丸の県公会堂前に建立。”
→p.517 “1944年(昭和19年)3月9日
県公会堂前の支那事変軍馬出征記念像、金属回収で供出”

・『岩手県郷土史年表』田中喜多美∥編 万葉堂書店 1972年
⇒p.417 “昭和15年(1940)12月21日
  県公会堂前庭に支那事変軍馬出征記念像除幕式あり。”
⇒p.426 “昭和19年(1944) 3月9日 支那事変軍馬出征記念像(公会堂前)供出”

〖参考②〗
●伊藤国男について記述のある資料(※公会堂前の軍馬像については記載なし)
・『山目史』山目史を作る会 1993年
⇒p.596~599「馬匹彫塑家 伊藤国男」

・『一関市史 第2巻』一関市 1978年
⇒p.514「馬の彫塑像 山目幸町山目小学校」

・『岩手の美術と共に歩んで』佐々木一郎∥著 1987年
⇒p.27「戦争と岩手美術連盟」

・『岩手美術小史 洋画を主体として』細野金三∥著 1976年
⇒p.13「1941・(昭和16)・5(月) 岩手美術連盟」
※昭和24年の2月発行の同連盟の住所録に伊藤国男(彫刻)の名前あり。
 戦前から戦後間もない時期は、この在京県人の作家と県内作家の合同団体に属していたようである。

・『昭和前期岩手の美術』細野金三∥著 岩手美術史の会 1979年
⇒p.43「1941(昭和16)第1回岩手美術連盟東京展」
“◎彫刻 当歳(鋳銅) 伊藤国男”
※目録に伊藤の名前あり

【追記】
〖参考③〗
●軍馬像(支那事変軍馬出征記念像)の写真の掲載がある資料
・『蔵から出てきた盛岡 よみがえる写真乾板』伊山治男∥編 国書刊行会 1989年
⇒p.157「軍馬出征記念の像」
※キャプションに“撮影の雰囲気を出すため、うしろで火を燃して警察に叱られたエピソードがある”とあり。

・『私家版 盛岡わたくし写真帳 続』藤村政道∥著 2017年
⇒p.26~27「支那事変軍馬出征記念像」
※それぞれ別アングルの3枚の写真掲載あり。

・『銃後のくらし 戦前・戦中の岩手』岩手県立博物館∥編 岩手県文化振興事業団 1995年
⇒p.38「支那事変軍馬出征記念像 絵葉書より」

・『明日へつなぐ 岩手の昭和史』守屋光雄∥編集 岩手日報社 1975年
⇒p.11「紀元2600年(昭和15年)につくられた軍馬出征記念碑(県公会堂前)」

・『図説盛岡四百年 下巻2』吉田義昭[ほか]∥編著 郷土文化研究会 1992年
※前掲資料
⇒p.148「県公会堂前庭に支那事変軍馬出征記念像建立」
回答プロセス
(Answering process)
(1)岩手県公会堂の記念誌、及び岩手県の郷土史年表で公会堂前に馬の銅像が建立された日や撤去された日を確認。
(2)馬像が建立、撤去された日前後の当時の新聞(マイクロフィルム)を通覧。製作者の伊藤国男を確認。
(3)伊藤国男関連資料を確認。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
東北地方  (212)
日本史  (210)
彫刻  (710)
参考資料
(Reference materials)
岩手県公会堂. 岩手県公会堂竣工88周年記念誌 : 88th Anniversary. 岩手県公会堂指定管理者希望橋グループ, 2016.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I081049016-00  (当館請求記号:K379.2/イワ)
岩手日報(マイクロフィルム)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000058580-00
毎日新聞 東京本社地方集刷版
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000059331-00
吉田義昭, 及川和哉 編著 , 吉田, 義昭, 1931- , 及川, 和哉, 1933-2016. 図説盛岡四百年 下巻 2. 郷土文化研究会, 1992.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002169297-00  (当館請求記号:K211/ヨ1/4-2-2)
田中 喜多美 編 , 田中‖喜多美. 岩手県郷土史年表. 万葉堂書店, 1972.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I036527633-00  (当館請求記号:K200.3/タ1/1)
山目史を作る会. 山目史. 山目史を作る会, 1993.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002317667-00  (当館請求記号:K241.1/ヤ2/1)
一関市史編纂委員会 編 , 一関市. 一関市史 第2巻. 一関市, 1978.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I036532316-00  (当館請求記号:K241.1/イ3/2)
佐々木一郎 著 , 佐々木, 一郎, 1914-. 岩手の美術と共に歩んで. [佐々木一郎], 1987.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001977200-00  (当館請求記号:K700/サ1/1)
細野 金三 著 , 細野‖金三. 岩手美術小史 : 洋画を主体として. 橋本印刷(印刷), 1976.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I036200597-00  (当館請求記号:K702/ホ1/1)
細野金三 著 , 細野, 金三, 1917-. 昭和前期岩手の美術. 岩手美術史の会, 1979.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001611096-00  (当館請求記号:K702/ホ1/3)
伊山治男 編 , 伊山, 治男, 1946-. 蔵から出てきた盛岡 : よみがえる写真乾板. 国書刊行会, 1989.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001995524-00  (当館請求記号:K211/イ1/1)
盛岡わたくし写真帳 続. [藤村政道], 2017.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I083068639-00  (当館請求記号:K211/フジ/2)
岩手県立博物館 編 , 岩手県立博物館. 銃後のくらし : 戦前・戦中の岩手. 岩手県文化振興事業団, 1995.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002525718-00  (当館請求記号:K207/イ3/1)
岩手日報社 編 , 守屋 光雄 編集 , 岩手日報社 , 守屋‖光雄. 明日へつなぐ : 岩手の昭和史. 岩手日報社, 1975.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I036180612-00  (当館請求記号:K207/イ1/1)
キーワード
(Keywords)
岩手県公会堂
軍馬像
伊藤国男
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000290767解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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