最初は、電話センターからの『紀州徳川家蔵品展観目録』の所蔵の有無とその内容を確認してほしいという電話であった。
『紀州徳川家蔵品展観目録』(請求記号:東515-14)を確認。207番以降に何点か古銅の花入があるが、価格は入っていない。
他機関の所蔵を調査。国立国会図書館は当館と同じ資料のみ所蔵。[NACSIS Webcat]により、東京大学史料編纂所で『紀州徳川家御所蔵品落札高値表』(昭和2年4月4日東京美術倶楽部の売立)を所蔵していることを紹介。
また、東京文化財研究所の売立目録検索システム
http://archives.tobunken.go.jp/index5.htmlにより、やはり東京美術倶楽部の売立目録『徳川家御所蔵品入札』『徳川家御蔵器入札』『徳川侯爵家蔵品伽藍洞蔵品目録』など5点を紹介。
売立目録検索は、2005年4月1日現在、東京文化財研究所情報調整室が所蔵する売立目録2,221件が登録されている。データは、入札家名、会場名、開催年の3項目から検索することができる。
後日調査
都立DBを<売立目録>で検索したところ『売立目録の書誌と全国所在一覧』(資料1)を所蔵していた。本書は、80余の機関が所蔵する4300冊余りの売立目録の一覧である。
本書で、家名検索である「実家名検索」の<徳川家>の項を見ると11点の目録が掲載されている。また別項では、掲載している目録の所蔵機関も調べることができる。売立目録とは、「売立て」-広辞苑によると所蔵品などを、期日を定めて一時に売り払うこと。多く、せり売りや入札による。-のときに発行される目録である。本書では、「売立目録」を、原則として「流通相で捉えられた蔵品情報を掲載するメディア」と考え、個々には「各所蔵者が売立目録として分類する冊子類」を取扱っている。(本書p.[2])