レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/03/04
- 登録日時
- 2010/06/19 02:00
- 更新日時
- 2010/06/19 02:00
- 管理番号
- tr196
- 質問
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解決
勝善神について知りたい。栃木県内の石碑の分布についても知りたい。
- 回答
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勝善神については、
『おおひらの野仏』(中島昭/著 出版者不明 1979)p66-67より
「勝善は正しくは蒼前(または聡〔馬偏に前〕)で、
つまり葦毛で四本の足の膝から下が白い馬のことをさし、
葦毛の馬は七聡八白といい八才になると白馬になると信じられている。
従って東北地方では「ショウデンサマ」と呼び、
蒼前のような名馬の誕生を祈って祭った信仰である。
この信仰の本宮は、岩手県水沢市の駒が岳にある駒形神社で、
この神社の絵馬にも葦毛四白の名馬が画かれている。
つまり、普通の馬頭観音信仰が馬の安全や健康を祈ったり、
死馬の冥福を祈ったりするものであるのに対して、
勝善神は、主として馬産地において名馬の誕生を祈願する意味の強い信仰である
といえよう。
もちろん、勝善もショウデンも蒼前=〔ソウゼン〕がなまったものである。」
他にも、以下の資料に説明があります。
・『柳田國男全集 第24巻』(柳田國男/著 筑摩書房 1999)
p131-138 勝善神
・『日本民俗大辞典 上』(福田アジオ/〔ほか〕編 吉川弘文館 1999)
p971 “そうぜんがみ 蒼前神”の項
また、栃木県内の石碑の分布については、
・『下野の野仏 緊急碑塔類調査報告』(栃木県教育委員会 1973)p80-81
栃木県碑塔類一覧の中に勝善神が掲載されています。
県内には131の碑があるとのことです。
それぞれの石碑については、以下資料などに掲載されているものがあります。
・『栃木市野仏の風景』(中島昭/著 中島昭 1992)
・『とちぎの野仏』(成島行雄/著 花神社 1977)
・『芳賀町史報告書 芳賀町の野仏 第9集』(芳賀町史編さん委員会 2005)
・『石に刻まれた願い 国分寺町の野仏』(国分寺町教育委員会 2000)
・『藤岡町野仏の風景』(中島昭/著 中島昭 1992)
・『小山市野仏の風景』(中島昭/著 中島昭 1995)
・『高根沢の石碑塔』(阿久津明/著 阿久津明 1984)
・『二宮の野仏』(海老沢雄蔵/編 海老沢雄蔵 1980)
・『馬頭町の文化財 第4集』(馬頭町文化財調査委員会/編 馬頭町 1982)
・『葛生の石仏』(葛生の石仏編さん委員会/編 葛生町教育委員会 1977)
・『野佛 後編』(宇都宮市教育委員会 1972)
・『路傍の石仏 うつのみやの石仏石塔』(小林正芳/著 小林正芳 1992)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 風俗習慣.民俗学.民族学 (380 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 勝善神
- 蒼前神
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000068201