レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年08月13日
- 登録日時
- 2015/02/03 16:13
- 更新日時
- 2015/05/01 16:34
- 管理番号
- 埼久-2014-170
- 質問
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未解決
水墨人物画での「故事人物画」、「道釈人物画」の区分け方について知りたい。道釈人物画を広い意味で故事人物画と表してもよいのか。
- 回答
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水墨人物画での「故事人物画」、「道釈人物画」の区分けについて、明確な記述は確認できなかった。
- 回答プロセス
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NDC分類〈722.2〉〈702.1〉の資料を調べる。
『中国絵画史事典』(王伯敏著 雄山閣出版 1996)
p218 下段「また南宋の梁楷の水墨による簡潔な人物画は、創新の精神に富み、絵画史のうえで重視されることとなった。」とあり。
『日本美術史事典』(平凡社 1987)
p657「道釈画」の項目あり。「中国における道教および仏教に関する絵画の総称。「故事人物画」に関する記述、項目なし。
『日本美術用語辞典 和英対照』(東京美術 1990)
p459〈道釈人物画〉「道釈とは、道教・釈家を指すが、(中略)これら儒仏道に関する人物を画題としたもの。」「故事人物画」に関する記述、項目なし。
『中国絵画史事典』(王伯敏著 雄山閣出版 1996)
p127〈唐代の人物画〉に、「(前略)道釈画のほかに、肖像、仕女画が一時風靡したが、その他の歴史故実を書いたものなどもみられ」との記述あり。
『日本美術館』(小学館 1997)
p785〈道釈人物画〉の注として「道教や仏教に関する人物画のこと。主に神仙や仏教の羅漢、観音を主題とした。」とあり。「故事人物画」に関する記述、項目なし。
『仏教美術事典』(中村元監修 東京書籍 2002)
〈道釈人物画〉比較的詳しい解説があるが、「故事人物画」に関する記述なし。索引に項目なし。
『すぐわかる水墨画の見かた』(東京美術 2005)
p84 北宋の皇帝のコレクションを記した『宣和画譜』(1120年序)による絵画分類は、道釈、人物、宮室(=皇帝関係)、番族、龍魚、山水、蓄獣、花鳥、墨竹、蔬果の10種類である。「故事人物画」に関する記述、項目なし。
『中国絵画の源流』(王凱著 秀作社出版 2014)
p191 中国絵画の専門用語〉中に「道釈画」あり。「故事人物画」に関する記述、項目なし。
《Google》(https://www.google.co.jp/ Google 2014/08/13最終確認)を〈故事人物画〉で検索する。
《サントリー ニュースリリース》に「「出逢いと語らい ― 故事人物画と物語絵― 仙人・楊貴妃・光源氏 ― 」展を開催(サントリー美術館 2000)」の記事あり。(http://www.suntory.co.jp/news/2000/7707.html サントリー 2014/08/13最終確認)
「故事人物は、昔から伝えられてきたいわれのある人々を指します。中国の故事に由来する「寒山拾得(かんざんじっとく)」、「虎溪三笑(こけいさんしょう)」、「琴棋書画(きんきしょが)」などの仙人、高士(こうし)、祖師(そし)、道釈(どうしゃく)人物は我が国でも広く知られています。あるいは「玄宗楊貴妃」や我が国の「源氏物語」や「平家物語」などの説話や物語に登場する男女もまた、それぞれ古くから親しまれてきました。彼らは必ずしも実在した人物とは限らず、空想の物語や伝説の主人公である場合もありますが、時代を経るごとに物語や芸能、美術に不滅の生命を得て、後の世を生きる人々の範となり、またつよい憧れの対象となりました。そして、絵画の主題としても古くから度々取り上げられ、理想の姿として広く深く愛好されてきました。」とのこと。
調査済資料
『中国絵画の歴史と鑑賞 新編訳注甌香館画跋』(毛利和美訳著 二玄社 1985)
『中国人物画の描法』(馬驍著 日貿出版社 1983)
『中国絵画の流れ 上古から現代まで』(任道斌著 露満堂 1997)
『水墨画のすすめ』(豊島宗七著 秀作社出版 1997)
『中国絵画のみかた』(王耀庭著 二玄社 1995)
- 事前調査事項
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調査済資料 「水墨画入門 」(山下裕二著 淡交社 2004)、『水墨美術大系 14』(講談社 1977)、『日本美術絵画全集 23』(辻惟雄著 集英社 1977)
- NDC
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- 東洋画 (722 9版)
- 芸術史.美術史 (702 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 水墨画
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000167187